2017年7月4日火曜日

「筋トレ法10」握力を鍛えるためのトレーニング法

この記事では『握力を鍛えるためのトレーニング法』について私なりにまとめています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/7/4)


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★筋トレを行う際の注意点などについて

●前腕にある筋肉について

前腕とは肘~手首までの間の部分の事です。前腕には2本の骨があり、親指側にある骨を「橈骨(とうこつ)」、小指側にある骨を「尺骨(しゃくこつ)」と言います。また肘・手首・指の屈曲(曲げる)動作に関わる筋肉を「屈筋」、伸展(伸ばす)動作に関わる筋肉を「伸筋」と言い、橈骨と尺骨に沿うようにしてそれぞれが存在しています。ただし尺骨の上を橈骨が移動する事では、前腕を捻る事ができ、橈骨と尺骨の位置およびそれに付随する筋肉は常に固定されている訳ではありません。

ここからは肘を90度に曲げて、手の平が上になるように自分の前腕を見ると分かりやすいと思います。前腕に存在する筋肉の名前を挙げると一番外側(肘の関節に近い膨らみ部分をイメージ)から、腕橈骨筋、橈側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋、尺側手根屈筋。ここで腕の内側まで行きます。そして尺側手根屈筋の裏側には尺骨全体を覆っている深指屈筋があり、肘筋、尺側手根伸筋、小指伸筋、総指伸筋、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋。そして長橈側手根伸筋の隣には腕撓骨筋があるので、これで前腕を一周します。

ただし腕橈骨筋や橈側手根屈筋の裏側には円回内筋、その裏側には橈骨、そしてその橈骨を覆っている回外筋があります。また総指伸筋と橈骨の間には長母指外転筋があり、その橈骨の裏側には長母指屈筋が、その裏には前述した浅指屈筋があります。更に小指伸筋の裏側に短母指伸筋があり、その隣には前述の長母指伸筋が、その隣には尺骨があります。

これら様々な筋肉が「手首を曲げ伸ばしする動作」「指を曲げ伸ばしする動作」「前腕を外側や内側へ捻る動作」などに使われています。しかしそれぞれの筋肉の持つ筋力は高くなく、基本的に「一つの筋肉が単独で働く」事はありません。例えば「何かを強く握る」という動作では一つ一つの筋肉の持つ筋力の合計が「握力」になります。よって単に握る動作を繰り返すだけではなく、手首の曲げ伸ばしなど様々な動作を行った方が、結果として様々な筋肉が鍛えられ、握力も強くなります。

●指にある筋肉について

指の第一関節を曲げる筋肉は前述した深指屈筋、第二関節を曲げる筋肉は浅指屈筋、そして親指を除く4本の指を伸ばす際に働く筋肉が総指伸筋で、その腱が指先まで続いています。ただし深指屈筋や浅指屈筋は手首を曲げる際に、総指伸筋は手首を伸ばす際にも働く筋肉であり、指の曲げ伸ばしだけ関わる訳ではありません。一方、指の付け根にある第三関節を曲げる際には、虫様筋という筋肉が働きます。この筋肉はそれぞれの指から手の平にまでしか続いておらず、深指屈筋・浅指屈筋・総指伸筋とは違って前腕までは続いていません。

そして親指に関しては4本の指とは別の筋肉が関係しており、第一関節を曲げるのが長母指屈筋、伸ばすのが長母指伸筋、第二関節を曲げるのが短母趾屈筋、伸ばすのが短母指伸筋です。そして親指を内側に握り込む(親指と人差指の付け根で挟む)のが母指内転筋、遠ざけるのが長・短母指外転筋、親指と小指を近づける時に働くのがそれぞれ母指対立筋と小指対立筋となっています。

その他では人差し指・薬指・小指を中指方向へ近づける掌側骨間筋、遠ざける背側骨間筋、小指を外側へ開く小指外転筋があり、これらは4本の指と指の間で何かを挟む際に働きます。また総指伸筋と共に働いて小指を伸ばす小指伸筋や人差し指を伸ばす示指伸筋などがあります。

●筋トレは必ず無酸素運動で行う事

特に握力を鍛える際には「何度もハンドグリップを握る」という事をしがちなのですが、それでは握力を鍛える目的ではあまり効率的とは言えません。握力を鍛える、すなわち筋肉の肥大を目指すようなトレーニングでは「短時間で済ます事」が基本です。具体的に言えば「ある程度大きな負荷を与え、反復回数を減らし、時間を短縮する」「フォームを正しく行い、できるだけ目的の筋肉だけを使うよう意識する」「曲げ伸ばしの過程で筋肉を緩めずに行う」などが重要になるでしょう。

