2017年8月2日水曜日

「豆知識集27」ダイエット・健康に関するQ&Aその8

この記事では『「ダイエットと健康」に関するQandA』、特にダイエットというよりも「健康に関する迷信・巷でよく言われている事」について私なりにまとめています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/8/2)


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Q.エビの尻尾はカルシウムが多い?

A.皆さんはエビフライについているエビの尻尾を食べるでしょうか。エビの尻尾にはカルシウムが含まれていると思われており、子どもの頃にそう親から言い聞かされて育てられた経験がある人も多い事でしょう。しかし本当にエビの尻尾にはカルシウムが含まれているのでしょうか。

実際にエビに含まれている栄養素は蛋白質、ビタミンB12、カリウム、銅、セレンが挙げられます。特に蛋白質に秀でており、同じ量を食べた場合、肉や魚など動物性の食品に匹敵するほど豊富に含まれています。一方、糖や脂肪は殆どと言って良いほど含まれておらず、非常にヘルシーな食品と言えると思います。しかし刺し身などを除いてエビを使った料理はエビフライやエビの天ぷらのように、大量の油を使う事が多いため、脂肪を大量に摂取する事になります。しかも脂肪はカロリーが高いので、せっかくのエビの良さを消していまいます。栄養摂取を目的にするのであれば油を使わず単に茹でる方が良いと思います。

一方、エビの尻尾の部分では、カルシウム、キチン(不溶性食物繊維の一つ)、蛋白質が主成分となっています。この内では確かにカルシウムの割合が最も高いようです。しかしそれは「エビの尻尾の部分」だけを考えた割合の話であり、エビ全体の量的に見れば微々たるものです。同じ量の牛乳とカルシウムの含有量を比べた場合、エビ全体でも1/4程度しか含まれていません。よってカルシウムを補給するという意味では適しているとはとても言えないでしょう。

おそらくこのような迷信が広がった理由の一つに、親が「残さず食べる」という事を言い聞かせるために、「海老の尻尾にはカルシウムが含まれていて、栄養が豊富だから食べなきゃ勿体無い」と教えた事が関係していると思われます。もちろん残さず食べる事は作り手にとっても良い事ですが、嫌いなものを無理やり食べさせるだけでは好き嫌いは治りません。むしろ強制される事でそれがトラウマになり、食に対して無関心になってしまうかもしれません。しかも人によっては「海老の尻尾を食べるのは下品、行儀が悪い」と逆の言い方で教えられている場合もあるようです。デートでそれをしてそれだけで嫌われる事ももしかしたらあるかもしれません。

エビの尻尾はモノによっては硬く、よく噛み砕かないと喉に刺さる事もありますので、無理して食べる必要はないでしょう。エビの身は栄養価が高いですが前述のように尻尾はそうではないので、尻尾を食べなかったからといって損をするなんて事はまずありません。特に他の甲殻類にアレルギーを持っている方は食べない方が無難です。




Q.チョコレートは健康に良い?

●チョコレートは確かに健康には良い

お菓子の代表である「チョコレート」は糖、脂肪、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、リン、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛といった様々な栄養素が含まれています。この内では特に糖と脂肪という点で圧倒的に秀でており、「糖の摂取」「脂肪の摂取」「カロリーの摂取」という意味では非常に優れています。そのため万が一のための非常食としても高い利用価値があります。一方、ミネラルが豊富な食品という事は意外と知られておらず、チョコレートは不足しがちなミネラルを補給する事もできます。その他、チョコレートの健康効果はおそらく原材料のカカオに含まれるポリフェノールによるものだと考えられます。ポリフェノールは強い抗酸化作用があるとされており、脂肪の酸化を防いだり、細胞の酸化を防いで老化を遅くする事ができます。

