2017年3月12日日曜日

「健康に良い」とされる栄養素の一覧(適当まとめ)

健康を維持するためには「五大栄養素」に数えられている「炭水化物(糖)」「タンパク質(必須アミノ酸)」「脂肪(必須脂肪酸)」「ビタミン」「ミネラル(無機質)」という5つの栄養素をバランス良く摂る事が大前提になります。しかしそのためには五大栄養素にはどのような種類があり、どのような効果があり、どのような食品に多く含まれているのか?について最低限知っておく必要がある訳です。この記事ではそれに関する情報を私なりにまとめています。かなりの長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。ただし決して情報を鵜呑みにせず、参考程度に留めておく事を強くオススメします。誠に勝手ながらご利用は自己責任とさせていただきます。
(記事作成日時:2014/04/24、更新日時:2016/10/26,2017/3/12)


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★炭水化物について

五大栄養素の一つである炭水化物は主に「糖」と「食物繊維」に分けられます。

●いわゆる「糖」について

「炭水化物」と言うと大抵の場合、エネルギーとしての「糖」を指す事になります。糖は細胞を動かす際のエネルギー源として主に使われているため、不足すると生命活動を維持するのに必要不可欠なあらゆる機能が低下してしまいます。だからこそ「五大栄養素」の一つに数えられているのです。よって普段は不足する事がないよう糖の一部は肝臓や筋肉内等に蓄えられており、エネルギーとして必要となった時に必要量に応じてそれを消費します。特に「無酸素運動(筋トレなどの瞬発的に大きな力を発揮する運動)」を行う際に爆発的に消費され、それによって素早く筋肉を動かす事ができます。しかし食事制限などで不足すれば筋肉の動きは著しく鈍くなり、全身に大きな疲労感(単純に体が重くなる)をもたらします。

糖は「多糖類」「少糖類」「単糖類」などという種類に分けられます。この内、多糖類は糖の分子がたくさん連なったもの、少糖類はそれが少ない状態で連なっているものです。またその少糖類は連なった糖の分子の数によって更に分けられ、それぞれ四糖類、三糖類、二糖類があります。そして最も単純な構造が単糖類です。よく聞く糖の名前を挙げると、例えば「デンプン」「グリコーゲン」「デキストリン」などは多糖類、少糖類の内「ショ糖・砂糖(スクロース)」「乳糖(ラクトース)」「麦芽糖(マルトース)」などが二糖類、「果糖(フルクトース)」「ブドウ糖(グルコース)」などが単糖類となります。例外として数個の単糖同士が結合している「オリゴ糖(少糖類)」もあります。まぁこの辺はスポーツ選手など糖の種類や摂取の方法が仕事に直結するような場合で限りはそこまで正確に覚える必要はありません。

この違いとしては、まず糖は分子の数が多いほど消化・吸収が緩やかに、かつ少しずつ行われる事になります。これは何故かというと、単糖類の状態でしか吸収する事ができないからです。そのため多糖類のように分子がたくさん連なった糖を吸収するためには単糖類になるまで分解してから吸収する事になり、逆に単糖類はそのままの状態で吸収しすぐにエネルギーとして利用する事ができます。よって糖の吸収のスピードは多糖類<少糖類<単糖類の順に速くなります。ただし吸収スピードが速いという事は同時に血糖値も上がりやすいという事なので、血糖値の上昇スピードも多糖類<少糖類<単糖類の順に速くなります。ただし分子の数が多いほど得られる単糖類の数は多くなるので、最終的に吸収される糖の量としては単糖類<少糖類<多糖類の順に多くなります。

これを踏まえて考えてみると、例えば休日に前日などの疲労をゆっくりと回復させたいような場合には、糖の吸収が緩やかな多糖類を補給すると良いでしょう。ただし緩やかと言っても結果として吸収される糖の量は多くなるため、大量に摂れば当然消費しきれなかった糖が行き場を失う事になります。その糖はどうなるのかというと、時間経過と共に少しずつ脂肪へと変換されて体に蓄積してしまいます。一方、激しい運動を行うなどして短時間の内に消費した糖を素早く回復させたい場合には、糖の吸収が速い単糖類の方が効果的です。しかしその吸収の速さから血糖値が急激に上がりやすいという特徴があり、一度に大量に摂ると体に大きな負担がかかる事になります。よってどちらの糖も体格や運動量に応じて量を調節する必要があります。

●食物繊維について

食物繊維は炭水化物の中でも特に消化する事が難しい植物性の繊維質の事を言います。意外に思うかもしれませんが、食物繊維も炭水化物の一種なのです。そのため五大栄養素の一部であり、体にとって必要不可欠な栄養素の一つとなっています。食物繊維の役割は腸内に長く留まる事で腸内細菌の餌となり、それによって腸内環境を整え、便通改善効果があると知られています。しかしビタミンやミネラルを摂るためにはどうしても食物繊維の多く含まれる植物性の食品を食べる必要があるため、普段から栄養バランスを考えていれば食物繊維が不足する事はめったにありません。よって意識的に摂ると意図せず過剰に摂っている事があるのです。

特に食物繊維にはカルシウムや亜鉛などの吸収を阻害する効果があると言われています。つまり意識的に摂る事ではその効果が強く現れる事があり、例えば筋肉の収縮がスムーズに行われなくなったり、些細な事でイライラしたり、怪我の治りが遅くなったりなどが起こります。そもそも便通は食習慣以外の様々な要素が関係しており、食事だけで改善する事ができるほど簡単なものではありません。食事以外の生活習慣についても合わせて改善する事が重要です。これについては他の記事でも説明しているのでそちらをご覧下さい。

尚、食物繊維は基本的に消化酵素では分解できませんが、食物繊維には水溶性と不溶性があり、水溶性食物繊維はその一部を腸内細菌によって分解する事ができ、一方分解する事ができなかった不溶性食物繊維が便の元になります。すなわち不溶性食物繊維を摂り過ぎると消化不良を起こしたり、余計に便秘が酷くなる事があります。ちなみに水溶性食物繊維にはペクチン(果物の皮等)、グルコマンナン(コンニャク)、イヌリン(ゴボウ)、アガロース(寒天)、アルギン酸ナトリウム(海藻類)などがあります。一方、不溶性食物繊維にはセルロース(植物の細胞壁)、キチン・キトサン(甲殻類・菌類)などがあります。

●炭水化物を多く含む食品と「GI値」について

糖を多く含む食品は米、パン類、麺類、芋類、トウモロコシ、お菓子類全般、果物全般、トマト、スイカ、バナナ、アボガド、ハチミツなど、食物繊維を多く含む食品は基本的に植物性の食品全般、特に緑黄色野菜・果物全般、その他では大豆製品、キノコ類、ナッツ類にも含まれています。しかし同じジャンルの食べ物であっても「血糖値の上がりやすさ」は大きく異なり、それを示す目安として「GI値(ブドウ糖の100が基準)」があります。簡単に言えば「消化・吸収されやすい状態の食品」すなわち「不純物を取り除いて精製されているもの(加工とは異なる)」ほどGI値は高くなります。

例えば加工されていない生の状態の果物ではGI値が30~50程度なのに対し、ミキサーにかけてジュース状にした果物(スムージー等)や加工されたもの(缶詰やジャム等)はGI値が70程度まで行きますし、お菓子類のように吸収の速い糖がたくさん含まれている食品も当然GI値は高くなり80~90前後あります。またジャガイモとサツマイモではどちらも吸収の遅い糖が含まれていますが、ジャガイモの方が糖の吸収を抑える食物繊維の量が少なく、血糖値の高い状態が続きやすいため、同じ芋類の中でもGI値が80超、一方サツマイモは60前後となります。その他ではパスタは50前後なのに対しウドンは80超、玄米は50前後なのに対し精白米は80超と、やはり同じジャンルでも食品によってGI値は大きく異なります。

尚、GI値は「食品に含まれる炭水化物50g当たりの糖における血糖値の上がりやすさ」を比較するものなので、GI値が同じぐらいの食品同士であっても「そのGI値の影響を受けるために食べなければならない重量」は大きく異なりますし、食品の加工方法、食べる組み合わせ、食べる順番等によっても血糖値の上がりやすさは変わります。また例えば果物のように血糖値が上がりにくくGI値が低くても糖として吸収される事に変わりはないので、GI値が低いからと言って「糖の蓄積=時間経過による脂肪への変換」が行われない訳ではありません。GI値の低い食品も大量に食べて運動をしなければ結局同じ事なのです。

●炭水化物の1日の必要量について

また1日に必要な炭水化物の量(食物繊維も含む)は1日に必要な総エネルギー量(基礎代謝量×身体活動レベル)の50~65%とされており、1gの炭水化物には4kcalのエネルギーがあります。私の例であれば、基礎代謝を1392kcal(基礎代謝量の計算は「BMI22となる体重×基礎代謝基準値」。基礎代謝基準値は「男性20代が24、30~40代は22.3、それ以上が21.5、女性20代が22.1、30~40代が21.7、それ以上が20.7」。またBMI22となる体重は「身長m×身長m×22」。)とし、身体活動レベルを低(低は1.5、普通は1.75、高は2。ここでは何もしない休日を想定)とすると、1392×1.5=2088kcalが1日に必要な総エネルギー量となります。よって私の場合の1日に必要な炭水化物の量は2088×0.5~0.65÷4=約261~339gとなります。つまり私の場合ではこの範囲内の炭水化物の量(その内、食物繊維の必要量は1日20g以上とされている)を摂れば最低限健康を維持する事ができるという事になります。例えば6枚切りの食パンでは1枚当たり炭水化物は45g前後、エネルギーは150kcal前後です。

