2017年10月8日日曜日

「豆知識集38」ダイエット・健康に関するQ&Aその19

この記事では『「ダイエットと健康」に関するQandA』、特に「食べ物に関する疑問」について私なりにまとめています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/10/8)


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Q.スイカに塩をかけると甘みが増すのは何故?

A.2種類以上の強さの異なる味が存在する時、弱い方の味が強く感じられるようになります。これは「味の対比効果」などと呼ばれており、スイカの例では塩の強い塩味にスイカの弱い甘味が釣られ、これによって通常よりも甘味を強く感じる事ができます。詳しい原理は分かっていないそうですが、塩味という強い情報が加わった事で甘味に関する情報も強まった、あるいは情報量が増えた事で甘味が強くなったと脳が勘違いしているだけ(舌の上では塩味と甘味を感じる場所は異なる)という説があります。ただし塩は大量にかければ良いという訳ではなく、大量にかけるとむしろ甘味を打ち消してしまい、強い塩味だけしか感じられなくなってしまいます。弱い味を増すために使う調味料は基本的に強い味なので、少量で十分なのです。

尚、味の対比効果が起こるのは「塩味→甘味」だけでなく、例えば「酸味→甘味」「塩味→旨味」「酸味→苦味や辛味」などの間でも起こると言われています。その他「甘味→苦味や酸味」「酸味→塩味」では強い味を弱める抑制効果、「旨味+旨味(異なる旨味である必要がある)」ではお互いの味を強める相乗効果が得られます。


Q.メロンの外側にある網目、何の意味があるの?

A.いわゆる「マスクメロン」の表皮には複雑な網目模様があります。しかし網目は最初からある訳ではなく、成長過程でできる模様なのです。まずマスクメロンでは外側にある皮よりも内側にある果実の成長の方が早いため、内側から外側に圧力がかかります。続いてその圧力に耐えられなくなると皮にヒビが入りますが、そのヒビの隙間から果汁が染み出し、隙間を塞いで固めます。マスクメロンの網目はそのようにしてできていくのです。

ちなみにマスクメロンの「マスク」とは「麝香(ジャコウ:オスのジャコウジカの腹部から得られる分泌物を乾燥させた香料及び生薬の事)」に似た匂いがする事を意味しています。またメロンは全てに網目がある訳ではなく、例えばプリンスメロンのように最初から最後まで網目のできない品種もあります。


Q.通常のチョコレートとホワイトチョコレート、何が違うの?

A.チョコレートはカカオという木になる種子を発酵・乾燥・焙煎・粉砕したカカオマスを基本として、そこに砂糖、牛乳、植物油、そして同じくカカオの種子から抽出されたココアバター(脂肪分)などを混ぜて練り固めます。カカオマスやココアバターには褐色をした苦味成分が含まれており、これがチョコレートの色及び苦味を決めます。

一方、ホワイトチョコレートではカカオマスを使わずにココアバターを基本とします。ただし前述のようにココアバターにも褐色の苦味成分が含まれているので、それも取り除いて使います。そこに砂糖、牛乳、植物油などを混ぜて練り固めていくのです。そのためホワイトチョコレートは通常のチョコレートより色が白くなり、苦味が弱く、甘味は強くなる訳です。尚、ホワイトチョコレートは通常のチョコレートよりも脂肪がやや多く含まれており、口溶けは柔らかいのですが、カロリーもやや高くなります。




Q.バターとマーガリン、何が違うの?

A.バターは牛乳に含まれる脂肪から、マーガリンは植物から抽出した植物性の油と、魚・豚・牛等の動物性の油分から作られています。それぞれ口当たり、匂い、質感等(バターはやや硬く匂いも強いが、マーガリンは滑らかでサッパリしている)は違いますが、元々マーガリンはバターが不足していた時に代替として作られたものと言われているので、使う目的自体にはそれほど大差ありません。

また確かにマーガリンは植物性の油を使っていますが、これは調味油として使われる油と同じもの(大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油、パーム油等)ですし、前述のように動物性の脂肪も使われています。マーガリンに限らず「植物性だから健康に良い」などと安易に考えないようにしましょう。例えば大豆の種子から抽出される大豆油のように、大豆そのものに「健康」「ヘルシー」という良いイメージがあっても大豆油は脂肪そのもの、オリーブオイルだって健康に良いと言われていても脂肪なのです。植物性だろうが動物性だろうが、過剰摂取(特に必須脂肪酸のバランス崩壊、睡眠・運動不足、ビタミン・ミネラル不足)が体に悪いのは言うまでもありません。


Q.そもそもどうしてお寿司にはワサビが入ってるの?

A.ワサビ特有の辛味や匂いは「アリルイソチアシアネート」という成分によるもので、これには強い抗酸化作用や抗菌作用があると言われています。現在ではワサビがなくても生の食材を安全に食べる事ができます。しかし生の食材に関する調理法や加工法、及びその保存法が確立されていなかった時代では生魚が腐りやすく、鮮度や味を保つのが大変でした。ワサビはその時代、生魚を少しでも長持ちさせるために重宝したのです。

更にワサビにはアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどいった消化酵素が含まれており、特に糖の一種であるデンプンの消化を補助する効果があると言われています。酵素は一般的に熱に弱く、加熱調理によって失われてしまいますが、お寿司は生で食すのでその効果を得られます。つまりワサビはお寿司とピッタリと言えると思います。

ちなみにワサビは日本原産の野菜で、古くは飛鳥時代から利用されてきた記録が残っています。これが一般の人の間にも広く認知されたのは蕎麦や寿司が広まった江戸時代と言われています。


Q.卵を加熱すると何故固まるの?