しかしチョコレートに含まれる糖の量があまりに多いため、一度に大量に食べると急激に血糖値を上昇させます。糖は筋肉を動かすためのエネルギーとして必要なものであり、一時的に筋肉や肝臓に蓄える事ができます。しかしその蓄えられる量にも限界があるため、糖を大量に摂取すると血液中に糖が溢れ返ってしまう事になります。糖は筋肉を動かす事で爆発的に消費する事ができますが、消費し切れなかった糖は時間が経過すると脂肪として蓄えられ、少しずつしか消費する事ができなくなります。よってチョコレートを大量に食べる事は肥満はもちろん糖尿病などにも繋がる可能性があります。また糖ほどではありませんが脂肪も多く含まれており、それも肥満の原因になります。更に、糖と脂肪の合わせ技によってカロリーも非常に高くなっているので、エネルギー消費の低い人ではやはり肥満の原因になります。

●チョコレートを食べると鼻血が出る?頭痛になる?

これは品種にもよりますが、チョコレートにはカフェインが含まれているものがあります。カフェインは興奮作用があり心身の覚醒を促す他、脂肪の分解を補助する作用や利尿作用などがあると言われています。ただしコーヒーに含まれる量と比べると多いとは決して言えません。逆にチョコレートには「テオブロミン(犬など生物によって猛毒な場合がある)」が含まれており、これには精神を落ち着ける作用があると言われています。確かに鼻の粘膜にある血管が傷ついた状態で興奮すれば鼻血は出るでしょうが、テオブロミンによって逆に落ち着く作用が働くのでカフェインが鼻血の原因になる事は殆どありません。そもそもコーヒーで鼻血が出ないのですからおかしいですよね。

一方、チョコレートには「チラミン」が含まれており、これには血管を収縮させる作用があります。これにより血圧が急激に上昇する事があり、これとカフェインと合わさる事では、傷ついた血管から血が出やすくなる可能性はゼロではないと思います。更に、カフェインの興奮作用やチラミンの血管収縮作用がなくなった際、今度は急激に血管が拡張して血圧が下がる事があり、それによって頭痛を引き起こす事があるそうです。

●「チョコを食べると鼻血が出る」の真相

「鼻血が出る」を別の視点から考えてみると、「チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る」という迷信が生まれたのは戦後とされています。戦後まもなくして日本には外国からたくさんの食べ物が入ってきた訳ですが、その中にチョコレートがありました。しかし当時の日本人にはまだ牛乳を飲むという習慣がない家庭が多く、牛乳を使ったチョコレートというのはあまり喜ばれませんでした。売れ行きもかなり乏しかったそうです。

当時、チョコレートが好まれなかった理由の一つとして「チョコレートには牛の血が入っている」というデマが関係していると言われています。これは「牛乳→牛の乳→牛の血(言い間違いなのか、チョコレートの色を見てそう思ったのかは不明)」という経緯があり、それを信じてしまった人からチョコレートが敬遠されていたそうです。今で言う風評被害と同じですね・・・いつの時代も同じなんですね日本人は、ある意味ブレない。

そのデマは時間が経つにつれて「チョコには牛の血が入っている→チョコを食べると体内の血が増える→食べ過ぎると鼻血が出る」と伝えられ、更にそれを教えられて育った子どもが、親となった時にまたそれを自分の子どもに教え、何世代にも渡って伝わってきました。そうして親から子へ、親から子へと伝わる内に「食べ過ぎると鼻血が出る」という部分だけ残ってしまい、それが現在にまで至っているという説があります。それか、当時のチョコレートは高級品でしたし、前述のように糖・脂肪・カロリーが多いので、「食べると鼻血が出る」という事と合わせて、「子どもがたくさん食べないように親が嘘を作って伝えた」という事も考えられるでしょう。バレンタインデー(日本独自のもので1958年頃からとされる。ただし社会全体にまで浸透したのは1970年以降。欧米では様々な贈り物をお互いに贈り合う日。)もそれを払拭するために生まれたのかもしれません。




Q.中性脂肪とコレステロールってそもそも何?

●中性脂肪とは?