尚、私の場合、体組成計での計測では基礎代謝量が1700kcal前後ありますので、実際この程度しか摂らないようではおそらく体はどんどん痩せ細ってしまうでしょう。あくまで上記の計算は「理論上(特にBMIは個人の筋肉量などを考慮できない)」での話です。目安にはなりますが運動量に多い人では当てはまらない事の方が多いので注意しましょう。ちなみにですが、いわゆる「糖質」とは炭水化物の内食物繊維を除いた全ての糖の事、そして「糖類」とは特にその内の単糖類や二糖類の事を指します。




★タンパク質とアミノ酸について

●タンパク質を構成するアミノ酸とは

タンパク質は様々な種類のアミノ酸から作られており、人間の体を形作るために必要不可欠な栄養素です。特に数あるアミノ酸の中でも「必須アミノ酸」は全てのタンパク質を作る上で基礎となるアミノ酸であり、体内だけでは一から作る事ができません。更に、必須アミノ酸は全部で9種類あり、その9種類全てをバランス良く摂らなければタンパク質の材料として効率良く使われません。よってタンパク質においては「9種類ある全ての必須アミノ酸をバランス良く摂らなければならない」という事になります。

尚、必須アミノ酸は植物性の食品よりも動物性の食品の方がバランス良く含まれています。ですので植物性の食品をたくさん食べるよりも動物性の食品をたくさん食べた方が、必須アミノ酸はバランス良く摂る事ができるのです。ただし動物性の食品はカロリーが高く、脂肪分や塩分が多く含まれているものが多いというデメリットがあります。つまり動物性の食品だけで必須アミノ酸を摂ろうとするのは健康にはあまり良くありません。よって必須アミノ酸を摂る際には動物性の食品を中心に摂り、その上で一部を植物性の食品に置き換えるようにしてメニューを組む必要があるでしょう。

実際に下記では、必須アミノ酸と必須アミノ酸以外の重要なアミノ酸についてそれぞれの役割を説明しています。しかしタンパク質自体は基本的には「肉類」「魚類」「乳製品」「卵」「甲殻類」「貝類」「大豆製品」「ナッツ類、穀類、キノコ類等(前述のように植物性の食品よりも動物性の食品の方がアミノ酸の量は豊富)」に多く含まれており、それらを食べていれば必須アミノ酸もアミノ酸も補給する事ができます。よって「タンパク質を摂る」という意味では特にどの食品を食べれば良いという事はありません。ただし例えば「肉類」という分類においては鶏肉、牛肉、豚肉などという種類がありますし、またその部位にも様々な種類があります。例え同じ肉類であっても「アミノ酸以外の含まれる栄養素」は大きく異なるため、「一つの食品に固執せず様々な肉類を食べる」方が結果としてバランス良く栄養を摂る事ができます。これはもちろん肉類以外についても同じです。

<9種類の必須アミノ酸について>

9種類ある必須アミノ酸はそれぞれ「トリプトファン」「リジン(リシン)」「メチオニン」「トレオニン(スレオニン)」「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「ヒスチジン」「フェニルアラニン」となっています。この内、必須アミノ酸の「メチオニン」と必須アミノ酸ではない「システイン」を合わせて「含硫アミノ酸(硫黄が含まれるアミノ酸の事)」と言い、必須アミノ酸の「フェニルアラニン」と必須アミノ酸ではない「チロシン」を合わせて「芳香族アミノ酸」と言います。必須アミノ酸のバランスを意味する「アミノ酸スコア(最高スコアは100で100が最もバランスが良い。動物性の食品は基本的に単体で100なため、単純に言えば肉、魚、乳、卵をたくさん食べるだけでスコアを高める事は一応可能。ただしそれだけでは脂肪や脂溶性ビタミン等動物性の食品に含まれる栄養素を偏って摂る事になるため、実際には植物性の食品と組み合わせた上で100にしなければならない。)」では、この含硫アミノ酸と芳香族アミノ酸を使用します。

●トリプトファン
トリプトファンはタンパク質を作るための材料として使われるのはもちろんの事、特に睡眠に関わる「セロトニン」や「メラトニン」などのホルモンの材料になると言われています。よって食事制限メインのダイエットによってトリプトファンが不足すれば、当然睡眠習慣も崩れやすくなります。またセロトニンやメラトニンはドーパミンやノルアドレナリンなどストレスに関係する様々なホルモンをコントロールする役割もあり、そのバランスが崩れる事では全体として情緒も不安定になっていきます。

このトリプトファンを多く含む食品としては魚類(カツオ、シラスなど)、肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、卵、大豆製品(豆腐、キナコなど)、乳製品(チーズなど)、ナッツ類(ひまわりの種、ゴマ、カシューナッツなど)などがあります。

●リジン(リシン)
リジンまたはリシンは糖・脂肪・タンパク質の代謝や免疫などに関わる必須アミノ酸です。特にコラーゲンの材料として使われており、皮膚や骨の芯のコラーゲンを作るために必要です。また脂肪をエネルギーにする際に使われる「カルニチン(アミノ酸から作られる)」の材料としても使われています。

このリジンを多く含む食品としては大豆製品(豆腐、キナコなど)、魚類(カツオ、シラスなど)、肉類(豚肉、鶏肉、牛肉など)、卵、乳製品(チーズなど)、ナッツ類などがあり、その他では穀類(白米など)にも含まれています。ただし穀類に関しては他の食品と比べると含まれる量が少ない傾向にあるため、必須アミノ酸をバランス良く摂るためには他の食品で補わなければなりません。

●メチオニン
前述したように人間の見た目はそのほとんどがタンパク質で形作られていますが、メチオニンはその材料として特に基礎になると言われています。そのため必要量が多く、不足する事で全体的なタンパク質の合成に悪影響を及ぼすと言われています。またメチオニンは肝臓の働きをサポートしたり、血中のコレステロール値をコントロールしたり、アレルギーの原因物質であるヒスタミンをコントロールしたり、活性酸素やアルコールなどの毒素を取り除く際などにも使われています。

食品では特にナッツ類(ゴマなど)に多く含まれ、肉類(豚肉、鶏肉、牛肉など)、魚類(マグロ、カツオ、シラスなど)、乳製品(チーズなど)、卵、穀類にも多く含まれています。その他大豆製品にも含まれていますが、他の食品と比べると含まれる量が少ない傾向にあるため、必須アミノ酸をバランス良く摂るためには他の食品で補わなければなりません。例えば上記のリジンが不足している「白米」はメチオニンは多く含まれており、逆に納豆はメチオニンが不足している代わりにリジンを多く含んでいます。よって納豆と白米を組み合わせて食べる事で、全体として必須アミノ酸のバランスを良くする事ができます。

●トレオニン(スレオニン)
トレオニンまたはスレオニンは主に脂肪の代謝に関わる必須アミノ酸の一つで、コラーゲンの材料としても使われています。食品では肉類(鶏肉、豚肉など)、魚類全般、乳製品(チーズなど)、大豆製品(豆腐、キナコなど)、卵などに多く含まれ、その他ではナッツ類、穀類にも含まれています。

●バリン
バリンは後述のロイシンやイソロイシンと同じく肝臓の働きをサポートし、主にタンパク質の代謝の際に使われています。特にタンパク質の中でも「筋肉を修復する際の材料」として必要不可欠なアミノ酸であり、激しい運動をする習慣のある人では不足する事があります。不足すると筋肉が分解されやすくなる他、食欲が減衰する事があります。食品では肉類(鶏肉、豚肉、牛肉など)、魚類(カツオなど)、乳製品(チーズなど)、大豆製品(豆腐、キナコなど)、ナッツ類(カシューナッツなど)、卵などに多く含まれ、その他では穀類にも含まれています。

●ロイシン
ロイシンはバリンやイソロイシンと同じく肝臓の働きをサポートしたり、タンパク質の材料としても使われています。特に「筋肉の合成を促す」役割があるとされる必須アミノ酸で、激しい運動をする習慣のある人では不足する事があります。不足すると激しい運動をする度に筋肉が分解される他、血糖値のコントロールが上手くできなくなる事があります。食品では肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、魚類(カツオ、シラスなど)、乳製品(チーズなど)、卵、ナッツ類(落花生、アーモンド、カシューナッツなど)、大豆製品(豆腐、キナコなど)などに多く含まれ、その他では穀類にも含まれています。

●イソロイシン
イソロイシンはバリンやロイシンと同じく肝臓の働きをサポートしたり、タンパク質の材料としても使われています。特に「筋肉を修復する際の材料」として必要不可欠であり、激しい運動をする習慣のある人では不足する事があります。食品では肉類(鶏肉、豚肉など)、魚類(カツオ、シラスなど)、乳製品(チーズなど)、卵、大豆製品(豆腐、キナコ、納豆など)、ナッツ類(落花生、アーモンド、カシューナッツなど)に多く含まれ、その他穀類にも含まれています。

尚、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つを合わせて「BCAA(分岐酸アミノ酸)」と言います。激しい運動を行うと筋肉の細胞が損傷しますが、実は損傷した近くにあるBCAA等のアミノ酸を利用して「損傷した直後」から修復が行われているのです。そのため激しい運動を行えば行うほど、運動中から筋肉が分解されてしまいます。BCAAは必須アミノ酸の中でも吸収が非常に速く、運動前中後に補給する事ができれば運動中に起こる筋肉の分解を最小限に抑える事ができます。スポーツ選手ではそうして肉体を維持しています。

●ヒスチジン
ヒスチジンは体内でアレルギーの原因物質である「ヒスタミン」に変換され、それによって炎症反応をコントロールする役割があります。またヘモグロビンや白血球を作る際にも使われており、貧血予防や免疫力の維持にも関わる必須アミノ酸です。その他、ヒスタミンには食欲を抑制する作用や覚醒作用などがあると言われています。ただしヒスタミンを摂り過ぎると体内でヒスタミンに変換され、アレルギー反応が強く出るようになる事があります。過度に避けると必須アミノ酸のバランスは悪くなりますが、意識的に摂る事はあまりオススメしません。食品は偏る事無くバランス良く摂るよう心がけましょう。

