2017年11月14日火曜日

「豆知識集42」それぞれの臓器・組織(用語等)の役割

この記事では人体に存在するそれぞれの「臓器」や様々な「組織(よく聞く体に関する用語等)」について私なりにまとめています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/11/14)


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人体に存在する臓器の役割について簡単に

●心臓

心臓は全身へ血液を循環させる機能を持つ臓器で、全身の細胞へ血液を送る役割があります。心臓は「筋肉」であり、腕や足などと同じ「横紋筋」の一種です。しかし心臓の筋肉は「心筋」と呼ばれる特別な筋肉であり、自分の意志では動かす事ができず、常に自律的に収縮・伸展を繰り返します。これによって継続的に心臓内の血液をポンプのように送り出しており、間違いなく人間が生きる上でなくてはならない臓器と言えるでしょう。

心臓にある細胞は常に自律的に動いているので、例えば心臓から切り取った細胞は例え血液が循環していなくても、内部に残っていたエネルギーを使って自律的に脈動を続ける事ができます。しかししばらく経つとやはりエネルギーが切れて脈動が停止し、その細胞は死んでしまいます。つまり心臓の細胞が生き続け、自律的な脈動を続けるためには、血液を通して酸素やブドウ糖といったエネルギーを受け取り続ける必要がある訳です。また二酸化炭素や古くなった細胞の破片などの老廃物も、心臓内に溜まらないよう常に排出し続けなければなりません。

よって、もし一時的にでも心臓にある血管が詰まると、そこから先にある細胞がすぐに死んでしまい、自律的な脈動が止まってしまいます。心臓に限らず「筋肉」はエネルギーを使って生み出した電気信号によって収縮していますが、ポンプのように血液を送り出すには上から下、下から上へというように、スムーズに電気信号が送られなければなりません。つまり最も太い血管である冠動脈が詰まる事はもちろん深刻ですが、そこから枝分かれした細い血管が詰まるだけで、心臓は正常な脈動を行う事ができなくなるのです。

心臓内は左右で区切られており、上部から右心房、左心房、その下に右心室・左心室があります。右心房は上から繋がる上大静脈、下から繋がる下大静脈と繋がっており、そこから流入する静脈血を右心房→右心室と送り、そこから心臓の中央付近にあり肺に繋がる肺動脈へと送り出します。右心室と右心房は弁で区切られており、逆流しないようになっています。また肺動脈は静脈血が流れる唯一の動脈で、勢い良く肺へ送り出し、肺へ二酸化炭素を速やかに排出します。その後、肺から酸素を補給された血液は今度は動脈血となり、肺静脈を流れて再び心臓に送られます。かなりややこしいですが、肺では動脈内を静脈血が流れ、静脈内を動脈血が流れます。そして肺静脈は心臓の左側にある左心房から入り、その下にある左心室へと送られて、心臓の中央付近から大動脈へ送られます。こうして全身へと運ばれる訳です。

心臓は体の左側にありますが、それは左側から酸素を含んだ血液が大量に流入するためです。しかし電気信号が最初に生まれる場所は心臓の右側上部にある右心房の上側(洞結節)にあります。そこから発生する電気信号を心房全体に伝えながら、まず右心房と右心室の境にある「房室結節」に伝わり、続いて右心房と左心房の中央にある「ヒス束」に伝わります。そのまま心臓の中央を通って心臓の下側にある「脚」という部分まで行くと、そこから細かく枝分かれして心室を覆うように全体へ伝わります。すなわち心臓は「上から下→下から上」という順で動いており、この柔軟な動きによってポンプを実現している訳です。ちなみに心電図はこの伝わり方を表しています(例えば1回の脈動で一番尖って見える部分では脚に電気信号が伝わっている=右心室・左心室が収縮)。

尚、勘違いされる事が多いのですが、心臓はあくまで血液を送るだけであり、血液自体を作る機能はありません。主に血液を作るのは骨の中にある「骨髄」と呼ばれる組織です。また心臓は自分の意志で動かす事はできませんが、感情によって大きな影響を受けます。例えば恐怖や怒り、緊張を感じた時には脈動が速くなりますし、リラックスしていたり眠気や疲労を感じている時には脈動は遅くなります。もちろん単純に運動を行って大量の血液が必要になった時には心臓の脈動は速くなります。脳は心臓を止めるような命令を出す事はできませんが、そのように脈動の速さを状況に応じてコントロールしています。