中性脂肪は「グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリド・ジグリセリド・トリグリセリド)」の事であり、脂肪酸とグリセリンが結びつく事で「中性」となった脂肪の事を言います。

脂質の多くはこの「中性脂肪」という形でまず吸収され、酵素によって脂肪酸とグリセリンに分解されてから利用されます。この内「グリセリン」は元々リン脂質や糖脂質などに含まれており、細胞膜を構成するために必要不可欠なものです。その他では糖をエネルギーとする解糖系や、糖以外から糖を得る糖新生においてエネルギーとして利用する事ができます。一方、そのグリセリンと結びついて中性脂肪の元となる脂肪酸の多くは「飽和脂肪酸」です。脂肪酸は細胞膜の維持に必要な他、重要なエネルギー源として利用されています。特に飽和脂肪酸は動物性の食品、油、一部のナッツ類などに豊富に含まれており、それらを食べる事で中性脂肪の元になります。

中性脂肪はエネルギーとして体に蓄える事ができます。脂肪はそれを消費するために必要なエネルギーが多いため、非常に優秀なエネルギー源です。万が一に食べ物にありつく事ができないような状況に陥ったとしても、脂肪があれば時間に猶予を持たせる事ができます。また前述のように細胞膜、つまり脂肪は皮膚や粘膜などの健康の維持に必要なものです。脂肪=太るというイメージは強いですが、脂肪を極端に制限すると皮膚が薄くなり、バリア機能が失われます。尚、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKといった脂溶性ビタミンの吸収のためにも使われます。

しかし過剰に摂取して内臓に蓄積(内臓脂肪)すれば内臓機能を低下させ、皮下に蓄積(皮下脂肪)すれば見た目として肥満体型になります。また蓄積しきれなかったものが血液中に溢れる事があり、動脈硬化などの原因になると言われています。更に脂溶性ビタミンを体内へ蓄積させやすくする(本来はそこまで必要のない場所へも大量に脂溶性ビタミンが送られ、そこに蓄積してしまう)ため、過剰に摂取していないにも関わらず、様々な副作用・細胞の機能異常が起こるようになる可能性があります。

●コレステロールとは?

コレステロールも脂肪の一種で、中性脂肪と同じく細胞膜などの維持に必要です。一方、中性脂肪とは違ってこちらは様々なホルモンの材料としても使われています。コレステロールと聞くと悪いイメージしかありませんが、特に男性ホルモン、女性ホルモン、コルチゾールなどといった重要なホルモンの材料となるため、コレステロールが減り過ぎるとそれらの分泌バランスが崩れる事があります。またこれらのホルモンの必要量が増える事でコレステロールも増える事になる他、特にコルチゾールはストレスに関わるホルモン(ストレスに対する防御に必要だが、過度に分泌されると血圧や血糖値を上昇させる)なので、過度なストレスもコレステロール値に大きく関係します。

コレステロールには善玉コレステロール(HDLコレステロール)と悪玉コレステロール(LDLコレステロール)があると言われています。この内、善玉コレステロールは血液中にある余分なコレステロールを肝臓へ運搬する役割があります。これにより血液中にコレステロールが増え過ぎないようにコントロールしています。一方、悪玉コレステロールはその逆で体の隅々までコレステロールを運搬し、必要な場所へ届ける役割があります。つまり善玉も悪玉も生きる上では必要不可欠なものであるため、「悪玉」だからと言って減らし過ぎても良くありませんし、「善玉」だからと言って増やし過ぎても良くないという事です。

ちなみにコレステロールは脂肪から作られるため、脂肪の多い食品をたくさん食べて体内の中性脂肪が増えれば、当然コレステロールの材料も増える事になり、それが増えやすくなります。しかしコレステロールが含まれる食品を直接食べても、それがコレステロールが増える原因になるとは限りません。これは最近の研究で分かってきた事なのですが、食品中に含まれるコレステロールは血中のコレステロール値に殆ど影響を与えないという説があるそうです。つまり血中のコレステロール値は食事以外の影響も受けており、食事を多少変えるだけではコレステロールを減らす事はできないという事です。コレステロール値が気になるのであればやはり運動や睡眠の改善、生活習慣全体の改善が必要です。

●過酸化脂質とは?