食品では特に魚類全般(カツオなど)や大豆製品(豆腐、キナコなど)に多く含まれ、肉類、乳製品(チーズなど)、卵などにも多く含まれています。その他ナッツ類、穀類にも含まれており、多くの食品に含まれているため不足する事はあまりありません。

●フェニルアラニン
フェニルアラニンはチロシン(アミノ酸の一種)の材料となり、ドーパミンやノルアドレナリンなどのようなホルモンを作る際に必要になります。これらは特にストレスに関係する重要なホルモンであり、不足すると情緒が不安定になる事があります。またそれらは神経伝達物質のため、不足すれば当然神経伝達がスムーズに行われなくなり、記憶力や判断力、集中力なども低下する事があります。食品では肉類、魚類(シラスなど)、乳製品(チーズなど)、卵、大豆製品(豆腐、キナコ、納豆など)、ナッツ類などに多く含まれ、その他では穀類にも含まれています。

<必須ではないアミノ酸>

上記で説明した乳製品由来の「カゼイン」は吸収までに6時間以上、「ホエイ」でも吸収までに2~3時間程度かかる(商品や個人によって差が大きい。また大豆製品由来の「ソイ」はカゼインとホエイのちょうど中間の吸収速度)と言われています。そのため激しい運動後の栄養補給では、実は吸収の速いホエイでも間に合わない事があるのです。そのような場合にはタンパク質を構成する「アミノ酸単体」を直接摂った方が速く栄養を吸収させる事ができ、ホエイが吸収されるまでの時間稼ぎをする事ができる場合もあります。

また例えば「プロテインに頼るほど激しい運動をしている訳ではない」し、「普段の食事で十分タンパク質は摂れている」というような場合もあるかと思います。その場合、アミノ酸系サプリメントは「不足しがちなアミノ酸単体を直接補給する」という目的で利用するのに非常に便利です。もちろん必須アミノ酸以外のアミノ酸は全て「必須アミノ酸から合成する事ができる(必須アミノ酸以外は必須ではないという事)」ため、基本的には「動物性の食品を食べて必須アミノ酸をバランス良く摂る」事に勝るものはありませんが、もしアミノ酸系のサプリメントはそのような目的で利用すれば意味も出てきます。

●アルギニン
アルギニンはアミノ酸の一種ですが必須アミノ酸から体内で合成する事ができるため「必須アミノ酸」ではありません。ですので不足する心配がないように思いますが、大人と子どもではアルギニンを合成する能力に違いがあり、成長期の子どもではアルギニンを合成する能力が未熟なので必要量が多くなります。特にアルギニンは成長ホルモンの分泌とコラーゲンの合成に深く関わっており、子どもでは「準必須アミノ酸」とも呼ばれている非常に重要なアミノ酸の一つです。

特に成長期の子どもにおいてアルギニンが不足すると確実に身長の伸びに悪影響を及ぼすと言われています。「身長を伸ばそう」とするとどうしてもカルシウムに固執しがちですが、そもそも成長ホルモンが分泌されなければ身長は伸びませんからアルギニンの方が優先度は高くなります。その他、アルギニンには免疫機能を高めたり、成長ホルモンの分泌が促進される事によって怪我の治りを早めたり、傷ついた皮膚を修復・再生させたり、血管の弾力性を維持して血流を促したり等、全体としえt健康や美容に効果が期待できます。

アルギニンは基本的に「タンパク質を多く含む食品」である肉類、魚類、卵、乳製品、大豆製品などを食べる事で補う事ができますが、その中でも特に大豆製品、玄米、ゴマ、エビなどに多く含まれていると言われています。しかし成長ホルモンの分泌には何より規則正しい生活(特に睡眠習慣と運動習慣の改善)が必要不可欠です。食習慣の改善だけではその分泌量を増やす事はできません。

ちなみにアルギニンを補う事ができるサプリメントの中には「オルニチン」や「シトルリン」というアミノ酸が含まれている場合があります。オルニチン、シトルリン、アルギニンは尿素回路というサイクルの中で働いており、尿を作り老廃物を体の外へ出すために必要となるアミノ酸です。ですのでこれらを摂るという事は、結果として解毒作用を持つ肝臓や老廃物を外へ出す腎臓の負担を減らすという事に繋がる可能性があります。尚、そのオルニチンやシトルリンは、アルギニンとは違ってタンパク質を構成しているアミノ酸ではなく、サイクルの過程で作られるアミノ酸です。ですので必要量は多くなく、必須アミノ酸が不足していない限りはめったな事では不足しません。

●グルタミン
グルタミンは筋肉内に多く存在するアミノ酸の一種(脳に作用するグルタミン酸とは違うので注意)です。筋肉に大きなストレスを与えると筋肉内にあるBCAAやグルタミンが減少し筋肉は分解されてしまいます。すなわちグルタミンを補給する事ができれば、運動中からの筋肉の分解を最小限に抑える事ができるのです。そのため激しい運動をする習慣のある人では「余分にアミノ酸を使わない(せっかく摂ったアミノ酸をできるだけ目的以外の用途に使われないようにする)」という意味でも必要となる場合があります。

尚、グルタミンも必須アミノ酸ではないので、必須アミノ酸をバランス良く摂っていればその必須アミノ酸から体内で合成する事ができます。しかし激しい運動習慣がある人では筋肉の分解を防ぐ意味でもグルタミンの損出は常に意識しておかなければならず、空腹時(就寝前、起床後、トレーニング前中後等)を予測してサプリメントで利用する必要がある場合もあります。もちろんそれはスポーツ選手など肉体消耗が激しい人だけで、我々のような一般人には特に必要はありません。

●GABAについて
GABAとは「γ-アミノ酪酸」の事で、脳内では他の神経伝達物質の働きを抑える「抑制性の神経伝達物質」として働いています。よってこれを摂る事でリラックス効果等が得られるかもしれません。尚、体内ではグルタミン酸やビタミンB6等から合成されます。グルタミン酸は小麦、大豆、チーズ、ナッツ等、ビタミンB6はマグロ、カツオ、サケ、牛レバー等に多く含まれており、それらを摂ると良いでしょう。

●チロシンについて
必須アミノ酸であるフェニルアラニンから作られるチロシン(アミノ酸の一種)は、甲状腺ホルモンの材料やドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンというホルモンの材料として使われています。それにより、摂取すると覚醒作用及び単純に「やる気」をもたらす他、ストレス軽減効果もあると言われています。フェニルアラニンが不足していない限りチロシンは体内合成できますが、これを摂ればフェニルアラニンを節約できます。

●カルニチン
カルニチンはアミノ酸から作られる誘導体の一つで、特に脂肪の代謝に関係し、脂肪がエネルギーになる事を助けます。必須アミノ酸であるリジンやメチオニンから作られるため、それが不足しない限りカルニチンは体内合成できます。ただし不足すると運動をしても脂肪が燃えにくくなります。食品では赤身肉に多く含まれています。

●カルノシンについて
アミノペプチドの一種であるカルノシンは筋肉(特に心筋)に多く存在しており、乳酸を分解する酵素の働きを高めると言われています。それにより疲労回復効果があるかもしれません。また細胞の酸化・糖化を抑える働きもあるとされており、それによって細胞の老化予防にも効果があると言われています。食品では鶏肉、特に鶏胸肉に多く含まれています。尚、カルノシンはβアラニンとヒスチジンが結合しています。そのためβアラニンを補給(ヒスチジンは必須アミノ酸)する事でカルノシンの合成を補助する事ができます。




★脂肪(脂質)について

脂肪と聞くと「太る」というイメージを持つ人しかいないと思いますが、脂肪も五大栄養素の一つに数えられる必要不可欠な栄養素の一つです。特に脂肪はエネルギー源として使われており、これがあるおかげで長時間の身体活動を続ける事ができます。長期間蓄える事ができるため、例えば食べ物や飲み物が確保できない環境などに置かれた場合、万が一の時のためのエネルギー源としても非常に有用です。その他、例えば脂溶性ビタミンの吸収補助、血管を保護するコレステロールの材料、皮膚を保護する皮脂の材料、ステロイドホルモンの材料などとしても使われており、健康を維持する上では非常に重要な栄養素と言えるでしょう。

もちろんこの脂肪が必要以上に蓄積すれば良くないのは事実です。例えば脂肪の蓄積によっては肥満や動脈硬化など様々な悪い症状を引き起こす事はよく知られています。しかし実は脂肪にも必須アミノ酸と同じく体内だけでは一から作る事ができない「必須脂肪酸」と呼ばれるものがあり、それは必ず食事から補給し続けなければなりません。またその必須脂肪酸には「ω-3脂肪酸(α-リノレン酸、DHA、EPAの3種)」と「ω-6脂肪酸(リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸の3種)」という種類があり、これらをバランス良く摂る事が健康の維持には必要となります。ちなみにほとんどの食品(油を使う料理、加工食品、動物性の食品等)に含まれる「ω-6脂肪酸」は現代人は摂り過ぎている傾向にあると言われており、逆に青魚や一部の植物性の油(エゴマやアマニ油)に多く含まれる「ω-3脂肪酸」は不足傾向にあると言われています。よって食事のメニューを決める際には「ω-3脂肪酸」の方を意識的に摂り、「ω-6脂肪酸」の方は抑える(完全な制限はもちろんNG)という事が重要になります。