これは余談になりますが、前述のように心臓は電気信号によって動いているので、外部から大きな衝撃を受けるとその電気信号が乱れ、一時的に心臓がスムーズに動かなくなったり、場合によっては止まってしまう事があります。これを「心臓震盪」と呼び、それに伴う心臓の脈動の乱れを「心室細動」「心房細動」と呼びます。実際に左胸の正面からパンチを受けたり、野球ボールが当たる事で心臓が止まったという事例があります。




●肝臓

肝臓はお腹の右上付近(右の肋骨)に位置している臓器で、実は人間の臓器の中で最も大きな臓器(1~1.5kgほど)です。口から入ってきた食べ物は胃や腸で消化・吸収された後、一旦肝臓へと運ばれます。殆どの栄養素はこの肝臓内にある様々な酵素によって処理され、人間の細胞が利用できる形にしてから全身へ運ばれます。またその際には人間にとって不要な異物や毒物を分解・処理して排出を促すという事もしています。そのため肝臓も人間が生きる上でなくてはならない臓器と言えるでしょう。また肝臓は十二指腸内で脂肪を消化・吸収するための酵素である「胆汁」を作る役割もあり、それを胆管を通して「胆嚢」へと送っています。このため肝臓の機能が低下すると脂肪の代謝も低下する事になります。

肝臓はよく「沈黙の臓器」と呼ばれますが、これは肝臓内にある一部の細胞に異常が出ても、その他の細胞で代替できるほど元々の能力が高いからです。そのため1日2日暴飲暴食をしたぐらいで肝臓が深刻なダメージを受ける事は殆どありませんが、「体調が悪い」と自覚できる頃には既に肝臓内にある多くの細胞が悪くなっていて、病院に行っても「手遅れ」というケースが多いのです。前述のように肝臓は食習慣の積み重ねによる影響を強く受ける臓器なので、肝臓を健康に保つ=長寿のためには長期的な食習慣の改善が必要(ただし前述のように栄養素の代謝に関わるので、睡眠・運動習慣の改善やストレスコントロールも重要)です。

これは余談になりますが、ボクシング等の格闘技では相手の右脇腹付近を狙うパンチの事を「レバーブロー」と呼びます。肝臓は一応肋骨で守られていますが、お腹の前面とは違って厚い筋肉がありません。また内臓の周囲には神経が密集しているので、そこに大きな衝撃が加わると電気信号が遮断及び激しく乱れ、一時的に呼吸ができなくなります。肝臓の内部には痛覚はありませんが、お腹全体を覆っている腹膜には痛覚があるので、そこに損傷が及ぶ事では痛みを伴います。尚、左右にある肋骨の中央、いわゆる鳩尾(みぞおち)の奥(胃の後ろ側付近)には臓器へ電気信号を送るための神経が密集している場所があり、また呼吸に必要な横隔膜もあるので、ここに大きな衝撃を受けると呼吸困難と共に激しい痛みを伴います。どちらも急所であり、格闘技においては狙うポイントの一つです。

●腎臓

腎臓は腰の上(背中側、横隔膜の下)に左右それぞれ1つずつある臓器で、ソラマメのような形(縦10cmほど)をしています。特に体の中を回ってきた血液・水分等を濾過し、尿を作って老廃物を体の外へ排出しています。また同時に体に必要なものは再吸収する事ができ、いわば「フィルター」のような役割を持っています。腎臓は体の中を巡ってきた様々なものが到達する最終地点とも言え、老廃物を体の中に残さないという点で非常に重要な臓器です。

尚、ナトリウムの過剰摂取で血圧が上がるのは、脳下垂体から分泌されたバソプレシン(抗利尿ホルモン)により、腎臓内における水分の再吸収が促進され、それによって血液中の水分量が増え、心臓の脈動が強くなるからです。現代人はナトリウムを摂取する機会が多く、知らず知らずの内に腎臓へ負担をかけてしまう事があります。また前述のように腎臓は最終地点とも言える場所なので、体の様々な組織で処理しきれなかったものが多くなるほど負担が増えます。腎臓へ負担をかけないためには、腎臓へ至るまでに消費できるものは消費し、できるだけ処理量が少なくて済むようにする必要があります。特に胃腸と肝臓の長期的な不調、そして運動不足には十分な注意が必要です。

