2017年4月29日土曜日

「豆知識集9」ホルモンバランスコントロールその1

この記事では『ホルモンバランスのコントロール』について私なりにまとめています。特にセロトニン、メラトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの4つのホルモンについて扱っています。
相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/4/29)


当記事メニュー一覧

項目が多いためリスト化しています。クリックする事で直接その場所へ飛ぶ事ができます。また戻りたい場合には各項目の一番下にある「戻る」をクリックすればこの場所に戻ってくる事ができます。



★セロトニンについて

セロトニンは「心身を覚醒させる(目を覚まさせる)」「精神状態を安定化させる」という役割があり、昼間における活動力の源になります。またこれが分泌されると脳が眠りから覚め、それによって朝もスッキリと起きる事ができます。

●セロトニンを増やすには太陽光を浴びる事が一番

特にセロトニンは太陽の光による影響を受けており、朝になって太陽が登り、辺りが明るくなると分泌量が増えるという特徴があります。よってセロトニンを増やす最も簡単な方法は、昼間の内に太陽の光を浴びておく事です。しかし一方で太陽が沈んで辺りが暗くなると、逆に分泌量が減っていくという特徴もあります。最終的に夜には「睡眠に適した状態」すなわち心身の活動量が落ちた状態でなければなりません。よって夕方から夜にかけては逆にセロトニンの分泌量を減らしていく必要があり、そのために「少しずつ光量を落としていく」という事も重要になります。その意味では夜中まで明るい室内にいたり、夜更かしをして明るい画面を見続けたりすればセロトニンの分泌量が増え、逆に睡眠は浅くなってしまうでしょう。

またそのようにセロトニンは太陽のリズムに従って自動的に分泌されるものであり、起きる時間になると起きるサインを、寝る時間になると寝るサインを知らせてくれます。朝になると自然に目が覚め、夜になると自然と眠くなるのは、セロトニンが正常に分泌されているからです。つまりセロトニンの分泌量を増やすためには単純にその分泌リズムに従った生活が必要となり、そのために最も重要になるのが「規則的な睡眠習慣」、簡単に言えば「毎日同じ時間に寝て、毎日同じ時間に起きる」事です。

●セロトニンは精神安定剤になる

セロトニンはストレス反応に関係する「ノルアドレナリン」や、達成感や幸福感を司る「ドーパミン」の分泌をコントロールする役割があると言われています。それによって心の状態を安定化させる事から、セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれています。

同じく幸福感を司るドーパミンと違うのは、ドーパミンが何か大きな目標を達成した時に一時的に大きな達成感・幸福感等をもたらすのに対し、セロトニンはそういった大きな幸福感でさえも安定化させ、「結果として幸せをもたらす」という事です。落ち込んだ状態が長く続くのはもちろん良くありませんが、そういった心の高ぶりが長く続いたり頻繁に続くというのも心にとっては良くありません。セロトニンはその心の上下動を安定化させ、できるだけ平常心を保つために必要なのです。

●セロトニンと腸内環境

前述のようにセロトニンは太陽の光によって分泌を促されます。そのため一般的にセロトニンは「脳にだけ存在する」と思われていますが、実は腸内にもその多くが存在しており、その量は腸内環境に大きな影響を与えると言われています。具体的に言えば、セロトニンの量が増えると水分量が増えて便が柔らかくなります。逆にセロトニンの量が減ると水分量が減って便が固くなります。つまりセロトニンを増やす事ができれば、結果として便通も改善する事ができるのです。便秘だからと言って発酵食品や食物繊維をたくさん食べる人は多いですが、それではセロトニンは増えません。前述のように昼間の内に太陽光を浴び、規則的な睡眠習慣を続ける事が重要です。尚、セロトニンに限っては「昼間の時間帯にどれだけ活動的になれるか」という事も重要であり、全身を動かすような運動をする事でもセロトニンの分泌は促されます。

ただし脳内で分泌されたセロトニンが腸へ行く事はなく、また逆に腸内のセロトニンが脳へ行く事はありません。基本的には別物と考えた方が良いと思います。重要なのは「どちらも睡眠習慣(太陽光)による影響を受ける」「必須アミノ酸のトリプトファンから作られる(下記)」という事です。

●セロトニンの材料となるトリプトファン

セロトニンは「トリプトファン」という必須アミノ酸を材料に作られています。トリプトファンは肉、魚、卵、乳製品、大豆製品等に多く含まれており、例えば食事制限メインのダイエット、アレルギー、好き嫌いなどによって栄養不足が起こると、セロトニンの材料及びその分泌量も不足する事があります。前述のようにセロトニンは腸内環境やストレス耐性にも影響を与えているので、睡眠習慣の乱れだけでなく食習慣の乱れも便通の悪化や情緒不安定に繋がります。