●脂肪、脂質、脂肪酸などの違い

油と脂の違いとしては、まず常温で液体の状態のものが「油」、常温で固体かつ動物性のものが「脂」です。そしてその油と肪を合わせて「油脂」などと言いますが、これは「脂肪」とほぼ同じ意味があります。よって「脂肪」とは常温で固体か液体か、あるいは動物性か植物性かに関係なく、全ての脂肪の事を指す言葉と言えます。また「脂質」とは更にそれに加え「脂肪のように水に溶けない性質を持つ物質(油脂、コレステロール、植物性ステロール、脂溶性ビタミン、リン皮質等)」の全ての総称を意味しており、「脂肪酸」はそれぞれの脂質を構成している物質の総称です。ちなみに中性脂肪は血液中に存在する「トリグリセリド(グリセリンと遊離脂肪酸に分解され、グリセリンもその一部は脂肪酸となる。脂肪酸はエネルギーとして利用したり再び脂肪の合成に使われる。またグルコース:ブドウ糖の一部からもグリセリンは作られる=つまり糖は最終的に脂肪になるという事)」の事で、これを分解または再合成しながら利用する事でエネルギーが得られます。

続いて、その脂肪酸は炭素分子の鎖が長い順に「長鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」「短鎖脂肪酸」に分けられ、その内、炭素分子の二重結合がないものを「飽和脂肪酸」、二重結合があるものを「不飽和脂肪酸」、更にその不飽和脂肪酸の内、炭素の二重結合が1つしかないものを「一価不飽和脂肪酸」、2つ以上あるものを「多価不飽和脂肪酸」と呼びます。また全ての不飽和脂肪酸の内、水素が炭素の二重結合を挟んで同じ側にあるものを「シス脂肪酸(天然に作られる脂肪)」、水素が炭素の二重結合を挟んで反対側にあるものを「トランス脂肪酸(主に人工的に作られた脂肪の事を指す:健康に良くないとして有名)」と言います。更に、「多価不飽和脂肪酸」となっている鎖状の分子の中で、特に3個目の炭素の中に二重結合があるものを「ω-3脂肪酸」、6個目にあるものを「ω-6脂肪酸」と呼び、これが脂肪を構成するために必要不可欠な「必須脂肪酸」であり、脂肪の中ではこれが「五大栄養素」と言えます。

それぞれの特徴を挙げると、まず「不飽和脂肪酸」は飽和脂肪酸と比べて融点が低く、飽和脂肪酸と置き換わる事で流動性をもたらします。これにより脂肪が蓄積した際には不飽和脂肪酸の方がエネルギーとして変換されやすく、飽和脂肪酸の方が体に残りやすいという事が起こります。一方で「飽和脂肪酸」は酸化しにくく加熱調理に適していますが、そのように体に蓄積しやすいというデメリットがあります。すなわち飽和脂肪酸は摂取しなくても構わない脂肪酸で、脂肪を摂取するには不飽和脂肪酸の方が優先度が高いという事です。しかしその不飽和脂肪酸の内の「多価不飽和脂肪酸」に関しては酸化されやすいという特徴があるため、加熱調理に適しません。よって加熱調理に油を使う際にはオレイン酸などの「一価不飽和脂肪酸」が最も適していると言えると思います。

また飽和脂肪酸の一つである酢酸は「短鎖脂肪酸」に分類されますが、水の温度に近い120度前後で気化してしまうため加熱調理には適しません。一方で短鎖脂肪酸は大腸内にある腸内細菌が食物繊維を分解する際に自然に作られ、腸内にある細胞、腎臓、肝臓、筋肉を動かす際にエネルギー源として使われる他、特に酢酸は酸性である事で様々なミネラルを水溶性に変化させ吸収を促す事ができます。続いてココナッツオイル(抽出したMCTオイル)に多く含まれる「中鎖脂肪酸」は加熱調理には適しません(低温で煙が発生するため危険)が、すぐさま肝臓で分解される事で「ケトン体(糖を制限した際に脂肪を分解して得られる緊急エネルギー)」の生成を促す事ができ、糖の代わりにエネルギーとして利用する事ができます。最後に我々が摂取する殆どの脂肪酸は実は「長鎖脂肪酸」なのですが、その内、必須脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)のω-6脂肪酸は熱に強く酸化もしにくいですが、多くの食品に含まれていて過剰摂取のリスクが大きい(発癌、アレルギー症状悪化、動脈硬化、肥満等の原因)という特徴があります。一方で同じく必須脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)のω-3脂肪酸は熱に弱く酸化しやすいですが、含まれる食品が限られていて不足しやすい(特にω-6に対して抑制する)という特徴があります。脂肪の形成においてはこのω-3とω-6のバランスが重要なので、食事の際にはω-6を制限しω-3を意識的に摂取する必要があるでしょう。

これらをまとめると脂肪を摂取する際には、加熱調理にはオレイン酸を豊富に含むエクストラヴァージンオリーブオイルを利用、調理後の料理に使うのはω-3脂肪酸を含むエゴマ油やアマニ油など、そしてω-6脂肪酸を含む動物性の食品や油を使った料理・加工食品は過剰に摂取しないよう避ける、またはその一部をω-3脂肪酸を含む青魚に置き換える(ω-6脂肪酸も必須脂肪酸なので極端には制限しない。尚、青魚にもω-6脂肪酸は含まれる)という事が重要になると思われます。もちろんどんな脂肪でも「脂肪」である事には変わりないので、脂肪の代謝及び抗酸化機能が適切に働くような生活習慣や、抗酸化作用を持つ栄養素の摂取及び心身のストレスコントロールなども必要になるでしょう。

●脂肪を多く含む食品簡易まとめ

脂肪を多く含む食品を簡単にまとめると、例えば肉類・魚類・乳製品全般、ナッツ類全般(一粒一粒は小さいが食べ過ぎに注意)、食用油(ラー油、ゴマ油、オリーブオイル、サラダ油、パーム油など)、調味料(ピーナッツバター、各種ドレッシング、ソース、ケチャップ、バター、マーガリン、ラード、生クリーム、マヨネーズなど)、油を使った加工食品全般(フランクフルト、ウインナー、ベーコン、油揚げ、唐揚げ、ハンバーグ、コロッケ、天ぷら、チーズなど)、お菓子類(アイス、チョコレート、ケーキ、クッキー、ポップコーン、キャラメル、ドーナッツ、ビスケット、スナック類など)などに多く含まれています。その他見落としやすい所ではカレーライス・ハヤシライスのルー、カップ麺、インスタントラーメン、冷凍食品などにも多く含まれています。もし動物性の食品を食べる場合には食品の偏りに十分注意し、何度も言うように使用する油の量を減らし、また植物性の食品と上手く組み合わせて食べるようにしましょう。もちろん運動習慣や睡眠習慣の改善も忘れずに。例え脂肪を制限したり適度に摂る事ができていても元々の脂肪の代謝が狂っていては蓄積した脂肪は減りません。

●1日に必要な脂肪の量について

1日に必要な脂肪の量は1日に必要な総エネルギー量(基礎代謝×身体活動レベル)の20~30%とされており、1gの脂肪には9kcalのエネルギーがあります。これは炭水化物の所でも説明しましたが改めて説明します。私の例であれば基礎代謝を1392kcal(基礎代謝量の計算は「BMI22となる体重×基礎代謝基準値」。基礎代謝基準値は「男性20代が24、30~40代は22.3、それ以上が21.5、女性20代が22.1、30~40代が21.7、それ以上が20.7」。またBMI22となる体重は「身長m×身長m×22」)とし、身体活動レベルを低(低は1.5、普通は1.75、高は2。ここでは何もしない休日を想定)とすると、1392×1.5=2088kcalが1日に必要な総エネルギー量となります。よって私の場合の1日に必要な脂肪の量は2088×0.2~0.3÷9=約46~70gとなります。つまり私の場合ではこの範囲内で脂肪を摂れば最低限健康を維持する事ができるという事になります。

ちなみに牛乳一杯の脂肪量は多くても10gに満たない程度(200ml当たり)ですが、1日に1L以上飲めば簡単に50gを超えてしまいます。我々大人ではそれでも問題ありませんが、大人よりも基礎代謝の低い子どもでは摂り過ぎてしまいます。特に成長期では給食などで牛乳をガブ飲みする子も多いかと思いますが、健康を害す可能性があるので注意しましょう。

●脂肪の代謝を整えるには

これについては他の記事で詳しく説明しているのでここでは触れませんが、結局、生活習慣全体を見直す事以外に方法はありません。食習慣だけでなく睡眠習慣や運動習慣などを見直し、それを積み重ねる事でのみ脂肪の代謝を改善する事ができるのです。それをせずにただ食事中の脂肪を減らしたり、脂肪の代謝を促す栄養素を集中的に摂っても何の意味もないでしょう。また脂肪の代謝が整っていれば体のどこかに偏って脂肪が蓄積する事も抑える事ができるため、食事制限の事を考えなくてもスタイルを維持する事ができるようになります。つまり自然に脂肪が減っていくのです。その上で筋肉をつけてあげれば、見た目的にも太って見える事はなくなっていくでしょう。


<ω-3脂肪酸について>

多く含む食品としてはブリ、ウナギ、カレイ、サバ、クジラ、サンマ、イワシ、マグロのトロ、ニシン、ハマチなどがあります。また特にエゴマ油とアマニ油に多く含まれています。ただし他の脂肪酸と比べて熱や光によって酸化しやすい(熱や光で酸素との反応し変性が進みやすい=熱に弱いという事)という特徴があるため、加熱調理及び保存方法によってその多くが失われてしまいます。よって効率良く摂るためには焼き魚ではなく刺し身や煮魚、及び前述の植物性の油を食事の直前にかけて食べる事が重要になります。尚、確かに酸化はしやすいのですが体内でエネルギーに変換されやすいため、脂肪と聞くだけで過剰反応しないようにしましょう。