ただし例え「無酸素運動」であっても呼吸を全く行わず、頭に血が上るほど力んでトレーニングを行うのは非常に危険です。力んで呼吸が止まると血流が滞るため、細胞への酸素や栄養が不足した状態になります。その習慣が続けば筋肉以外の細胞がどんどん死滅していき、知らず知らずの内に健康を害してしまいます。また呼吸を再開させた瞬間には止まっていた血流も急激に再開され、一度に大量の血液が流れる事になります。この時に弱い血管があれば簡単に破れてしまうでしょう。それが脳や心臓で起これば即命に関わりますし、重要な臓器で起これば健康を害するだけです。

トレーニングを行う際には日々の体調管理に注意し、また決して力まず無理をせずに行いましょう。無理をしたって筋肉は1日でつくものではありません。焦る必要はないのです。

●筋肉には血液を運ぶためのポンプ作用がある

血液は心臓のポンプ作用によって太い「動脈」を通って勢い良く全身へ運ばれ、指先や足先など心臓から遠い場所まで血液を送ります。そうして動脈を通って全身に送られた血液は、その後「静脈」を通って心臓まで戻ってきます。しかし静脈では心臓から遠いほど重力に逆らわなければならないので、心臓の力に頼らず血液を戻さなければなりません。そのためには「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要になり、そのポンプの役割を果たすのが実は「筋肉」なのです。筋肉を動かす事で血流が改善されるのはこれがあるからです。それにより浮腫なども改善する事ができるかもしれません。

また筋肉を鍛えていくと、その筋肉にある毛細血管が細かく枝分かれしていきます。これは鍛えている筋肉により多くの血液を送ろうとするからで、これによっても血流を改善する事ができます。何より筋肉には収縮させる事で熱を作り出す役割があるため、より多くの血液を温める事ができれば体温を保つのも容易になります。つまり指先の冷え性なども改善する事ができるという事です。

更に、筋肉はそれを動かすために糖などのエネルギーが必要であり、普段から糖を筋肉内に蓄えています。糖を消費する習慣がある場合、筋肉内に蓄えられた糖が消費された時に「次に訪れる糖を消費する場面に備え、糖を蓄えようとする」という事が行われます。つまり毛細血管が枝分かれして筋肉へスムーズに糖が送られるようになると、筋肉が「糖の逃げ道」になるという事です。消費しきれなかった糖は時間経過で脂肪として蓄えられてしまうので、そのような事が日常的に行われれば結果として糖の蓄積及び脂肪の蓄積を防ぐ事ができ、肥満の予防にもなります。

●握力は「使う機会」が重要

例えば柔道を行っている人の握力が何故強いのかと言えば、単純に握力を要するような動作を日常的に繰り返しているからです。それによっては指や前腕の筋肉が鍛えられると共に、「効率の良い握り方」「効率の良い力の入れ方」も身についていきます。一方、握力の弱い人はそういった人と比べると「握力を使う場面」が少ない事も、実は握力が弱い原因なのです。もし握力を鍛えたいという人は日常生活にも目を向け、「握力を要するような行動機会を作る(掃除、洗濯、皿洗い、庭仕事、日曜大工等)」という事も、握力を向上させる事に繋がるのではないでしょうか。



★握力を鍛えるためのトレーニング法

●リストカール

まずは両手または左右どちらかの手に重り(ダンベル、バーベル、ペットボトルなど)を持ちます。そして手の平が上になるよう、前腕を机などの平らな面に置いて固定し、手首から先をはみ出させて宙に浮かせます。肘は曲げても伸ばしてもどちらでも良いですが、動作過程で前腕が浮いてしまわないように注意しましょう。

その状態になったら、ゆっくり手首を曲げていきます。この際に勢いをつけて曲げてしまうと手首の関節に余計なストレスがかかるので、必ず反動をつけずに持ち上げましょう。そして限界まで手首を曲げたら、今度は手首を伸ばし、手の甲を下へ落としていきます。この際も勢いに任せて手首を伸ばすのではなく、できるだけ負荷に耐えるようにしてゆっくり伸ばしましょう。限界まで下へ落としたら、再び手首を曲げる動作へ移行します。もちろんこの際もできるだけ脱力せずに切り返すようにしましょう。