ちなみにトリプトファンが吸収される経路においては「他のアミノ酸がトリプトファンの吸収を阻害する事がある」という事が知られています。つまり様々なアミノ酸が豊富に含まれている「動物性蛋白質」や、いわゆる「プロテイン」をいくらたくさん摂ってもセロトニンは増えないという事です。トリプトファンを効率良く吸収するには植物性蛋白質(穀類、ナッツ類、大豆製品等)を摂る、もしくは別でトリプトファンのサプリメントを利用するなどした方が良いでしょう。もちろんこれは決して「動物性蛋白質を制限する」という意味ではありません。動物性の食品(肉、魚、卵、乳製品等)を食べる以上に植物性の食品を食べる量を増やせば良いという事です。




★メラトニンについて

メラトニンは「睡眠導入ホルモン」とも呼ばれている睡眠に深く関わるホルモンの一つです。前述のようにセロトニンは心身に活動力を与えるホルモンですが、逆にメラトニンが分泌されると「眠気」を感じるようになり、脳や体が睡眠へ入るための準備を行います。それによって深い睡眠(途中で目が覚めない、疲れが取れる、目覚めが良いなど)を摂る事ができ、睡眠による疲労回復効果等を高める事ができるのです。

●メラトニンは性ホルモンの分泌を安定化させる

メラトニンには「性ホルモンをコントロールする」という重要な役割があり、それによって大人では男性ホルモンや女性ホルモンが過剰に分泌されるのを抑える事ができます。一方、子どもは思春期を遅らせる事ができ、緩やかに思春期を迎え、緩やかに終える事ができます。つまり「早熟」を防ぐ事で「身長を伸ばす事のできる期間」を延長する事ができ、最終的な身長の結果も改善する事ができるのです。これが「不規則な生活習慣=睡眠習慣が崩れる=メラトニンの分泌が崩れ、思春期が早まる=身長が伸びなくなる」事の原因です。

特に女性ホルモンには骨にある骨端線(骨を作る細胞がたくさん存在する軟骨組織で、子どもの骨にしか見られない)を閉鎖させる作用があります。つまりメラトニンの分泌量が減る=女性ホルモンが早期に不安定に分泌される=身長の伸びが悪くなるという事であり、女性ではその影響が顕著に現れます。女性が身長を伸ばしたい、足を伸ばしたいと思ったら、小さい頃からメラトニンを分泌させるような生活習慣の積み重ねが非常に重要と言えるでしょう。

●メラトニンはセロトニンから作られる

メラトニンもセロトニンと同じく太陽の光による影響を受けており、やはり太陽のリズムに従って自動的に分泌されています。具体的に言えば、朝に太陽が登って明るくなると分泌量が抑えられ、夜に太陽が沈んで暗くなると分泌量が増えるのが大きな特徴です。よってメラトニンの分泌量を増やして深い睡眠を摂るためには、単純に「暗くなったら寝る(寝るのが遅くならない)」という事を意識した睡眠が必要になる訳です。

一方で、「昼間」の時間帯では前述のように「セロトニン」がメラトニンと入れ替わるようにして分泌されています。実はメラトニンはセロトニンから作られているため、そもそもセロトニン自体が分泌されていなければ、メラトニンも正常には分泌されないのです。つまりセロトニンとメラトニンは常に表裏一体であり、一方を分泌させるにはもう一方も必要なのです。その意味でも「夜暗くなったら寝る」「朝明るくなったら起きる」「昼間は活動的に」「夜は控え目に」「それを平日も休日も関係なく毎日継続する」「トリプトファンを摂る」事が重要になります。




★ドーパミンについて

「ドーパミン」はいわゆる「幸福感」を司るホルモンと言われています。例えばオリンピックで金メダルを取る事が決まった瞬間を考えてみます。そのように何か大きな目標に向かって長期間に渡って努力を積み重ね、その成果を見せるような特定の場面で一定時間集中し、自分が目標としていた事を成し遂げたとします。その成し遂げた瞬間にはドーパミンが大量に分泌され、それによって一時的にではありますが、非常に大きな幸福感・達成感を得る事ができます。

●ドーパミンを分泌させる行動への依存

ドーパミンは普段はセロトニンとメラトニンによってその分泌をコントロールしています。しかしそのようにあまりの大きな喜びでドーパミンが過剰に要求されると、セロトニンやメラトニンではコントロールする事ができないほど振りきれてしまう事があります。これはドーパミンの分泌が普段から正常な人であっても起こる事であり、自分の中で「これを達成するために努力してきた」というような大きな目標を達成すれば、自分ではコントロールする事ができないほど大量のドーパミンが一時的に分泌される事は十分にあり得ます。