その他、腎臓には腎臓内に流入する血流が不足した際、血管を収縮させて血圧を上昇させる機能もあります。血圧の急激な上昇は前述のようにナトリウムの過剰摂取の他、急激な気温の低下、心身の興奮、加齢による血管の衰え等によって起こる事がありますが、腎臓へ続く血管が何らかの原因で詰まったり、他の用途に大量の血液が使われたりして腎臓内の血液が不足する事でも血圧が急激に上昇する事があります。高血圧の原因は意外にも腎臓にあるかもしれません。




●膵臓

膵臓は胃の後ろ側にある小さく薄い臓器で、特にインスリンを分泌させる役割がある事でよく知られています。インスリンは人体では唯一血糖値を下げる働きを持つホルモンで、糖を細胞へ吸収させる役割を持っています。つまりインスリンを分泌させる膵臓がなければ細胞はエネルギーを得られず、その機能を失ってしまいます。そのため人間が生命活動を続ける上で非常に重要な役割を持つ臓器の一つです。

その他、インスリンの影響で血糖値が下がり過ぎないようにするために血糖値を上げる働きを持つグルカゴン、成長ホルモン・インスリン・グルカゴン・胃腸等の働きを抑制するソマトスタチンなどを分泌する機能があります。また膵臓は膵液を作っています。膵液は糖、蛋白質、脂質を全て分解する事のできる重要な消化酵素であり、それを膵管を通して十二指腸へ送って消化・吸収を促すという事もしています。

膵臓はそのように非常に重要な役割を持ちながら、一度悪くなっても早期発見・治療が難しい臓器でもあります。まず膵臓はインスリンを分泌するので、膵臓が悪くなると血糖値が上がりやすくなります。これにより糖の吸収が悪くなって膵臓を含むあらゆる細胞の機能が低下し、長期的に頭や体が重く感じたり、単純に体重が減少しやすくなります。しかし一方で膵臓は血糖値を上げるグルカゴンも分泌しているので、膵臓が悪くなるとグルカゴンの分泌が悪くなって逆に血糖値が下がりやすくなる事があります。日本人は血糖値が高い=健康に悪いという事は知っていますが、血糖値が低過ぎる=健康に悪い事は意外と知られていません。つまり血糖値の上がり幅ばかり注意し、糖質の多い食事が原因と決めつけ、血糖値の下がり幅=膵臓の異常を見逃してしまう事が多いのです。

その他、自覚できるであろう症状としては、例えば食後急に血糖値が高くなる事で眠くなったり、それが起こった後今度は急に血糖値が下がる事で目眩や頭痛等を伴う事があります。しかしこれはどこも悪くない健康な人でも起こり得る事であり、そもそも「血糖値」というのは数値として見なければ分からないものですから、食後眠くなり頭痛が起こる=血糖値が原因=膵臓が悪い?とは誰も気づきません。長年膵臓が悪く、血糖値を常時チェックしている人はまた別ですが、健康な人にとって食後に起こる症状が当たり前であるほど、それが血糖値が原因=膵臓が悪い?と自分で気づく事は難しくなるでしょう。またそのように「血糖値の上昇が原因で食後眠くなる」という症状が出ていればまだ良いのですが、それがない人では何の症状も出ないという事ですから、その場合には膵臓が悪いと自覚する機会すらありません。

しかも膵臓は一度癌になると他の臓器へ転移しやすいという特徴も持っています。これは膵臓の近くに様々な臓器、血管、リンパ、神経、骨等が密集しているからで、運良く早期に発見できたとしても既に他の組織に転移しており、長期的な治療が難しいのです。よって膵臓癌は早い段階で手術で取り除いてしまう事が一番効果的なのですが、前述のように膵臓が小さくて薄く、胃と背骨の間にあるので、悪くなった部分だけ取り除く(膵臓そのものを取り除く訳には行かず、既に周囲へ転移している事が多いため移植も難しい)にも非常に高い技術が必要になります。これが膵臓の厄介な所です。