中性脂肪やコレステロールが活性酸素によって酸化させられたものを「過酸化脂質」と言い、これによって脂肪が変性する事で動脈硬化の原因になります。尚、脂肪酸の中でも「ω-3脂肪酸」と「ω-6脂肪酸」は必須脂肪酸とされ、最も必要不可欠な脂肪です。しかしそれら必須脂肪酸は「多価不飽和脂肪酸」に分類され、この多価不飽和脂肪酸が実は過酸化脂質になりやすいと言われています。

特にその内のω-6脂肪酸の方は多くの食品に含まれていて過剰摂取しやすく、逆にω-3脂肪酸は含まれる食品が少ないため不足傾向にある事が多いです。つまりそのバランスが崩れる事で脂肪が正常に形成されず、過酸化脂質になってしまうのです。ω-6脂肪酸は動物性の食品全般と動物性・植物性関係なく調味油全般、ω-3脂肪酸は青魚と一部の植物性油にしか含まれていないので、食事の際にはω-6の一部をω-3に置き換えると良いでしょう。もちろん脂肪を酸化させないための抗酸化・ストレス管理・睡眠改善なども必要です。

●脂質異常症とは?

血液中にコレステロールが異常に増えてしまう事を「高コレステロール血症」と言います。特にその内、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが増える事を「高LDLコレステロール血症」、善玉コレステロールであるHDLコレステロールが逆に減ってしまう事を「低HDLコレステロール血症」と言います。また中性脂肪が異常に増える事は「高トリグリセリド血症(高TG血症)」と言い、これら全てが脂質異常症です。

どちらも原因は様々ですが、やはり体内に蓄積した脂肪が多い事で起こるので、内臓脂肪・皮下脂肪問わず脂肪を減らす必要があります。具体的には「糖や蛋白質が脂肪として蓄積する前に消費する事(筋トレをして筋肉を鍛える)」「脂肪の摂取量を管理する事(カロリーを制限し過ぎると筋肉が萎んで基礎代謝が下がる。飽和脂肪酸の代わりに一価不飽和脂肪酸のオレイン酸の摂取をオススメ)」「脂肪の形成を正常な状態に保つ事(特にω-3脂肪酸とω-6脂肪酸のバランス)」「糖・蛋白質・脂肪の代謝を上げる事(ビタミン・ミネラル・睡眠・運動)」「ホルモンバランスを整える(食事・睡眠・運動全てが揃う事)」などが挙げられます。




Q.メタボリックシンドロームってそもそも何なの?

A.メタボリックシンドローム(メタボ)は、内臓に大量の脂肪がつく事で皮下脂肪のように腹部が肥大化し、それに加えて「高血糖」「高血圧」「脂質異常症」の内2つ以上の症状が一度に出ている状態を言います。つまり「メタボは単にウエストが太い」というように考えている人は多いのですが、このようにメタボの診断が出る時点で、実は既に単なる肥満ではないという事がよく分かると思います。

内臓脂肪と脂質異常症については前述の通りですのでそちらをご覧下さい。続いて高血糖についてですが、これを予防及び改善するためには「糖の摂取量を制限する」「ただし極端に制限すると逆効果(糖質制限では糖新生が起こり、血糖値が上がりやすくなる)」「糖の代謝に関係するビタミンやミネラルを摂取する」「糖の吸収を緩やかにする食物繊維を適度に摂取する(過剰摂取でミネラルの吸収を阻害する)」「筋肉を糖の逃げ道にする(筋トレを行う。ただしカロリーが確保できない場合が多いので、やはりオレイン酸の摂取をオススメ)」「ストレスコントロールをする事(ストレスは血糖値を上がりやすくする)」「ホルモンバランスを整える(食事・睡眠・運動全てが揃う事)」などが重要になります。