この「手首を曲げる→伸ばす」を1セットとして20回程度、それを休憩を挟んで2~3セット行いましょう。

●リバース・リストカール

基本的にはリストカールと同じですが、リバースリストカールでは「手の甲が上」になるよう、前腕を机などの平らな面に置いて固定し、手首から先をはみ出させて宙に浮かせます。肘は曲げても伸ばしてもどちらでも良いですが、動作過程で前腕が浮いてしまわないように注意しましょう。

その状態になったら、ゆっくり手首を反らせていきます。つまり手の甲をこちら側へ持ち上げるという事です。この際、やはり勢いをつけてしまうと手首の関節に余計なストレスがかかるので、必ず反動をつけずに持ち上げましょう。そして限界まで手首を反らせたら、今度は手首を曲げるようにして、手の平を下げていきます。この際も勢いに任せて手首を曲げるのではなく、できるだけ負荷に耐えるようにしてゆっくり曲げましょう。限界まで下げたら、再び手首を伸ばし、手の甲を持ち上げる動作へ移行します。もちろんこの際もできるだけ脱力せずに切り返すようにしましょう。

この「手首を反らせる→曲げる」を1セットとして20回程度、それを休憩を挟んで2~3セット行いましょう。


●リストハンマー

リストハンマー(私が勝手にそう呼んでいるだけですw)はリストカールを縦にして行います。同じように前腕を平らな面に固定し、親指側が端になるようにチューブ(ダンベルの場合は小指側が端になる)を持ちます。その状態から「親指側をこちらへ持ち上げる→下げる」をゆっくり行いましょう。それを1セットとして20~30回、それを休憩を挟んで2セット行いましょう。尚、関節的に無理な動作になるので大きな負荷は扱えません。

●リバース・リストハンマー

リバースリストハンマーは簡単に言えばリストハンマーの逆で、リバースリストカールを縦に行います。ただし体の前で行うのは不可能なので、体側もしくは体側よりも後方で行います。まず姿勢を正して肘を伸ばし、腕を体側にピッタリとつけます。そして小指側が端になるようにチューブ(ダンベルの場合は親指側が端になる)を持ち、その状態で腕が動かないように維持しながら、「小指側を持ち上げる→親指側を下げる(手の爪を太ももに擦りつけるイメージ)」を行います。それを1セットとして20~30回、休憩を挟んで2セット行いましょう。尚、関節的に無理な動作になるので大きな負荷は扱えません。


●プロネーション

スタートの状態はリストカールと同じですが、ダンベルの端が小指側に来るようにダンベルもしくはチューブを持つ必要があります。また肘は90度に曲げ、前腕をピッタリと平らな面に固定しましょう。その状態になったら手の平が下になるよう、ゆっくり前腕を内側へ捻っていきます。つまりスタート時は上を向いていた手の平が、最終的には下を向き、手の甲が上になります。

手の甲が上になるまで前腕を捻ったら、今度は手の平を上へ向けるようにして前腕を外側へ捻っていきます。つまり上を向いていた手の甲が下を向き、手の平が上になってスタートの状態に戻ります。この動作の際には「小指が軸になる(小指側は固定され、親指側だけが動くようなイメージ)」ようにして行うとより効果的です。この前腕を「内側へ捻る→外側へ捻る」を1セットとして20~30回、休憩を挟んで2セット行いましょう。

尚、プロネーションとは「回内(前腕を内側へ捻る事)」の事で、このトレーニング法ではそれを勝手にトレーニング名に当てているだけです。またこのトレーニングも行う際には大きな負荷は扱えません。

●スピネーション

スタートの状態はリバースリストカールと同じですが、ダンベルの端が親指側に来るようにダンベルもしくはチューブを持つ必要があります。また肘は90度に曲げ、前腕をピッタリと平らな面に固定しましょう。その状態になったら手の甲が下になるよう、ゆっくり前腕を外側へ捻っていきます。つまりスタート時は上を向いていた手の甲が、最終的には下を向き、手の平が上になります。

手の平が上になるまで前腕を捻ったら、今度は手の甲を上へ向けるようにして前腕を内側へ捻っていきます。つまり上を向いていた手の平が下を向き、手の甲が上になってスタートの状態に戻ります。この動作の際にはやはり「小指が軸になる(小指側は固定され、親指側だけが動くようなイメージ)」ようにして行うとより効果的です。この「前腕を外側へ捻る→内側へ捻る」を1セットとして20~30回、休憩を挟んで2セット行いましょう。