●脾臓

脾臓は左肋骨の上側付近(左の上腹部)に位置する小さな臓器です。大きさは10cm程度と大きくありませんが、血液を溜めて免疫に関わるリンパ球(特定の分子に結合しそれを無効化する)を成熟させたり、古くなった血球を破壊する機能を持っています。また血液は主に骨の中にある骨髄という組織で作られますが、何らかの原因で大量の血液が必要となった時には脾臓内でも血液を作る事があります。例えば食後においては消化・吸収のために胃や腸、肝臓などへの血流が増える事になりますが、この時に激しい運動を行うと筋肉や肺といった運動に必要な組織への血液が一時的に足りなくなる事があります。このため脾臓内に蓄えておいた血液を使う事があり、いわゆる「横っ腹が痛い」という状態になります。

尚、脾臓は他の臓器で機能を代用する事ができるため、摘出しても直ちに健康に害が出る事はありません。ただし前述のように免疫に対しては一定の役割を持っていると考えられており、摘出すると感染症(例えばインフルエンザなど)に罹った際に重症化しやすくなると言われています。




●肺

肺は空気中から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するための臓器です。口から入った空気は気管を通り、そこから左右に枝分かれした気管支を通って肺へと送られます。肺の内部には「肺胞」と呼ばれるブドウのように密集した小さな組織がたくさんあり、気管支は更に細かく枝分かれしてそれぞれの肺胞に繋がっています。肺胞は空気と血液との間でガス交換を行い、肺胞内に溜まった酸素を血液中に取り込み、また血液中に取り込まれた二酸化炭素を肺胞内へ排出する事ができます。これは血液中のヘモグロビンが一定の酸素分圧中で酸素と結合する性質があるためで、これによって空気中の酸素を血液に取り込む事ができるのです。尚、肺は胸の左右に1つずつあり、その下は横隔膜で仕切られるような形になっていますが、肺は左右対称ではなく、左の肺の方が心臓がある分少しだけ小さくなっています。

一方、二酸化炭素は元々酸素よりも空気中に含まれる量が少ないため、肺胞内に入る二酸化炭素の量も少ないです。もちろん一部の二酸化炭素は肺胞内に入りますが、二酸化炭素は酸素よりも水に溶けやすいため、赤血球よりも主に血漿に溶けて全身へと運ばれます。二酸化炭素は水に溶けると炭酸になるので、例え肺胞内から血漿に溶けても使われる事なくそのまま血液に乗せて運ばれます。そして酸素が使われた結果として生まれた二酸化炭素と合わせて、再び肺胞に戻ってきて二酸化炭素分圧の低い肺胞内へ排出されます。ちなみに例えば一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと強く結びつくため、酸素よりも優先して取り込まれ、これにより酸欠になります。

しかし空気に含まれるのは酸素や二酸化炭素だけではありません。この他の人体にとって不要な物質や有害な物質は鼻・口・喉の粘膜の表面にある粘液で絡め取られ、痰や鼻水として体の外へ排出したり、あるいはそれを胃や腸の中へ送って溶かす事で、できるだけ肺の中に入らないようにしています。また気管に入ったとしても咳などによって排出を促され、気管や肺の中は常に清潔に保たれます。更に、万が一肺胞内から血液中に入ってきたとしても、リンパ球や白血球などの免疫細胞によって無害化されますし、肝臓や腎臓などによっても無害化されます。

●食道

食道は口から入ってきた食べ物を胃へと運ぶ役割を持つ臓器です。食道は食べ物が入ってくるとその周囲の筋肉が収縮し、それを順に下方向へ繰り返す事で胃へと運びます。これを「蠕動活動」と言います。この際の収縮は自律神経を通じて不随意的に行われますが、液体では数秒、固体でも数十秒程度で胃へ送る事ができます。またその表面には粘液があり、食べ物の滑りを良くする他、異物がある場合にはそれを絡め取って口から外へ排出したり、一緒に胃へ送って溶かす免疫機能もあります。

尚、喉付近の粘膜は非常に敏感ですが、食道にある粘膜は鈍感で、味、温度、痛みなどを殆ど感じません。それ故に何らかの違和感を抱いた時には、実は既に悪くなっているという事があります。例えば元々辛い食べ物、温度の高い食べ物、アルコールなどに強く、それを日常的に食す習慣がある人では、自分では平気だと思っていても、実際には舌の上、口の中、食道へダメージが蓄積されているという事が結構あります。