しかし「ドーパミンが大量に分泌された時の幸福感」は大きければ大きいほどその後の落差も大きくなるため、「日常的なドーパミンの分泌量」に物足りなさを感じるようになります。何故なら幸福感を得られたその時の場面が強く記憶に残っており、「再びその場面に遭遇する事ができれば大きな幸福感を得られる」という事を知っているからです。そのため、何らかの理由でその大きな幸福感が得られなくなると、人によっては「その他のドーパミンが分泌される行動」に対して強く依存してしまう事があります。

例えば今までスポーツをバリバリ行っていた人が、怪我など様々な理由でそのスポーツを続ける事ができなくなったとします。すると今までスポーツをする事によって分泌されていたドーパミンが分泌されなくなり、今まで得られていた幸福感や達成感が得られなくなるため、普段のドーパミンの分泌量に物足りなさを感じるようになります。その落差が大きければ大きいほど「ドーパミンが一度に大量分泌される別の行動」を強く求め、その行動に対して強く依存するようになります。その依存となる代表的な例が「ギャンブル」や「食事」ですね。ギャンブルの例では「負け」というリスクから開放された時にドーパミンが大量に分泌され、それによって一時的に大きな幸福感を得る事ができますから、その「短くて大きい幸福感」に対して強く依存してしまう訳です。特にギャンブルはスポーツとは違って「努力で実力を積み重ね、自分の力で勝利の可能性を高める」事はできません。スポーツなら実力があれば100%勝てる試合もありますが、ギャンブルではそうはいかないのです。ですので短時間の内に何度も勝ったり負けたりする事になり、それによってドーパミンの分泌頻度が異常に増え、ドーパミンはどんどん枯渇していくでしょう。

●大きな幸福よりも小さな幸福の積み重ね

少し前述しましたが、このドーパミンはメラトニンやセロトニンによる影響を受けています。そのためメラトニンやセロトニンの分泌リズムが崩れるような生活習慣を続けていると、その影響を受けてドーパミンの分泌も不安定になりやすくなります。そうして分泌が不安定になると、何かの目標を達成した時に得られる幸福感や達成感に対し「過剰な反応」をするようになっていきます。例えばスポーツやゲームなどで何かの目標を達成した際、毎回毎回尋常ではないほど高いテンションで喜ぶ人を見た事はありませんか?「元々メラトニンやセロトニンの分泌が狂っている」「元々ドーパミンの分泌が不安定」な人の場合、そのような大量分泌の頻度が高くなるのです。オリンピックのように4年に一度という頻度であれば全く問題ないのですが、毎週あるいは毎日あのような大きな大会に参加していたら体はもちろん脳が疲れてしまうでしょう。それが「他のドーパミンが大量分泌される行動への依存」に繋がるのです。大きな喜びを得られた結果として健康を害してしまっては何の意味もありません。

重要なのは「ドーパミンが分泌される機会を適度に得る事」です。ドーパミンは「大量分泌による大きな幸福感を与える」事だけが仕事ではありません。単純に「自分が好きな事をする」「好きな事を考える」という事でも分泌させる事ができるのです。それは「特別何か大きな事を成し遂げた時」に分泌されるドーパミンの量と比べれば劣りますが、例えば車弄りが好きな人では、車を実際に触っている時ももちろんですが、車を触っていなくても頭の中で考えているだけでもドーパミンは分泌されます。その「小さな幸福感の積み重ね」はその人のやる気や自信に繋がり、あらゆる事に対してポジティブに行動する事ができるようになります。また時間を忘れるほど何か楽しい事に熱中していれば、一時的にではありますが嫌な事などストレスとなる事を忘れる事もでき、人生を謳歌する事ができると思います。

「好きな事」だからといって一つの行動に拘ったり、例えばギャンブルなど一度の喜び・快感が強過ぎる行動はできるだけ避けるべきです。小さな喜びや快感を継続的に得る事ができるよう「好きな事を分散」させましょう。ちなみにドーパミンは主に「フェニルアラニン」という必須アミノ酸を材料に作られています。よってセロトニンと同じく、やはり栄養不足はドーパミンの分泌量を減らす事に繋がります。




