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2018年4月12日木曜日

頑張れば鬱病から抜け出せる?

●鬱病=甘え?

鬱病というのは神経伝達に関係する物質のバランスが崩れる事によって起こると言われています。特にセロトニン、メラトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどといったホルモンが関係しているとされています。これらのバランスが崩れると、神経伝達がスムーズにできなくなったり、あるいは逆に不必要に神経伝達が行われたりする訳です。それによって例えば自分の感情が抑えられなくなって起伏が激しくなったり、逆に何に対しても無感情のようになったり、またストレスに対して過敏に反応し恐怖を感じたり、逆にストレスに対して無反応になったりします。それが長期に渡って繰り返されるのが鬱病の特徴です。

人間は「脳のこの部分をこのように働かせる」という事が意識的にできるでしょうか。おそらくどんなに頭の良い人でも不可能に近い事ですよね。すなわち鬱病になってしまった原因はどうあれ、それを本人の純粋な努力だけでどうにかしようとするのは無理な話です。症状を抑えて治療を続けていくにはどうしても周囲の理解が不可欠です。しかし日本の社会においては未だに「甘え」などとして扱われており、一向に理解が進んでいません。


●心の病気と運動

個人・集団に関わらず、体を動かす事は様々な心の病気に効果があると言われています。

まずセロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、昼間の活動力の源になります。すなわち運動を行ってこのホルモンが分泌されれば、筋肉だけでなく脳や臓器なども活性化させる事ができます。更にセロトニンには達成感を司るドーパミン、ストレス耐性に関係するノルアドレナリンの分泌をコントロールする働きがあります。つまり運動を行ってセロトニンが分泌されるとドーパミンやノルアドレナリンの分泌バランスも整い、精神的に落ち着く事ができるのです。尚、運動はそれ自体でノルアドレナリンもドーパミンも分泌させますが、あまりに激し過ぎると逆にストレスが大きくなってしまいます。そのバランスが非常に重要です。いくらセロトニンを分泌させてもドーパミンやノルアドレナリン、その両方または一方が過剰分泌あるいは極端に減少してしまったら意味がありません。運動だけに頼ったストレスコントロールはNGです。

続いてセロトニンから作られるメラトニンは睡眠導入ホルモンで、睡眠の質を高める事ができます。つまり運動を行ってセロトニンが分泌されればメラトニンも釣られて分泌され、自然と深い睡眠を摂る事ができるようになります。ただし遅寝・毎日寝起きの時間がバラバラ・3時間程度の睡眠等では意味がありません。規則正しい睡眠を心がけましょう。更にそのメラトニンは男性ホルモンや女性ホルモンの分泌もコントロールする事ができ、両方または一方が過剰分泌あるいは極端に減少する事を抑える事ができます。男性ホルモンが正常に分泌されれば筋肉が発達しやすくなり、女性ホルモンが正常に分泌されれば脂肪の代謝が適切に行われます。それにより外見も健全になり、男性は男性らしく、女性は女性らしくなります。

そして心身にストレスがかかると血糖値が上がりやすくなります。これは成長ホルモンやグルカゴンといった血糖値を上げる働きのあるホルモンが、ストレスをきっかけにして分泌されるからです。つまり心の病気でストレスコントロールができていない人では、例え糖の多い食事をしなくても血糖値が上がりやすい状態になっているため、その状態で食事をすれば必要以上に糖を体の中に取り込む、または取り込めずに血中に溢れさせる事になります。余った糖は脂肪になり、また細い血管を詰まらせます。しかし適度な運動を行ってセロトニンが分泌されていれば、前述のストレス耐性に関わるノルアドレナリンが適切に分泌されており、それによってストレスを以前より上手くコントロールする事ができます。つまり運動によるストレスは「自然なストレス」と言え、ストレスコントロールによって血糖値もコントロールする事ができるようになります。

更に、運動で筋肉にストレスを与えると筋肉は成長して大きくなり、糖の代謝が上がります。筋肉は糖を蓄える事ができ、その糖をエネルギーにして動かします。つまり筋肉を大きくする事ができれば筋肉が糖の逃げ道になる訳です。また前述の血糖値を上げるグルカゴンは血糖値を下げるインスリンを分泌させるきっかけになるため、インスリンが正常に分泌されればますます血糖値のコントロールが容易になります。血糖値がコントロールできれば、もちろん限度はありますが、多少食事の量を増やたとしても肥満や糖尿病等を予防できます。尚、インスリンは糖と一緒にアミノ酸を細胞へ取り込んでいます。それによって筋肉の成長をサポートする他、余ったアミノ酸は脂肪になるためやはり肥満予防に繋がるはずです。

このように運動を行う事は心身にとって良い事だらけです。運動は家の中で誰にも見られる事なく自分の体さえあればできます。ただし前述してきたように運動、食事、睡眠は全て繋がっており、どれか一つ改善しても意味はありません。また運動をする事も万能ではありません。自覚があるない関係なく、気分が沈んでいるなら無理をせずに家族やお医者さんに相談しましょう。