●α-リノレン酸
α-リノレン酸は必須脂肪酸であるω-3脂肪酸の一つです。脂肪と聞くと悪さしかしないようなイメージを持っている人も多いですが、この脂肪酸には血圧を低下させ、動脈硬化や血栓を防ぐ効果があります。また体内で下記のDHAやEPAを合成し、それらを補います。ただしα-リノレン酸からDHAとEPAを作る割合は10~15%程度であり、α-リノレン酸を摂るだけではω-3脂肪酸は不足してしまいます。よってDHAやEPAは別途補給しなければなりません。

●DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHAも必須脂肪酸であるω-3脂肪酸の一つです。このDHAは悪玉コレステロールを減らして逆に善玉コレステロールを増やし、血液中のコレステロール値を正常に保つ効果があります。またα-リノレン酸や下記EPAと同じように血圧を正常に保ち、中性脂肪を溜まりにくくして血液をサラサラにします。そんなDHAはアンコウ(肝)、マグロ(トロ)、サバ、アユ、ブリなど主に青魚に多く含まれており、青魚を食べる習慣のない人は不足しやすいので意識的に摂るようにしましょう。尚、その他として視力回復、アレルギー症状の緩和、記憶力や判断力向上などの効果もあると言われています。

●EPA(エイコサペンタエン酸)
EPAも必須脂肪酸であるω-3脂肪酸の一つです。このEPAもα-リノレン酸やDHAと同じように血栓や中性脂肪をできにくくし、血液をサラサラにする効果があります。またアレルギー症状を緩和する効果やインスリンの働きを活性化させる効果(結果として糖がエネルギーになりやすくなり脂肪蓄積が予防される)があると言われています。そんなEPAはサバ、ウナギ、サンマ、イワシなどやはり青魚に多く含まれており、それを食べる習慣のない人では不足する事があります。意識的に摂るようにしましょう。ちなみにEPAは血液をサラサラにする効果が非常に強いため、摂り過ぎると出血時に止血しにくくなる事があります。体に良いからと言っても所詮は「脂肪」なので適度に摂るようにしましょう。

<ω-6脂肪酸について>

ω-6脂肪酸を多く含む食品は基本的に脂肪を含む食品全般であり、例えば肉類、魚類(特に肝に多い)、乳製品、卵、ナッツ類(クルミ、ゴマ、落花生、アーモンド、ピスタチオ等)、食用油・調味料全般、お菓子類、その他加工食品全般が挙げられます。酸化しにくく加熱調理にも使えますが、一方で多くの食品に含まれており、体内では蓄積しやすいという特徴があります。よって油を大量に使用するような料理はできるだけ避け、調理では油を使わなくても済むような工夫が必要でしょう。

●リノール酸
リノール酸は必須脂肪酸であるω-6脂肪酸の一つです。このリノール酸もω-3脂肪酸と同じように血中のコレステロールを減らす効果がありますが、悪玉コレステロールだけでなく善玉コレステロールの方まで減らしてしまう可能性があります。また現代では多くの食品に含まれていて摂り過ぎている傾向にあります。必須脂肪酸の一つであり抗酸化作用もあるため、γ-リノレン酸やアラキドン酸と比べれば優先度は高いですが、意識的に摂らなくても不足する事はあまりありません。

●γ-リノレン酸
γ-リノレン酸も必須脂肪酸であるω-6脂肪酸の一つです。このγ-リノレン酸は血糖値や血圧、血中コレステロールを減らし、血栓をできにくくするなどの効果があります。しかし上記のリノール酸から作る事ができるため、不足する事はほとんどありません。前述のようにむしろ現代人は摂り過ぎている傾向にあるので抑える方が重要になります。ただしω-6脂肪酸は脂肪の含まれる食品であれば必ず含まれており、「全く摂らない」という事は不可能です。要は「摂り過ぎない=適度に摂る=避けられるのであれば避ける」という事です。

●アラキドン酸
アラキドン酸も必須脂肪酸であるω-6脂肪酸の一つで、特に免疫系や血圧の調節などに関与しています。これもその一部はリノール酸から作られており、不足する事はほとんどありません。逆に摂り過ぎる事ではアレルギー症状が出やすくなるなど、様々な悪さをすると言われており意識して摂る必要はありません。

<その他の脂肪について>

※種類が多いため一部のみ紹介
●オレイン酸
オレイン酸は一価の不飽和脂肪酸(ω-9脂肪酸:必須脂肪酸ではない)で、体内で脂肪が酸化される事を防ぐ効果があります。また必須脂肪酸と同じように悪玉コレステロールを減らし、コレステロール値を正常に保つ役割もあります。食品では特にオリーブオイルや紅花油に多く含まれ、その他ではナッツ類や動物性の食品などに多く含まれています。このオレイン酸は特に他の不飽和脂肪酸の内では比較的酸化されにくいため、加熱調理にも利用する事ができます。ただしオレイン酸の含まれる油には他の脂肪酸も含まれているため、可能であれば「エクストラバージンオイル」のようなオレイン酸の純度が高いものを利用しましょう。

●飽和脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸など)
飽和脂肪酸は多価の不飽和脂肪酸である必須脂肪酸と比べると酸化しにくく、加熱調理にも向いていますが、融点(個体が液体になる温度)が高いため、一度体内で脂肪として蓄積するとエネルギーとして利用する事が難しいというデメリットがあります。よってこれを摂り過ぎると中性脂肪やコレステロールを増やし、それを体に蓄積させてしまうでしょう。飽和脂肪酸を摂り過ぎないためには、例えば動物性の食品を選ぶ際には脂肪分の少ない食品(部位、動物の種類、脂肪をカットする加工方法など)を選んだり、調理で利用する油の量を調節するようにしましょう。

●トランス脂肪酸(人工的に作られた脂肪酸)
トランス脂肪酸は主に人工的に作られた脂肪酸の事で、これも摂り過ぎると中性脂肪やコレステロールを増やし、それを体に蓄積しやすくしてしまいます。もちろん肥満・生活習慣病の原因にもなるでしょう。人工的に作られた脂肪酸、すなわちほとんどの調味料・調理油に含まれているので、そのような油を使わない調理を心がけ、また既に加工された状態の商品をできるだけ避ける事も必要になります。




★ビタミンについて

ビタミンとは、体内で起こる代謝の際に重要な働きをしている物質の内、自分の力だけでは作る事ができない化合物(腸内細菌により作る事ができるビタミンは除く)の総称です。そのため前述した必須アミノ酸や必須脂肪酸と同じように、定期的に摂り続けなければならない栄養素と言えるでしょう。特にビタミンは現在発見されているもので全13種類があり、その内、水に溶けやすいビタミンを「水溶性ビタミン」、油脂に溶けやすいビタミンを「脂溶性ビタミン」と言います。

<水溶性ビタミンについて>

水溶性ビタミンは水に溶けやすいため、水と一緒に摂る事で吸収を促す事ができます。しかし一方で水と共に体の外で出やすいため、長期間体に蓄えておく事ができないという特徴があります。よって水溶性ビタミンは自分が気づかぬ内に失われている事も多く、定期的に補給し続ける必要があります。ちなみに摂り過ぎた分は水と一緒に体の外へ出す事ができるため、過剰摂取の心配はほとんどありません。

●ビタミンB群
ビタミンBには「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ナイアシン」「パントテン酸」「ビタミンB6」「ビタミンB12」「葉酸」「ビオチン」の8種類があり、これらのビタミンをまとめて「ビタミンB群」と呼びます。以下ではそれぞれの役割とそれを多く含む食品について説明しています。尚、後述の通りビタミンB群は腸内にてその一部を作る事ができるため、効率良く摂るためには腸内環境を改善する必要があります。しかし食習慣を変えるだけでは腸内環境は良くなりません。何度も言いますが、睡眠習慣や運動習慣など生活習慣全体を見直しましょう。ビタミンB群を意識的に摂ってもそれができていなければ意味がありません。

1.ビタミンB1
 細胞を正常に機能させるためにはそのエネルギー源として「糖」が必要ですが、ビタミンB1はその糖がエネルギーになる事を助ける役割があります。よってビタミンB1があれば糖の代謝がスムーズになり、糖の蓄積をある程度抑える事ができます。糖は蓄積するといずれ脂肪へと変換されてしまうため、糖の蓄積を防ぐという事は脂肪の蓄積も防ぐ事になり、結果として肥満の予防にも繋がります。

このビタミンB1は特に豚肉に多く含まれ、その他ではウナギ、タラコ、鶏レバーなどにも多く含まれています。腸内によってその一部を作る事ができ、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はありませんが、ビタミンCと同じく水溶性のため、水を利用した調理はもちろん、発汗量の多い夏場では汗や尿等によって失われやすいという特徴があります。また健康な人でも元々あまり吸収率が高くなく、吸収効率は胃腸の活動によって大きく左右されます。前述のように糖の代謝に深く関係しているため、不足すると脳や筋肉の動きも鈍くなり、単純に疲れやすくなります。不足しやすいビタミンですので意識的に摂取しておいて損はないでしょう。

尚、ビタミンB1と共に摂取すべきなのはエネルギーとなる「糖」はもちろんの事、柑橘系に含まれる「クエン酸(糖の代謝を補助)」、ニンニクに含まれる「アリシン(ビタミンB1と結合するとアリチアミンとなり吸収率を高める)」です。これらを一緒に摂る事で疲労回復効果を高める事ができます。また前述のようにビタミンB1自体それほど吸収率が高くないため、フルスルチアミンなどの誘導体を摂取する事もオススメです。

2.ビタミンB2
 ビタミンB2は皮膚や粘膜の維持などに関わっており、特に脂肪の代謝を助ける役割があります。例えばタンパク質は動物性の食品に多く含まれていますが、動物性の食品だけでタンパク質を摂ろうとするとどうしても脂肪を摂り過ぎてしまいます。そんな時、ビタミンB2は脂肪がエネルギーになる事を助け、必要とされる場所へ必要に応じて供給(皮膚や粘膜に作用するのは水分保持に脂肪が必要なため。不足すると皮膚炎m口内炎、眼精疲労等になる)します。それは結果として脂肪の蓄積を防ぐ事にも繋がり、肥満の予防にもなります。