★ノルアドレナリンについて

人間はストレスを感じるとそれに対する様々な防衛反応を起こします。その一つが「ノルアドレナリンを分泌させる事」です。ノルアドレナリンが分泌されると判断力、集中力、五感などを研ぎ澄ませる効果があると言われています。これは脳の神経伝達をスムーズにする事で生存本能を呼び覚まし、一時的にでも大きなストレスに対峙しようとしているからです。そのためノルアドレナリンが分泌されると、不安、恐怖、怒りなどの感情も強く現れるようになります。

●ノルアドレナリンとストレス耐性

ノルアドレナリンの分泌量が極端に不足したり、不安定になったりするとストレスに対して過剰に反応するようになります。つまり多くの人が平気だと感じる些細な事をストレスと感じたり、逆に多くの人がストレスと感じるような事が平気になったりするのです。いわゆる「神経質」という言葉がまさにそうですね。それによっては自分が平気な事に対しては極端に活動的になり、自分が嫌悪感や恐怖心を抱く事に対しては全力で避ける行動を取るようになっていきます。例えば「多くの視線を浴びながら何らかの恥をかく」という事は誰にとってもストレスとなる行動ですが、ノルアドレナリンが正常に分泌されていれば、そのストレスを受け止め、瞬時に対処する事ができるでしょう。しかしノルアドレナリンの分泌が不安定になると、そういった「過去に経験した恐怖やストレスなど」から逃げるようになり、常に何かに対して怯えながら行動するようになってしまいます。その恐怖は怒りへも繋がり、突然感情を爆発させて怒ったりする事も多くなります。

●ノルアドレナリンとドーパミン

そんなノルアドレナリンはドーパミンによってその分泌が促され、セロトニンによってはその分泌を抑制されています。何故ストレスに関係するノルアドレナリンの分泌に、幸福感をもたらすドーパミンが必要なのかというと、単純にストレスを処理する最も効果的な方法が「幸福感を得る」事だからです。自分にとって「都合の良い事」と「都合の悪い事」は常に表裏一体であり、自分にとって都合の良い事だけに偏っても良くありません。程良いストレスがあるからこその幸せであり、幸せがあるからこそ時にはストレスも必要なのです。

またそのように、ドーパミンが正常に分泌されるためにはセロトニンが必要であり、セロトニンが分泌されるためにはメラトニンも必要です。つまりノルアドレナリンを正常に分泌させるためには、規則的な睡眠習慣が大前提となります。ストレスに睡眠習慣の乱れが関係するのはこれがあるからです。更に、ノルアドレナリンは後述の「アドレナリン」というホルモンの分泌を促す働きもあります。全ては繋がっているという事です。ちなみにノルアドレナリンもドーパミンもアドレナリンも「フェニルアラニン」が必要です。

●ノルアドレナリンとアドレナリン

「アドレナリン」は副腎と呼ばれる腎臓の上にある小さな器官から分泌され、心身の興奮を司るホルモンとしてよく知られています。ノルアドレナリンと同じようにストレスを受ける事により分泌が促され、例えば血圧や心拍数、体温が上昇したり、呼吸が速くなったりするなどの反応が起こります。それによって心身を活性化させ、ストレスに対峙しようとしているのです。

例えばスポーツの試合中に足を骨折するほどの大怪我をしても、全く痛みを感じずそのままプレーを続行する事ができる場合があります。これはアドレナリンの影響によって痛覚が麻痺しているからです。そのようにアドレナリンは様々な場面において闘争本能の大きな源になります。尚、ノルアドレナリンとアドレナリンの違いは、ノルアドレナリンが脳(精神、心などに関するストレス)に対して強く作用するのに対し、アドレナリンは体(筋肉などに関するストレス)に対して強く作用するという事です。アドレナリンはノルアドレナリンによって分泌が促されますが、それぞれの役割自体にはそれほど違いはありません。

しかしそんなアドレナリンにはデメリットもあって、分泌量が多過ぎると自分でも抑える事ができないほど心身が興奮状態になる事です。興奮し過ぎると、例えば頭が真っ白になって何も考えられなくなったり、あまりの緊張で手の震えが止まらなくなったりする状態になります。それは普段から規則正しい生活をしていてホルモンバランスが整っている人でも起こり得る事であり、ストレスに対して正常に反応している証拠とも言えます。

そのような「アドレナリンが大量に分泌されるようなストレス」は何度も経験する事で、自然とコントロールする事ができるようになっていきます。ただしその「慣れ」には個人差が大きく、すぐに慣れてしまう人もいれば、慣れるのに時間がかかる人もおり、あるいは何度経験しても全く慣れないという人もいます。アドレナリンによる反応はあくまで「ストレスに対する防御」であって、「ストレスを受けた」という事実をなかった事にする事はできないのです。適度にストレスを発散させながら自分のペースで成長していく事が重要ですね。