●胃

胃は食道から運ばれてきた食べ物を消化・分解、続く十二指腸へ送る役割を持つ臓器です。胃の大きさは個人差がかなり大きいですが、何も食べ物が入っていない時には拳程度の大きさしかなく、満腹状態では1リットル以上の容量を有します。胃の入口と出口はやや狭くなっていますが、そのように胃はゴムのように伸び縮みする事ができるので、一度に大量の食べ物を食べても一気に消化する事ができます。

胃の中にある食べ物を消化するための消化液は塩酸を含む強力な「胃液」で、副交感神経から分泌されるアセチルコリンやアレルギー・炎症反応に関与するヒスタミンなどの刺激によって分泌されます。特に胃液は蛋白質を分解し、吸収しやすい形にする事ができます。ただしあまりに強力で、そのまま分泌すると胃の壁にある蛋白質をも溶かしてします。しかし胃の壁は何層も重なっており、特に表面の粘膜は粘液で覆われています。また実は酸性になり過ぎないよう、重曹も作られており、これらによって胃は守られています。そのバランスが崩れると胃の壁が溶かされ、胃潰瘍などになります。

●十二指腸・小腸

十二指腸は胃と小腸及び大腸を繋ぐ臓器で、胃では消化・分解し切れなかった食べ物を更に消化・分解する役割を持っています。十二指腸は栄養素の吸収に特化しており、膵臓から分泌された膵液や肝臓で作られた胆汁などを使って分解し、腸の表面にある絨毛から様々な栄養素を吸収します。特に膵液が重要で、糖・蛋白質・脂肪をまとめて分解する事ができます。また十二指腸では酸性化したものを中和するための粘液も分泌しており、これによって十二指腸の表面を守っています。

十二指腸はその後「空腸」そして「回腸」へと続き、これらを合わせて「小腸」と呼びます。空腸の前部では前述のように十二指腸と同じ活動が見られますが、空腸から回腸と進んでいくとそれが少しずつ沈静化していき、回腸の最後では殆ど見られなくなります。しかし空腸と回腸にはリンパ組織が密集しており、リンパ球などの免疫細胞を作っています。更に腸には異物を「異物」と判断して吸収させず、また仮に吸収しても再び腸内へ排出する機能もあり、これらにより小腸は免疫機能において非常に重要な役割を持っています。

尚、妊娠中では分泌される女性ホルモンの一種「プロゲステロン」の影響で、腸内の蠕動活動が抑制されます。また胎児が大きくなってくると腸が圧迫され、その活動が制限されます。これにより腸内を通る消化物をゆっくり通過させる事ができるので、様々な栄養素の吸収率が高まるようになります。逆に言うと服用している薬の効果が出やすくなるという事であり、人によっては副作用が強く出るようになる事もあるので注意が必要です。

●大腸

大腸は回腸の先に繋がっている臓器で、主に便を作る役割を持っています。大腸は上行結腸→横行結腸→下行結腸と続き、最後に直腸から肛門へ繋がっています。上行結腸は上方向に行かなければならないため、蠕動活動によって上へと運びますが、回腸と繋がる最初の部分に弁があり、万が一大腸内の便が小腸へ逆流しないようにしています。この弁がある場所は「盲腸」と呼ばれており、盲腸から下へ補足伸びた「虫垂」はリンパ組織として免疫機能に関与していると考えられています。ただし人間では退化していて他で代用できる他、炎症を起こしやすい場所でもあるので取っても健康上何の問題ありません。

大腸は前述のように便を作る役割を持っています。大腸には水分を吸収する機能があり、大腸内の様々な細菌が食物繊維を発酵・分解する事でそれが便の元になります。このため大腸内に来た時点での水分量や食物繊維の多さ、大腸にある細菌の量やその活動、大腸による水分の吸収率の高さが便の硬さに大きな影響を与えます。ちなみに便秘の際や激しいウイルス性の風邪ではいわゆる「浣腸」をする事があります。浣腸がどうして効果があるのかというと、これは大腸の水分を吸収する機能を利用して水分と一緒に薬剤を吸収させたり、あるいは敢えて吸収させず腸内だけに作用するようにしているからです。