続いて高血圧についてですが、これを予防及び改善するには「水分の摂取量を管理する(過度に制限すると脱水症状や熱中症になるので注意。また飲み物だけに限らないのでそれも注意)」「塩分(ナトリウム)の摂取量を管理する(ただし制限し過ぎるとやはり脱水症状や熱中症になる)」「カリウムを摂取する(体内のナトリウムを排出し、それと共に余分な水分も排出する)」「アルギニン・シトルリンを摂取する(血管を柔らかくする)」「必須アミノ酸とビタミンCを摂取する(血管はコラーゲン)」「ビタミンEを摂取する(末梢血管を拡張する)」「汗をかく(方法には限らないが前中後のミネラル・水分不足に注意)」「浮腫のある部位の筋肉を動かす(血流改善)」「ホルモンバランスを整える(食事・睡眠・運動全てが揃う事)」などが重要になります。




Q.○○を食べると体が冷えるのは何故?

A.ミネラルの一種であるカリウムは体内にあるナトリウムと一緒に、余分な水分を体の外へ排出する作用があります。体の中に存在する水分というのは体温を決定する要素の一つで、水分が多いほど保温する作用が高まります。これはコップ一杯の水とプールの水では、どちらの方が温度を容易に変える事ができるかという事と同じです。つまり体内の水分が排出されるほど体温は下がりやすくなるのです。

一般的に野菜類にはそのカリウムが豊富に含まれていますが、その中でも特に水野菜は水分を豊富に含んでいるため、強い利尿作用があります。よく知られている野菜では、例えばスイカ、ナス、トマト、キュウリなんかが挙げられますね。これらを食べると尿の量が増え、体温が下がります。これが○○を食べると体が冷える事の原理です。ちなみに水分は脂肪にも蓄える事ができるので、余分な水分が排出されれば脂肪を薄く見せる事ができます。また浮腫も改善する事ができ、体重も減少します。

逆にナトリウムを摂取すれば水分の排出を抑える事ができますが、カリウムよりもナトリウムの方が多くなると、今度は浮腫、高血圧、高体温などに繋がります。カリウムの過剰摂取やナトリウムの過度な制限は健康を害するだけであり、常にそのバランスを考えましょう。




Q.乳酸ってそもそも何?

A.「乳酸」は筋肉内に蓄えられた「グリコーゲン(糖の一種)」を消費した際に生まれる物質です。乳酸は「酸」とついている通り「酸性」であり、筋肉に蓄積すると周囲が酸性に偏ります。しかし人間の体には「どちらか一方に偏ったらそれを正常に戻そうとする」という機能が常に働いており、酸性になるとそれを薄めようとします。それにより筋肉の周囲に血液及び水分が集まり、これが筋肉の張り(いわゆるパンプアップ)に繋がります。その他、この乳酸は体内の糖が枯渇した状態になった際、糖の代わりにエネルギーとして利用(糖新生)する事ができます。また乳酸は炭水化物をエネルギーとして利用する乳酸菌が作り出す事ができ、腸内で常に作られている物質です。

一方、筋トレよりも更に短時間の無酸素運動(100m走等)では、筋肉内に蓄えておいた「グリコーゲン(糖の一種)」よりも先に、まず「クレアチンリン酸」がエネルギーとして消費されます。このクレアチンリン酸は分解される過程で「リン酸」となり、このリン酸はカルシウムと結合しやすいという特徴があります。カルシウムは筋肉を収縮するために必要なので、それがリン酸と結合する事で機能を失い、筋肉の収縮がスムーズにできなくなります。疲労感はこれによって生まれると言われています。また単純に筋肉内のクレアチンリン酸やグリコーゲンが消費される事で、筋肉を動かすためのエネルギーが不足し、筋肉が動かしづらくなるのでそれによっても疲労感は生まれます。

激しい運動後、乳酸は数時間経てば薄まったり分解が促進されたりします。しかし例え乳酸が薄まったりなくなったりしても、筋肉には疲労が残り続ける事があります。すなわち乳酸がもたらすのは直接的な疲労感ではないという事です。ちなみにクエン酸は糖と一緒に摂取する事で、筋肉へのエネルギー補給(グリコーゲン)をスムーズにする働きがあるとされていますが、よく言われる「乳酸を分解する作用」は実はありません。またそれによって疲労を回復する効果はありますが、運動能力を向上させるような作用はありません。




