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2018年4月5日木曜日

足腰を強くするための走り込み、実際効果ある?

いわゆる「走り込み」を「長距離走あるいは短距離走をただひたすら繰り返す」とした場合、走り込みは日本のスポーツ界において「基本」とされてきた練習であり、体づくりのためには必須とまで言われてきたトレーニング法でした。しかし最近では、走り込みはあまり効率の良いトレーニングとは言えず、他のトレーニング効果を打ち消し、むしろ筋肉を萎ませてしまうとまで言われるようになってきています。

「足腰を強くする」には「筋力を強化する」必要があります。つまり走り込みも「筋力を強化する」という目的で行う訳です。しかし筋力を強化するためには筋肉に大きな負荷をかけて筋肥大を狙う必要があり、その点で走り込みはあまり効率の良いトレーニング法とは言えません。確かに走り込みを行う事で「走る」ための技術は身につくかもしれませんが、筋力を強化するという目的では、特定の部位に大きな負荷をかけられるウェイトトレーニングの方が適しており、必ずしも「走る」という運動は必要ないのです。

もし走り込みによって足腰の強化、すなわち「筋力の強化」を狙う場合には、短い距離を全力疾走もしくはそれに近いペースで走る必要があります。また一本走ったら完全休養を取り、十分に呼吸が整ってから次の一本を走る必要があります。もちろん心肺機能の強化が目的(インターバルトレーニング)の場合、完全休養ではなく不完全休養(全力の走り込み+低速のランニングを繰り返す。ただし心身への負担が大きく、オーバートレーニングに繋がるため頻度には注意する必要がある。)を取る必要がありますが、何度も言うように「筋力の強化」が目的で走るのですから、ウェイトトレーニングと同じように休憩を挟みながら行うべきでしょう。「何を休んでいるんだ」などと指導者が怒る光景もよく見られますが、決して連続して走る必要はありません。もちろん短時間で済ませ、ダラダラと何本も走る必要はありません。

尚、長い距離を長い時間かけて走り続ける場合、筋持久力を強化する目的があります。またそれをゆっくりとしたペースで行えば脂肪の燃焼を促す事もでき、余分な脂肪を削ぎ落としたり、脂肪の代謝を向上するためには一定の効果があると思われます。ただしそのような走り込みでは筋肉に大きな負荷がかけられないため、当然足腰の強化及び筋力の強化には繋がりません。その他、全身持久力に関してはそのような走り込みでも向上が望めますが、特定の部位における筋持久力に関してはウェイトトレーニングでも十分鍛える事が可能であり、その点でも走り込みに拘る必要はありません。

「走り込みは意味がない」というのは、おそらくそのように「明確な目的がなくただ走り続ける事」を言っているのだと思われます。そのような走り込みをするのであれば、他のトレーニングをした方が効率的というのはまさしくその通りです。日本人はよく「同じ動作をひたすら繰り返す」事を「努力」と評します。確かに技術の向上には、その動作を覚えるまで同じ動作を何度も繰り返す必要があります。しかし筋力の強化においては、ただ同じ動作を繰り返すだけでは効率的な強化は望めません。もっとも技術の向上に関しても、実際に体を動かして練習をしている時間だけ努力するのでは、効率的な向上は望めないはずです。実際に体を動かす前に「どのように体を動かし、どのように練習したら良いのか」を考え、目的をはっきりさせてから行う事が重要です。