人体に存在する組織(用語)について適当に:現在編集中

●血管と血液

血管は心臓から出た血液が勢い良く流れる動脈と、心臓へ戻る血液が流れる静脈があり、どちらも内側から内膜(内皮)、中膜(平滑筋)、外膜の三層構造になっています。特に動脈では自律的に収縮して血液を送るための中膜が発達しており、内膜と中膜及び中膜と外膜の間には弾性組織があります。また太い血管では大量の血液が流れて大きな圧力がかかるため、それぞれの膜が分厚くなっており、中膜と外膜の間には栄養を補給するための栄養血管があります。尚、末端を繋ぐ毛細血管は内皮のみで構成されています。

血管に関連するサプリメントとしてはアルギニンとシトルリンがよく知られています。アルギニンは尿素回路においてアンモニアを解毒する際に使われるアミノ酸ですが、この解毒の際には一部のアルギニンから一酸化窒素(「NO」と呼ばれている)が作られます。この一酸化窒素には血管を拡張する作用があり、これにより血管内を流れる血液の量を増やし、抹消の血流を改善する事ができます。一方、シトルリンも尿素回路に関係するアミノ酸で、体内では一部のアルギニンがこのシトルリンから作られます。また同じく尿素回路に関係するアミノ酸のオルニチンも、その一部がアルギニンを作る際に使われます。そのためアルギニンを摂取する際にはシトルリンやオルニチンも一緒に摂取した方が効果的です。ちなみに一酸化窒素は免疫に関与するマクロファージが病原体を捕食する際にも作られ、増え過ぎると低血圧の原因になると言われています。

一方、血液はその血管内を流れる液体の事で、全身の細胞へ酸素、栄養、水分、ホルモン、体温等を送り、逆に老廃物や二酸化炭素等を、それを処理・排出するための臓器・組織へと送る役割があります。また血液は血球と血小板、そしてそれらを流動させる血漿成分から構成されています。特に血球は赤血球と白血球から、血漿にはその殆どを占める水分と、その他の血漿蛋白質・糖・脂肪などが含まれています。

・赤血球
赤血球は酸素や二酸化炭素を運ぶ役割のある細胞で、ヘモグロビンが主成分となっています。このヘモグロビンは鉄分とグロビンという蛋白質が結合したもので、酸素の多い環境では酸素と強く結びつく性質があります。また酸素の少ない環境かつ二酸化炭素の多い環境では酸素を遊離して二酸化炭素と結合する性質もあり、これによって酸素や二酸化炭素を循環させています。尚、一酸化炭素は酸素よりも強くヘモグロビンと結合するため、これが酸素の吸収を阻害し、酸欠の原因になります。

赤血球を作るにはその材料となる蛋白質及びアミノ酸と、ビタミンB12、葉酸、鉄分、銅などが使われています。「貧血は鉄分を摂取する」という事はよく知られていますが、すなわち鉄分を摂取するだけでは赤血球を作る事はできず、貧血を改善できない事があります。もちろん食習慣だけでは貧血は改善できません。ちなみにより多くの酸素を必要とする筋肉の細胞においては、より酸素と強く結合し貯蔵できるミオグロビンが酸素を運搬する役割を担っています。食肉が赤いのもこのミオグロビンによるもので、赤身肉が筋肉に良いと言われる所以です。

・白血球
白血球には顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球の5種類があり、好中球が全体の5~7割を、顆粒球で言えば全体の9割以上を占めています。いずれも特定の分子に結合・捕食し、それを無効化する機能があり、免疫機能において非常に重要な役割を持っています。

例えば好中球は特に細菌を捕食して殺菌を行い、感染症を防ぐ、または重症化を抑える働きがあると言われています。続く好酸球と好塩基球はアレルギー反応に関与し、好酸球がヒスタミンを不活性にして反応を抑える一方、好塩基球はヒスタミンを活性化させ反応を促進させる(アナフィラキシー・蕁麻疹・気管支喘息等の原因とされる)と言われています。また単球はマクロファージと呼ばれる細胞へと分化し、異物や不要となった老廃物を捕食して消化する機能があります。最後にリンパ球ですが、これは特定の物質に対する抗体を作り、その物質が入ってきた時に集結・攻撃を行う機能があります。