Q.良い食べ合わせと悪い食べ合わせ

●「水っぽい食べ物+油っぽい食べ物」+「温かい食べ物+冷たい食べ物」

油と水がお互いに溶け合わない=相性が悪いという事は古くから知られており、それを同時に大量に食べた場合、大量胃腸の弱っている人では消化不良の原因になる事があります。例えば「天ぷら+スイカ」というような感じです。また温度の高い食べ物と低い食べ物を一緒に食べた場合も、消化器に不要な負担をかけるという事はよく知られています。それに水と油が組み合わさると更によろしくありません。例えば「油を大量に使った高温の料理」を食べながら「キンキンに冷やしたジュース」を大量に飲むというのは最悪です。既に睡眠習慣が疎かになっていたり、そこにタバコやお酒などが絡めば、もう寿命を縮めているようなものでしょう。

●「食物繊維を含む植物性の食品」+「糖を含む食品」

食物繊維には糖の吸収を緩やかにする働きがあるため、芋、米、パン、麺、お菓子などの糖を含む食品を食べる時は、野菜・海藻・キノコなどの植物性の食品と一緒に食べると良いでしょう。消費し切れず余った糖はいずれ脂肪として蓄積してしまうため、糖の吸収を抑える事ができれば結果として脂肪の蓄積を抑える事にも繋がります。ただし逆に食物繊維だけを大量に摂取してしまうと、今度は消化不良による下痢や便秘が起きたり、腸内にガスを発生(食物繊維は消化酵素で分解できず、腸内細菌で分解する際に発酵しガスが発生、腸内環境を悪化)させてお腹が張ったり、カルシウムなどのミネラルの吸収を阻害する事があります。また食物繊維は殆どエネルギーにならないので、野菜ばかり食べる事ではカロリー不足・エネルギー不足に繋がり、体が思うように動かなくなって疲れやすくなったり、筋肉が分解されやすくなるという事も起こります。重要なのは「糖を摂取してもそれが消費されるような状態である事」であり、それには筋肉をよく動かすような運動と、脳や内臓を休めるような睡眠の方が重要です。

●「肉類」+「タマネギ」

タマネギには蛋白質を分解する酵素が含まれており、肉などの蛋白質を消化・吸収しやすくするとよく言われます。しかし「酵素」は一般的に熱や酸に弱く、加熱または胃の中に入れる事でその多くが失われてしまいます。そもそもタマネギは生でそのまま食べられる事の方が珍しく、一緒に調理した食材の味を際立たせる目的で利用されますから、いかに健康に良いとされるタマネギであっても過度な期待は禁物でしょう。これは酵素が含まれている「大根おろし」なども同じ事です。ちなみに意外と知られていませんが、タマネギには糖質が豊富に含まれています。つまり糖質制限をする場合にはあまり適しません。

●「豚肉orウナギ」+「柑橘類」+「炭水化物(糖)」

豚肉やウナギにはビタミンB1が豊富に含まれており、糖の代謝を補助する働きがあります。また柑橘系の果物に含まれるクエン酸には筋肉内へのエネルギー補給を補助する働きがあります。つまりこれらと一緒に糖を摂取すれば、疲労回復効果をより高める事ができます。更に、炭水化物(糖)を摂取する事で分泌されるインスリンは、細胞へ糖を取り込む事で血糖値を下げていますが、その際にはアミノ酸も一緒に取り込みます。つまり糖とアミノ酸を一緒に摂ればアミノ酸の吸収を促進させ、筋肉の成長をサポートする事ができます。

●「魚」+「加工品の漬物」

魚を加熱すると焦げた部分にジメチルアミンという物質ができます。このジメチルアミンは放置すると繁殖した細菌によって分解され、トリメチルアミンという物質ができます。実はこれが「生臭さ(アンモニアのような臭いを発する)」の原因物質であり、これによって「魚が傷み始めている」事を知る事ができます。尚、ジメチルアミン自体は新鮮な生魚にも含まれており、人によってはこれが魚嫌いの原因になっています。

