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2018年5月23日水曜日

どうして目が回るの?

目から入ってきた色や光に関する情報は電気信号へと変換され、それが脳で処理される事で初めて映像として認識する事ができます。つまり脳で映像を認識するためには対象となる映像を目の中心でしっかり捉える必要があり、目は常に対象を中心に捉えようと動いているのです。よって目の前の映像が猛スピードで動いた時にはそれを必死に目の中心で追おうとするため、それに釣られて目が左右に痙攣するようになります。これがいわゆる「目が回った状態」です。この状態になると自分が回るのを止めてもしばらく目が左右に痙攣したままになります。それによって視界が左右に揺れ続ける訳です。

また人間は様々な情報を元に自分の体の状態(地面や天井はどこにあるのか、自分は静止しているのか、自分はどの程度の速さでどの方向に移動しているのか、体の各部位はどこに位置しているのかなど)を把握していますが、視覚から得られる情報はその多くを占めています。そうして目が左右にブレてしまうと、脳へ送られる映像もそれに合わせて大きく揺れるようになります。その結果、そのメチャクチャな映像を処理しようとして脳が混乱状態となり、自分の体が今どういう状態なのかが分からなくなります。それにより目眩などを引き起こして立っていられなくなるのです。

ちなみに平衡感覚を司る三半規管は脊椎動物全般にあるため、人間と同じように目が回る事があります。種にもよりますが、例えば犬、ネズミ、カンガルー、象などの哺乳類、トカゲなどの爬虫類、カエルなどの両生類、サメなどの魚類には三半規管があるため、「通常の生活ではあり得ないような高速回転」をさせる事ができれば、目を回して真っ直ぐ歩く事ができなくなるでしょう。哺乳類以外では鳥類にも三半規管がありますが、地上で暮らす動物とは違って相当に発達しており、全く目が回らない訳ではありませんが非常に目が回りにくいと言えると思います。

一方、昆虫ではそのような三半規管が存在しないため、重力の方向や太陽の方向を間違えて多少体の向きを変えるような事はあっても、人間のように目が回ってふらつくような事はおそらくありません。また猫などのように視力自体は良くなくても近くの動体視力に特化しているような動物では、高速な映像にも対応する事ができ、目が回りにくくなっています。