・血小板
血小板は血管に損傷ができた時に活性化し、その損傷箇所へ集まって固まる性質があります。これにより血管を塞ぎ、外部への出血を防いで「血栓」を形成します。その血栓は血液中の成分(血液の凝固に関与する蛋白質:フィブリン)を固める事で、その周囲にある血小板や赤血球などを更に一緒に固め、血栓をより強固なものにします。それが体の外部に形成されたのがいわゆる「カサブタ」と呼ばれるものです。また血管は流れが速いほどその内壁を常に健康な状態に保つ必要があります。前述のように血小板は血を固める作用がありますが、血管の修復に必要な物質を供給するためにも常に働いています。

・リンパとは?
リンパ球が多く含まれるリンパ液(血漿成分が主)が流れる場所の事を「リンパ系」と呼びます。リンパ系は様々な組織から流れてきたリンパ液を回収して静脈へ戻したり、あるいはリンパ液が必要な場所へ集合させる役割があります。これによりリンパ液を循環させているのです。

またリンパ系は首の付け根~脇の下~鼠径部~胸の奥中央と繋がっており、所々に「リンパ節」があります。リンパ節はリンパ洞とリンパ小節からなり、リンパ小節においてリンパ球を増やす事ができます。リンパ節は0.2~3cm程度の大きさで豆のような形をしていて、全身に600個程度あると言われており、リンパ節がある場所ではいくつかのリンパ節が集合しています。尚、リンパ系はリンパ節以外のリンパ組織も含まれ、例えば扁桃腺、脾臓、骨髄、心臓の前にある胸腺、虫垂なんかもリンパ系に含まれます。

リンパ節が集合している場所を挙げると、例えば耳の後ろや下付近、後頭部の頭の付け根付近、顎の付け根付近、左鎖骨の上部、脇の下、股関節の付け根付近などが挙げられます。腸や気管支など、この他にも多くの場所に存在しています。

●骨の構造

骨は骨格を形成するための硬い組織の事で、これがある事で内臓などの柔らかい組織を保護し、姿勢を安定化させる事ができます。また骨を筋肉が引っ張る事で体を動かす事ができます。大人では全身に約206個の骨があると言われており、それぞれの骨に全て名前がついています。

骨は骨質とそれを覆う骨膜から成っており、骨質は外側の緻密骨(皮質骨)と内側の海綿骨から成っています。緻密骨は層のようになっていて、ここに多分のミネラルが沈着する事で骨の強度を高めています。一方、海綿骨には繊維質のコラーゲンが張り巡らされていて空洞がたくさんあり、この隙間によって骨に弾性を持たせる事ができる他、特に中心部には血液を作り出す骨髄があります。骨の主成分はやはりカルシウムですが、カルシウムはそのままの形では存在せず、実際に骨へ使われているのはミネラルの一種であるリンとカルシウムが結合したリン酸カルシウムです。その他のミネラルではマグネシウムが多く含まれている他、微量としてケイ素やマンガンなども使われています。

骨の両端に関節がある場合、その表面には通常の骨よりも柔らかく弾力性に富んだ軟骨が存在します。よく言われるのが「軟骨は自然には再生しない」という事ですが、最近では違っていて、時間はかかっても栄養を補給する事さえできれば再生可能と言われています。軟骨自体には血液やリンパが通っていませんが、関節内の空洞には滑液と呼ばれる液体が分泌されており、この滑液が関節を覆う滑膜から分泌される事で軟骨へ栄養を補給しています。この滑液は加齢によって粘度や分泌量が減りますが、それを分泌する滑膜へは血液を通して栄養が送られます。すなわち軟骨を再生させるためには、関節周囲にある毛細血管の数を増やし、その血管への血流を増やし、摂取する栄養を改善する事が重要と言えると思います。尚、軟骨にはヒアルロン酸、コンドロイチン、グルコサミン、コラーゲン等が存在しますが、それらを摂取しても軟骨だけに届けるのは困難です。それよりも「届けるにはどうしたら良いか」を考えましょう。

ちなみに骨折では当然痛みを感じますが、治療の際に骨へプレートやボルトを埋め込んで固定しても痛みを感じません。これは何故かというと、実は骨質には痛みを伝える神経が存在しないからです。しかし骨質を覆う骨膜やその周囲には神経が密集しているので、そこを損傷する事では大きな痛みを伴います。




●筋肉と腱



●靭帯



●神経





●皮膚の構造



●基本的な細胞の構造