一方、加工食品には硝酸塩が使われています。この硝酸塩は細菌の繁殖を防ぐ目的で使われる食品添加物の一つで、加工された肉や魚(ソーセージやハムなど)、漬物などに使われていますが、体内に入ると代謝の過程で亜硝酸塩に変化すると言われています。硝酸塩自体には毒性はありませんが、この亜硝酸塩が肉や魚を加熱した際に発生するジメチルアミンなどのアミン類と一緒に存在すると、今度は「ニトロソアミン」という物質が発生すると言われています。このニトロソアミンには発癌性があるとされており、大量に摂取すると胃や腸などの細胞を癌化させるかも(現在ではまだネズミでの話)しれません。

ちなみに硝酸塩自体はその辺の野菜にも普通に含まれている物質であり、代謝の過程でその一部が亜硝酸塩に変化します。つまり食品添加物としての硝酸塩をいくら避けようとしても、野菜を食べていれば自然に摂取される物質なのです。しかも食品添加物として食品に含まれる硝酸塩の量は自然に含まれる量よりも少ないとされているため、硝酸塩単体では特に気にする必要はありません。要はそれと「焦げた焼き魚」や「傷んだ魚」が合わさると良くない「かもしれない」という事です。

●「ホウレンソウ」+「乳製品or小魚類」

ホウレンソウにはシュウ酸という物質が含まれていますが、このシュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質があるため、一緒に食べた乳製品や小魚類に含まれるカルシウムの吸収を阻害します。シュウ酸の摂取量を抑えるためにはいわゆる「アク抜き」が必要です。尚、前述のように食物繊維は過剰摂取するとカルシウムなどのミネラルを阻害する事があるため、その意味では相性が悪いと言えます。カルシウムを摂取・吸収したいのであればマグネシウム、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンKなどを一緒に摂取しましょう。

ちなみにその他の食品でシュウ酸が含まれるものとしては、例えば里芋、タケノコ、カカオ(ココアやチョコレートなど)等が挙げられます。これらも食べる際にはアク抜きをする必要があります。ただしアク抜きを行うとどうしても水溶性ビタミンやミネラルは失われてしまうので、もしシュウ酸が含まれる食品を食べる際には、水溶性ビタミン(ビタミンB群とビタミンC)とミネラル(カルシウム、マグネシウム、カリウム等)が豊富に含まれる食品を一緒に食べるようにしましょう。

●「食品添加物」+「乳製品or小魚類」

リンはカルシウムと共に骨に使われている必要量の多いミネラルの一つですが、カルシウムと結合しやすい性質があります。その性質によっては骨の強度を高める役割も果たしているのですが、過剰に摂取すると逆に骨からカルシウムを排出させてしまいます。特にリンは加工食品に多く含まれる「食品添加物」に含まれており、自然由来の食品にも普通に含まれているミネラルなので、現代人は意図せず摂り過ぎてしまう事が多いのです。これを防ぐには冷凍食品やインスタント食品などの加工食品をできるだけ使わない「手料理」が必要になります。ただしリンは人間にとって必要不可欠なミネラルなので、無理をして完全に制限しようとする必要は全くありません。

●「ウナギ」+「梅干し」

これは完全な迷信で、食べ過ぎや贅沢を戒めるために伝わったと言われています。

●「カニ」+「柿」

どちらも傷みやすい食べ物ですが、消化・吸収する上では何の問題もありません。

「トコロテン」+「生卵」

どちらも消化が遅い食べ物ですので、合わせてというよりもどちらか一方でも大量に食べればあまり消化には良くありません。ところてんは海藻類を材料に作られており、整腸作用があるとされていますが、大量に食べると逆に便通を悪化させます。また卵は生の状態よりも火を入れた方が消化しやすくなります。