尚、スピネーションとは「回外(前腕を外側へ捻る事)」の事で、このトレーニング法ではそれを勝手にトレーニング名に当てているだけです。またこのトレーニングも行う際には大きな負荷は扱えません。


●指先で摘むトレーニング

このトレーニングは単に筋肉に刺激を与える事のではなく、指先までの神経伝達をスムーズにするという目的もあります。よって指の付け根で握り込むのではなく、「指先を使って摘む」という事が重要です。方法としては簡単で、親指と人差し指、親指と中指、親指と薬指、親指と小指の組み合わせで、「指先のものを力強く摘む→ゆっくり力を抜く」という事を繰り返すだけです。できれば弾力性の強いものが良いでしょう。

●指の間で挟むトレーニング

このトレーニングでは指と指の間にある筋肉を鍛える事が目的になります。方法としては親指と人差し指、人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指の組み合わせで、「指と指の間に挟んだものを力強く挟む→ゆっくり力を抜く」という事を繰り返すだけです。これもできれば弾力性が強いものが良いでしょう。

●指を伸ばす・指を開くトレーニング

・指を伸ばすトレーニング
このトレーニングでは指を伸ばすための筋肉を鍛える事が目的になります。ジャンケンで「グー」と「パー」の手の形がありますが、あのグーの状態から手を開いてパーにする際に「力強く」「素早く」「指と指の間を開かず後ろへ反らせるイメージ」で「グー→パー」を繰り返す事で鍛える事ができます。

それ以外では、例えば平らな面に弾力性のあるものを置き、手の甲を下に固定して「指の裏側(指の付け根にある関節を軸に)で下へ押す→緩める」方法や、手の平を平らな面に置いて固定し、指の付け根にある関節を軸に指を浮かせて反る(平らな面にゴムを接着もしくはもう片方の指で固定し、そのゴムを指を反らせるように引っ張る事で負荷を与える事が可能)などでも鍛える事が可能です。その他、特殊なグリッパー(→Amazonリンク)を利用する方法もあります。

・指を開くトレーニング
このトレーニングでは指を開くための筋肉を鍛える事が目的になりますが、同じように「グー→パー(今度は指を反らせるのではなく指同士を離すように開く。手の平を平らな面に固定して行うと良い)」を行う事で鍛える事ができます。負荷を大きくするには親指と人差し指、人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指をそれぞれ短めの輪ゴムで止め、同じように指を開くと良い(締め過ぎには十分に注意)でしょう。それかやはり特殊なグリッパー(→Amazonリンク)を利用しましょう。


●ハンドグリップ

握力を鍛える最も基本的な方法としてハンドグリップを利用したトレーニングがあります。ただしハンドグリップには「閉じるために必要な必要な握力」がそれぞれ設定されており、商品によって大きく異なります。つまり自分の握力よりも低いような柔らかいハンドグリップを使って、単に何度も握る事を繰り返すだけでは効率的とは言えません。重要なのは「自分が数十回連続で完全に閉じる事ができる硬さのハンドグリップ」を選ぶ事です。これは実際にその商品に触れてみないと分からない(60kgと書かれていても実際握ってみると違う事があるため)ので注意が必要です。

●ネガティブ・トレーニング

ハンドグリップを利用したトレーニングでは「筋肉が伸ばされながら力を発揮する」という状況を作る事で、より筋肉にダメージを与える事ができ、効率的に握力を鍛える事ができます。

方法としては自分の握力よりも硬いハンドグリップを使い、それを完全に閉じきった状態(両手で握ってから片手に持ち変える)から握ってスタートさせます。そしてハンドグリップの開く強い力に耐えますが、結果としてはそのハンドグリップの力に負けて、親指とそれ以外の4本の指を遠ざけるように開いていきます。つまり敢えてハンドグリップの力に負けるという事です。地味ですが非常に効果的なので、普段とは別にそういったトレーニングを行うと良いでしょう。

●スピード・トレーニング

またハンドグリップを利用したトレーニングでは「素早く力を入れる」という方法で行う事も重要です。「握力を鍛える」という目的においては、他の筋肉を鍛えるための筋トレのように「力を入れ続ける=筋肉に負荷を与え続ける=効かせる」事が重要です。しかし実際に握力を発揮する際には「素早く握る」必要があり、そのための「筋肉の使い方」が必要なのです。よって普段とは別にそういった「素早く握る」という事を強く意識したトレーニングも行うと良いでしょう。