このビタミンB2は食品では特に豚・牛のレバーに多く含まれ、その他では鶏レバー、牛・鶏ハツ、ウナギ、タラコ、納豆、卵黄などにも含まれています。水溶性ですが、その一部を腸内細菌(食物繊維が餌となる)で作る事ができ、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はあまりありません。不足が心配される場合はまず腸内環境を改善する事を考えると共に、リボフラビン酪酸エステルのような誘導体の摂取が必要です。

3.ビタミンB6
 ビタミンB6も脂肪の代謝に関与していますが、こちらは特にタンパク質及びアミノ酸の代謝を助ける役割があります。人の見た目はそのほとんどがタンパク質で形作られており、その代謝が促される事では筋トレの効率を上げたり、肌荒れを治したり、怪我を治りやすくしたりする事ができます。

またアミノ酸の代謝という事で様々な神経伝達物質(セロトニン、GABA、ドーパミン)の合成、炎症反応に関わるヒスタミンの合成、酸素を運ぶヘモグロビンの合成、必須アミノ酸であるトリプトファンからのナイアシン合成(つまりビタミンB6が不足するとナイアシンが不足したり、トリプトファンの必要量が増える事があるという事)にも関与しています。その他では糖質制限下における糖新生時の代謝(グリコーゲン分解酵素に必須)や、皮膚に存在するセラミドの合成などにも関与しています。

食品では特にマグロやカツオに多く含まれ、その他では豚・牛のレバー、サケ、イワシ、サンマ、アジ、豚肉、鶏肉などにも含まれています。これも一部を腸内細菌で作る事ができるので、バランスの良い食習慣をしていれば本来不足する事はありません。ただし前述のように非常に重要な役割を持つビタミンなので意識的に摂取しても損はないでしょう。尚、ビタミンB6の誘導体にはピリドキサルリン酸などがあります。

4.ビタミンB12
 ビタミンB12もビタミンB6と同じようにタンパク質の合成に深く関わっており、特にDNAの合成や脂肪酸の合成に関与しています。またビタミンB12は葉酸と共に働く(その働きも似ている)という事でも知られており、葉酸の再生産に利用されています。そのため葉酸が十分量あれば不足する事はあまりありませんが、葉酸が不足するとビタミンB12の必要量が増え、万が一にビタミンB12が不足すると葉酸を効率良く利用できなくなります。貧血と聞くと鉄分をイメージしますが、葉酸やビタミンB12が不足する事でも貧血になりやすくなります。

食品では特に貝類、レバー、魚類全般に多く含まれています。ビタミンB12は蛋白質と結合しているため、そのように含まれる食品には動物性の食品が多く、人によっては不足する事があります。体内においては基本的に食品から摂取したものを利用し、一部は再利用・再吸収(唾液腺から分泌されるハプトコリンが遊離したビタミンB12と結合して胃液から保護、膵液によって再び遊離、胃壁細胞から作られる糖蛋白と再結合し、小腸で再吸収)、残りを捨てています。やはり他のビタミンB群同様、腸内細菌の働きによって作る事ができますが、小腸より遠い大腸内のため再吸収できず、効率良く吸収するには食品から摂取するしかありません。

5.葉酸
 葉酸はアミノ酸の合成に関与するビタミンであり、特に核酸(プリン体等)やDNAの合成に深く関与しています。そのため分裂の活発な赤血球ではその影響を大きく受けます。妊娠中や新生児で「必須」とされるのはこれがあるからです。極端に不足すると妊娠中でなくても貧血になりやすくなります。その他ではメチオニンの代謝(メチオニン→ホモシステイン、ホモシステイン+葉酸→メチオニン。ホモシステインは体内の均衡が崩れた際等に増え、動脈硬化の原因となると言われている)、ヒスチジンの代謝(ヒスチジン→グルタミン酸)等にも関与しています。

その他、葉酸は成長期や成人では腸内でも作る事ができますが、成長期に不足すると身長の伸びにも悪影響を及ぼす事があると言われています。この事から妊娠中、新生児、女性だけでなく、成長期の子ども(特に胃腸の調子が崩れやすい場合)でも積極的に摂って損はありません。また前述のようにビタミンB12と共に働くビタミンのため、ビタミンB12を補給する事で葉酸の不足分を補う事ができます。食品では豚・鶏・牛のレバー、うなぎ、大豆製品、キノコ類、緑野菜などに含まれています。

6.ナイアシン
 ナイアシンは他のビタミンB群と同じように様々な酵素の補助に関わっており、糖・脂肪・タンパク質の代謝を助ける働きがあります。体内では必須アミノ酸であるトリプトファンからビタミンB6を使って合成できる他、腸内でも作る事ができ、不足する事はあまりありません。ただしビタミンB6の不足によりナイアシンが不足する事があります。不足すると皮膚炎、口内炎、下痢などが起こる事があります。

食品では特にタラコに多く含まれ、その他ではマグロ、カツオ、イワシ、サバ、ブリ、豚・牛のレバー、鶏肉などにも含まれています。水溶性ですが熱に弱く、加熱調理では多くが失われてしまいます。ちなみにナイアシン誘導体には「ニコチンアミドリボシド」があり、細胞内のエネルギー産生向上やストレス軽減などの効果があると言われています。それにより一説には老化予防に効果があるそうです。

7.パントテン酸
 パントテン酸もナイアシンと同じく様々な代謝の補助として働き、特にCoA(補酵素A)の材料として必要不可欠なビタミンです。特に「皮脂の過剰分泌を抑える働きがある」とされており、その役割からビタミンB群の中でも「毛穴のつまりに対して効果がある」と言われています。思春期以降の男性では肌荒れ予防のためにも積極的に摂っておいて損はないでしょう。食品としては特に豚・鶏・牛のレバーに多く含まれ、その他ではタラコ、鶏肉、豚肉、大豆製品などにも含まれています。水溶性ですがこれも腸内細菌で作る事ができるので、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はめったにありません。

8.ビオチン
 ビオチンは糖や脂肪の代謝に関わっていますが、特にアトピーなどの皮膚疾患の改善、炎症の拡大を予防するにはこのビオチンが必要と言われています。このビオチンもその一部を腸内細菌によって作る事ができ、またほとんどの食品に含まれているため、本来バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はめったにありません。

しかし人によってはビオチンを作る能力が低い場合があり、意識的に摂る必要がある人も確実に存在します。肌荒れが酷い人では意識的に摂っておきましょう。食品ではナッツ類、レバー、卵黄、ウナギ、カレイ、イワシ、カジキなどに含まれています。ただし生の卵白にはビオチンの吸収を阻害するアビジンというアミノ酸が含まれています。アビジンはビオチンと強力に結合するため、生卵をたくさん食べている場合には不足する事があります。アビジンは加熱によって遊離できるため、卵は火を通してから食べた方が良い(ビオチンは水溶性だが熱にも比較的強い)でしょう。

●ビタミンCについて
1.ビタミンCの特徴
 数ある栄養素の中でもビタミンCは特に「美容に良い」とされており、知らない人がいないほど有名な栄養素の一つだと思います。ビタミンCを摂って何故肌が綺麗になるのかというと、ビタミンCが「必須アミノ酸からコラーゲンの合成する」際に使われているからです。コラーゲンはタンパク質の一種であり、皮膚にたくさん存在しています。年齢を重ねて皮膚にシワが増えるのは皮膚にあるコラーゲンが減っているからで、ビタミンCはその合成を促して弾力性や張りを持たせる事ができます。特にビタミンCが不足すると「壊血病(コラーゲンの合成が行われない事で血管が脆くなり、出血しやすくなってしまう)」という病気にかかる事がありますが、ビタミンCはそれを予防する役割があります。その他、ビタミンCには強い抗酸化作用があり、体内において活性酸素やメラニン色素が増える事を防ぐ役割もあります。これはいわゆる「アンチエイジング効果」であり、老化の進行(主に見た目的に)を遅らせる事に繋がります。

 またコラーゲンと聞くと皮膚をイメージするかと思いますが、実は骨の芯の部分にも多く存在しており、骨に弾力性を持たせる役割があります。骨と言えばカルシウムですが、ビタミンCがなければ例えカルシウムがあっても効率良く骨を作る事ができなくなります。更に、ビタミンCにはカルシウムや鉄分などミネラルの吸収を促す役割もあります。よって成長期の子どもや女性(女性ホルモンが骨のカルシウム含有率に関係しており、女性は男性よりも骨が脆くなりやすい。また月経によって鉄分も不足しやすい。)では、その意味でも意識的に摂っておくべきでしょう。ただしビタミンCだけを獲ってもコラーゲンは合成できません。コラーゲンを合成するためにはその材料となる必須アミノ酸が必要です。前述のように必須アミノ酸は全部で9種類あり、それを全てバランス良く摂らなければコラーゲンを効率良く作る事はできないのです。

2.ビタミンCを効率良く摂る方法
 ビタミンCは熱に弱いため、例えビタミンCを多く含む食品でも加熱すると失われてしまいます。よって熱をできるだけ使わないような工夫が必要になります。また水溶性ビタミンのため水にも溶けやすく、調理で水を使用する事でも多くが失われてしまいます。ビタミンCはそれだけ損失しやすいビタミンなのです。水をできるだけ使わない、あるいは利用した水を再利用し、できるだけ損失を減らす事が必要になるでしょう。更に、例え定期的に摂る事ができていてもストレス環境や喫煙環境(自分が吸っていなくても)にも弱いため、やはり知らず知らずの内に失われている事が多いです。意識的に摂っておきましょう。

 ビタミンCを多く含む食品は緑黄色野菜全般・果物全般です。特に赤・黄ピーマン、アセロラ、レモン、柿、キウイ、イチゴに多く含まれています。1日に必要なビタミンCの量は100mg(0.1g)以上とされていますが、例えばレモンだと5個、赤ピーマンや黄ピーマンだと2~3個、キウイだと1~2個、イチゴだと15~20個、アセロラだと1~2個程度、柿だと1個程度を1日に食べる事で満たす事ができます。ただし前述のようにビタミンCは損失しやすく、しかも体の中に蓄えておく事ができません。1度に1日の必要量を摂取しても無駄が大きいのです。そのため摂取する際には3食それぞれで分けて摂取する必要があります。

 一般的に生の野菜や果物は消費期限が短く、一度に大量に買って貯めておく事が難しい(食材自身の持ちも悪いが、前述の通りビタミンCは環境により失われやすい)です。定期的に食べるためには、毎回野菜や果物を切らす度に買い物に行かねばならず、その意味でもビタミンCを定期的に摂るのは簡単ではありません。大変な場合には無理をせずサプリメントを利用するのも手です。もちろんサプリメントや飲み物を利用する場合も「定期的に摂る」という点で、1日1粒目安のものよりも、毎食時に飲めるような「1日3粒以上目安」のものを利用した方が効率が良いですね。ちなみにですが、ビタミンCには「脂溶性ビタミンC(パルミチン酸アスコルビル等)」というものがあり、こちらでは通常の水溶性ビタミンCよりもゆっくりと長く吸収させる(そのため朝晩利用)事ができます。


<脂溶性ビタミンについて>

脂溶性ビタミンは水溶性ビタミンとは逆に脂肪に溶けやすく、脂肪と一緒に摂る事で吸収が促されます。こちらは水に溶けないため、しばらく体に蓄えておく事ができますが、それは逆に「体の外へ出す事が難しい」という事でもあります。よって脂溶性ビタミンは自分が気づかぬ内に過剰摂取してしまう事があり、健康のためには適切に摂るという事が非常に重要になります。

●ビタミンA
ビタミンAはビタミンCと同じく抗酸化ビタミンの一つであり、特に粘膜の健康維持に関わるビタミンとして知られています。よく言われるのが「視力の維持及び回復に効果がある」という事です。そんなビタミンAですが、実は大きく分けて2種類あり、「レチノール」と「レチノールの代わりとなるカロテノイド」に分けられます。特にレチノールの代わりになる栄養素ではカロテノイドの一種である「βカロテン」が代表的です。ちなみにカロテノイドの中ではこの「βカロテン」が最もビタミンAの効力は高いのですが、全てのカロテノイドがビタミンAの効力を持っている訳ではありません。それ以外のカロテノイドは基本的にビタミンAの効力がないか非常に弱く、例えばトマトに含まれるリコピン、甲殻類やサケに含まれるアスタキサンチン、唐辛子に含まれるカプサイシンなどではビタミンAの代わりにはなりません。もちろんそのようなカロテノイドは全体として非常に高い抗酸化力があるため、意識して摂る事自体は何の問題もありません。

話を戻しますが、その内レチノールは主に動物性の食品に含まれており、体内においてはこちらが優先的に使われます。ただし食品では鳥・豚・牛のレバー、アンコウの肝、卵、乳製品に多く含まれており、脂肪を含む食品が多く過剰摂取のリスクがあります。一方、βカロテンは特に色鮮やかな緑黄色野菜全般(シソ、ピーマン、モロヘイヤ、ニンジン、ヨモギ、西洋カボチャ、ケール、クレソンなどが代表的)に多く含まれており、体内においてはレチノールの不足分に応じて代わりに使われます。よってレチノールとは違ってβカロテン単体では過剰摂取のリスクが低いため、ビタミンAの摂取には緑黄色野菜を摂る事がオススメです。

ただ、ビタミンAの必要量を知るためにはまずビタミンAの「単位」について勉強しなければなりません。ビタミンAは前述のようにレチノールとβカロテンのようなカロテノイドに分けられますが、それぞれ吸収率が大きく異なります。具体的に言えばレチノールはほぼそのままの形で吸収する事ができるのに対し、βカロテンは吸収の際に5/6が失われ1/6しか吸収する事ができず、更に体内でビタミンAとして利用する際の変換で1/2のロスがあります。つまりβカロテンはレチノールと比べて1/12程度しかビタミンAとして利用する事ができない訳です。それを踏まえると、例えばレチノールが1μg含まれる豚肉とβカロテンが12μg含まれるニンジンがあった場合、実際に食品に含まれている量は違うのに吸収する量が同じになり、ビタミンAを摂るための目安になりません。そこで用いられるのが「μgRAE(レチノール活性当量)」です。

このレチノール活性当量(μgRAE)はレチノールの当量(その食品に含まれるそのままの量)とβ-カロテンの当量(その食品に含まれる量を1/12する)、その他カロテノイドの当量(その食品に含まれる量を1/24する)、その他カロテノイドの当量(その食品に含まれる量を1/24する)・・・というように全てを合計した数値で表されます。1日に必要なレチノール活性当量は600~900μgRAE(妊娠中では+400μgRAE)です。例えばニンジンは半分~1本程度食べるだけでも必要量を補給できます。ちなみに古い単位では「IU(1IU=レチノール0.3μgRE)」がありますが、これはビタミンAの量を正確に計測できなかった頃の単位であり、現在でも古い本にはこれが使われている場合があります。

●ビタミンD
脂溶性ビタミンの一つであるビタミンDはカルシウムの吸収を促す役割があり、それによって骨を丈夫にする事ができます。このビタミンDですが、実は太陽光(紫外線)に当たる事でコレステロール(脂肪)から合成する事ができます。よって日常的に外へ出て運動をしたり、散歩や日光浴をする事などが重要になります。環境や季節にもよりますが、大人では1日30分程度日光を浴びる事だけでも十分な量のビタミンDを作る事ができるそうです。一方、子どもは大人と比べてビタミンDの合成能力が弱く、また女性はカルシウムが不足しやすいため、更に長い時間日光を浴びる必要があります。

もちろんビタミンDは食事からも摂る事ができます。ビタミンDを多く含む食べ物というとイメージが付きにくいかもしれませんが、食品ではシラス干し(ちりめんじゃこ)、イワシ、ニシン、スジコなどに含まれており、特にアンコウの肝やシロキクラゲに多く含まれています。食品から摂る場合、1日に必要な量は6μg以上~多くて100μgまでとされています。例えばニシンなら2尾程度、シロキクラゲなら10g程度食べるだけで1日の必要量を補う事ができます。

●ビタミンE
ビタミンEはビタミンAやビタミンCと同じように抗酸化ビタミンの一つであり、活性酸素が増える事や脂肪の酸化を防ぐ効果があります。また抹消にある細い血管(毛細血管)を拡張し、体の隅々にまで血液を送る役割もあります。それによって体温調節機能も正常に保ち、冷え性を改善する事が期待できます。そんなビタミンEですが、食品ではあんこうの肝、魚類の卵全般、ウナギ、アユ(鮎)、タイ(鯛)、ナッツ類全般、イカ、カボチャ、カニなどに多く含まれています。1日の必要量は7.5mg以上ですが、脂溶性ビタミンであり必要量は多くないため、例えばアユなら1日1尾程度食べれば補う事ができます。ちなみにビタミンEはビタミンAやビタミンC、その他抗酸化に関わる栄養素(セレン等)と共存する事で安定化し、その抗酸化作用を更に高める事ができます。

●ビタミンK
ビタミンKはビタミンDと同じくカルシウムの吸収を促す効果があり、特に「血を固めるための凝固作用」がある事で知られています。例えば膝などを擦り剥いた時に出血してもその血は少しずつ固まっていき、時間が経過すればやがてカサブタになりますよね。その仕組みは血中にある「血漿」が空気中の酸素と反応する事で固まっているのですが、血液が固まる際に働く「プロトロンビン」という物質を作る際にこのビタミンKが使われているのです。もちろんこれは皮膚の外へ血が出た場合だけでなく、体の内部で起こる内出血でも行われています。ビタミンKが不足するとそのような出血において血の止まりが悪くなり、様々な怪我の治りが遅くなります。

ビタミンKは成人では不足する事はほとんどないと言われています。それは何故かというと、ビタミンKが「腸内細菌によって体内で作る事のできるビタミン」だからです。しかしそれは「腸内環境が整っていなければビタミンKを効率良く作る事ができない」という意味でもあります。よって腸内環境の悪化が、結果としてカルシウムの吸収を悪くしたり、怪我の治りを悪くしたりする事に繋がっていきます。

そんなビタミンKは食品では納豆、パセリ、海苔、青菜、ヨモギ、ホウレンソウ、小松菜などに含まれており、特に「ひきわり納豆」に多く含まれています。尚、食品から摂る場合では1日に必要な量は160μg程度と言われています。例えばひきわり納豆では1パックだけでなんと400μg以上も補う事ができます。ビタミンKは脂溶性ビタミンのため、それを毎日食べてしまうと過剰摂取のリスク(ただし副作用は殆どないとされている)が出てきます。よって3~4日に1回程度食べるか1回に食べる量を調節する事が重要です。




★ミネラル(無機質)について

ミネラル(無機質)は厚生労働省によって13成分が定められており、健康増進法に基づき食事摂取基準の対象となっています。具体的には「亜鉛」「カリウム」「カルシウム」「クロム」「セレン」「鉄」「銅」「ナトリウム」「マグネシウム」「マンガン」「モリブデン」「ヨウ素」「リン」の13種類の事です。「バランスの良い食事」とよく言われるのは、これらのミネラル全てが健康を維持するために必要不可欠だからであり、ミネラルをバランス良く摂るという事は体型を気にする気にしない以前の問題と言えます。

そんなミネラルは大きく2つに分けられます。それが「主要ミネラル」と「微量ミネラル」です。主要ミネラルは簡単に言えば「必要量の多いミネラル」の事で、健康を維持する上では毎日意識的に摂らなければなりません。一方、微量ミネラルは主要ミネラルと比べると必要量こそ多くないものの、やはり生きる上でなくてはならないミネラルと言えます。

<主要ミネラルについて>

●カルシウム
カルシウムは骨の形成、神経伝達、精神安定、筋肉の動作制御などに関わる重要なミネラルです。特に骨の主成分として使われており、これがなければ骨を作る事はできません。また主要ミネラルの中では必要量が多いミネラルの一つであり、成長期の子ども及び女性では意識的に摂っても損はないでしょう。

このカルシウムを多く含む食品としては乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルト等)、甲殻類(干しエビ、桜エビ等)、小魚類(アユ、シラス、ワカサギ、ししゃも、イワシ、メザシ、ニシン等)、ナッツ類(特にゴマ)、海藻類全般(ヒジキ、ワカメ、アオサ、コンブ等)、キノコ類(特にキクラゲ)などに多く含まれています。1日の必要量は成長期の子どもで1000mg(1g)以上、大人では800~多くて2500mgまで(0.8~2.5g)です。例えば牛乳1Lに含まれるカルシウムがだいたい1gですので、1日に牛乳を1本飲めば必要量を補う事ができます。ただし牛乳は脂肪分が多いため、牛乳だけでカルシウムを補おうとすると脂肪を摂り過ぎてしまいます。低脂肪及び無脂肪の商品を選ぶか、カルシウムを含む他の食品で置き換えて食べましょう。

●リン
リンは骨の形成や糖の代謝などに関わっていますが、特に骨に多く使われており、カルシウムと共に必要量が多いミネラルの一つです。しかしほとんどの食品に含まれているため、不足する事はほとんどありません。むしろ摂り過ぎる事の方が多く、摂り過ぎると骨のカルシウムを溶け出させると言われています。食品では加工食品全般、特に食品添加物に多く含まれており、リンを摂り過ぎないようにするためにはできるだけ「手料理」をする事が重要になります。

●カリウム
カリウムは筋肉の動作制御やナトリウム(塩分)の排出などに関わるミネラルです。カルシウムやリンと比べると必要量は多くありませんが、動物性の食品など塩分の多い食事をよく食べる場合には必要量が多くなります。また気温の高い日が続いたり、激しい運動をして汗を大量にかくと更に必要量が多くなり、不足すると筋肉の痙攣や熱中症などにもなりやすくなります。

尚、カリウムを多く含む食品としては、例えば野菜・果物全般(カボチャ、モロヘイヤ、シソ、ホウレン草等)、芋類全般(里芋、サツマイモ等)、大豆製品全般(特にきな粉と納豆)、魚類・貝類・海藻類全般(特にヒジキ、ワカメ、アオサ、コンブ等)、ナッツ類全般・キノコ類全般(特に椎茸)が挙げられます。1日の必要量は成人男性で3000mg以上(3g)、女性で2600mg以上(2.6g)です。例えばホウレン草一束で1800mg前後、カボチャやサツマイモは1個で1000mg前後、タケノコは1個(丸ごと)で2000mg前後補う事ができます。

●マグネシウム
マグネシウムは糖・脂肪・タンパク質の代謝に関わる様々な酵素の働きを助ける役割があり、特にカルシウムやリンなどと共に骨を形作る際に使われています。そのためカルシウムとマグネシウムはどちらか一方を摂り過ぎても効率良く骨に使われません。具体的にはカルシウム対マグネシウムを2:1の割合で摂るとお互いの吸収率を高める事ができます。

食品では海藻類(特にヒジキ、ワカメ、アオサ、コンブ等)、甲殻類・貝類(干しエビ、ナマコ、アサリ、ハマグリ等)、大豆製品全般(特にきな粉)、ナッツ類全般、キノコ類(特にキクラゲ)などに多く含まれています。一方、果物や野菜にはあまり含まれていません。ちなみに1日の必要量は350mg程度です。例えば納豆なら1パックで50mg程度、ヒジキなら1皿60mg程度、めったに食べない食品ですがナマコは1個で250mgも補う事ができます。

尚、マグネシウムに関しては口からの摂取でも吸収されにくく、常に不足の心配があるミネラルの一つです。前述の食品を定期的に食べるのと同時にサプリメントなどでも補給しましょう。またマグネシウムは皮膚からも吸収させる事ができ、疲労回復を促進させる効果や代謝を向上させる効果などがあると言われています。そのようなクリームや入浴剤(Amazonリンク - 硫酸マグネシウム)を利用する事もオススメです。

●ナトリウム
ナトリウムは様々な細胞の維持に使われており、特に代謝における「汗」に多く使われています。よって体温調節を正常に行うためにもナトリウムは必要不可欠なミネラルの一つと言えるでしょう。ただしナトリウムはいわゆる「塩分(正確には塩化ナトリウム)」の事であり、ほとんどの食品に含まれています。主要ミネラルなので必要量は多いのですが、常に摂り過ぎの心配があり、摂り過ぎると肥満の他、動脈硬化など様々な病気になるリスクが高まります。現代人は不足する心配はないためむしろ抑える事が重要であり、決して意識的に摂る必要はありません。塩分の多い食事を摂る習慣がある人は前述したカリウムを摂るようにしましょう。

ただし例えば真夏日などに激しい運動をして大量の汗をかくと、一時的にナトリウムが不足する事があり、熱中症になりやすくなったり、筋肉が攣ったり(それが心臓で起これば心臓細動が起こる)する事があります。その場合にはナトリウムなどのミネラルが含まれたスポーツドリンクなどを飲みましょう。

<微量ミネラルについて>

●鉄
いわゆる「鉄分」は主に酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンの材料などに使われており、不足すると単純に貧血になりやすくなります。全身の細胞に酸素を運ぶために必要なため、不足すると酸素不足により細胞が正常に機能しなくなる可能性があります。よって微量ミネラルの中でも比較的必要量の多いミネラルの一つと言えるでしょう。食品では特に豚のレバーに多く含まれ、その他鶏のレバー、貝類全般・甲殻類(特に干しエビ)、大豆製品全般・ナッツ類全般、海藻類(特にヒジキ)などにも多く含まれています。1日の必要量は男性で10mg以上、女性では14mg以上です。例えば豚レバーなら100g程度で1日分の鉄を補給できます。

ちなみに鉄には動物性の食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。この内、ヘム鉄は体内においては吸収率が良いため優先的に使われ、逆に非ヘム鉄はそのままでは吸収率が悪いため、ビタミンCによって吸収を促してから利用するという特徴があります。

●亜鉛
亜鉛はタンパク質の合成やホルモンバランスの調節に深く関わっており、特に成長ホルモンを分泌させる際に使われるミネラルです。ですので微量ミネラルの中でも特に美容に必要なミネラルの一つと言えるでしょう。しかし微量ミネラルの中では必要量が少ないため、過剰摂取(亜鉛中毒)のリスクが常にあります。摂り過ぎると逆にホルモンバランスを崩し、肌荒れを悪化させる事などがあるため意識的に摂る場合には十分な注意が必要です。

そんな亜鉛ですが、食品では特に牡蠣に多く含まれ、その他では豚のレバー、牛肉、ナッツ類全般などにも多く含まれています。1日の必要量は10mg程度(サプリメントを利用している場合はそれ以下)です。例えば牡蠣なら5個程度食べるだけで必要量を補う事ができます。

●銅
銅は様々な酵素の材料として使われており、特にヘモグロビンを合成する際に関係するミネラルです。そのため成長期の子どもや女性では必要不可欠なミネラルの一つと言えますが、これも亜鉛と同じように必要量が少ないため、常に過剰摂取(銅中毒)の心配があります。ほとんどの食品に含まれており、よっぽど酷い貧血が続いている人以外では意識的に摂る必要はないでしょう。尚、食品では特に牛のレバーに多く含まれ、その他海産物全般(貝類、魚類、海藻類、甲殻類他)、大豆製品、ナッツ類などにも含まれています。1日の必要量は1mg~多くて10mgまでです。

●マンガン
マンガンも様々な代謝に関わるミネラルです。特に微量ながら骨に使われており、カルシウム・リン・マグネシウムなどと同じく、骨を丈夫にするために必要不可欠なミネラルの一つです。ただしこれも必要量が多くなく、また多くの食品に含まれているため、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はほとんどありません。尚、食品では特に生姜、凍り豆腐、キクラゲに多く含まれ、その他海産物全般(貝類、魚類、海藻類、甲殻類他)などにも含まれています。

●クロム
クロムは血糖値のコントロールに関わる「インスリン」というホルモンの補助などとして働く重要なミネラルです。しかし多くの食品に含まれており、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はめったにありません。ちなみにボディビルダーのように筋肉を鍛えている人では、インスリンの分泌量を増やす(糖をエネルギーとして細胞へ取り込ませる)ためにクロムを含むサプリメントを利用している人もいます。

●ヨウ素
ヨウ素も様々な代謝に関わっていますが、特に新陳代謝に関わる「甲状腺ホルモン」の分泌に必要なミネラルです。ただし甲状腺に蓄えておく事ができ、また海産物を食べる習慣のある日本人では摂取する機会に恵まれているため、不足する事はほとんどありません。食品では海産物全般(貝類、魚類、海藻類、甲殻類他)に含まれています。

●セレン
セレンは抗酸化作用などに関わるミネラルで、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどと共に働いています。しかし多くの食品に含まれており、また必要量も少ないため、意識的に摂る必要はありません。

●モリブデン
モリブデンは尿酸を作る酵素の補助などに関わっています。しかし多くの食品に含まれており、バランスの良い食習慣をしていれば不足する事はめったにありません。