A.蛋白質は熱により変性し凝固する性質があります。卵の場合は58度~から凝固が始まり、80度を超えた状態が続くと完全に凝固します。これによりゆで卵ができます。ただし卵黄と卵白では凝固する温度が微妙に異なり、卵黄では70度~、卵白では80度~凝固が始まります。よって70度以下の温度でゆっくり熱した場合、卵白の外側は一部分しか固まらず、卵黄の方は少しだけ固まるように調整する事ができます。これを利用したのがいわゆる温泉卵です。更に低い温度で熱すると、卵黄はほぼ生の状態になり、卵白だけ半生の状態にする事もできます。これがいわゆる半熟卵です。特に呼び方の基準はありませんが。

尚、人間の体では「体温が42度を超えると蛋白質が固まって二度と元には戻らなくなる=死に至る」とよく言われます。確かに前述のように蛋白質は熱すると固まり、一度固まると例え冷やしても元に戻りません。しかし人間の体にある蛋白質が固まるのにもやはり50度や60度を超えるような高温が必要ですし、どんなに発熱しても体温は42度を超えません。これは人間には自分の体温を42度以上にまで上げる能力がないからです。もちろん例外的に全身性の感染症(黄熱病等)や熱中症などで体温が42度前後まで上がる事はありますが、42度程度では「蛋白質が固まって死に至る」という事はまずありません(病気が直接の原因で死に至る事はある)。




Q.食用油、どうしてあんなに種類があるの?何が違うの?

A.食用油の名前だけを挙げていくと、例えばナタネ油(キャノーラ油)、ヒマワリ油、大豆油、ヤシ油(パーム油やココナッツ油)、サフラワー油(紅花油)、ゴマ油、コーン油、エゴマ油、アマニ油、オリーブ油、ラード(豚脂)、ヘット(牛脂)、フィッシュオイル(魚油)などがあります。これらの食用油はそれを抽出するための材料やそれによる味や匂いが異なる事はもちろんですが、何より脂肪の組成が異なります。

具体的に挙げていくと、キャノーラ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)が多い、ヒマワリ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、大豆油は不飽和脂肪酸(特にリノール酸)、パーム油は飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸が多い)、サフラワー油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ゴマ油は不飽和脂肪酸(オレイン酸とリノール酸同等)、コーン油は不飽和脂肪酸(特にリノール酸)、エゴマ油・アマニ油は不飽和脂肪酸(特にα-リノレン酸)、オリーブ油は不飽和脂肪酸(特にオレイン酸)、ラード・ヘットは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸同等(ただし不飽和脂肪酸の中でオレイン酸が多め)、魚油も飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸同等(ただし不飽和脂肪酸の中ではEPAやDHAが多い)という感じです。もちろん商品により、例えばオレイン酸が含まれるオリーブ油ではその純度を高めたエクストラヴァージンオリーブオイル、パーム油では中鎖脂肪酸を抽出したMCTオイル、魚油では飽和脂肪酸を除去したものもあります。

この内、飽和脂肪酸は加熱に強いので多くの料理に使えますが、常温で固体のものが多く、過剰摂取によって生活習慣病などのリスクが高まる(加工食品等日常に溢れている)と言われています。このため調味油として使う場合は頻度を考えなければなりません。続いてよく出てくるオレイン酸は一価不飽和脂肪酸、リノール酸は多価不飽和脂肪酸(ω-3脂肪酸)で必須脂肪酸の一つです。オレイン酸は飽和脂肪酸には劣りますが、比較的熱に強く酸化されにくいという特徴があります。他の脂肪酸と比べてあまり悪さもしません。一方、リノール酸は熱に弱く酸化されやすいという特徴があり、しかも必須でありながら過剰摂取による様々な病気のリスクがある(飽和脂肪酸同様意識せずとも摂取できる)と言われています。このためリノール酸の含まれる油は長期保存及び使用頻度には注意が必要であり、また加熱調理(あまりに高温は不可)においては安定したオレイン酸が含まれる油を使用した方が良いでしょう。

そしてα-リノレン酸・EPA・DHAは多価不飽和脂肪酸(ω-3脂肪酸であり必須脂肪酸)で、この脂肪酸は必須であるのに限られた油にしか含まれていません。しかも熱に弱く酸化されやすいため、長期保存にも向かなければ加熱調理にも使えません。つまり含まれる青魚を食べるか、油を利用する場合は調理後にかけて食べ、使いきれずに余った場合は捨て、その都度買う必要があります。尚、ω-6とω-3はそのバランスが重要で、前述のようにω-6の方は意識しなくても摂取できるので、意識するとすればω-6:ω-3=3:1程度のバランスで保つよう心がけましょう。このバランスを崩す原因の殆どはω-6の摂取過多及びω-3の不足であり、バランスが崩れると前述の過剰摂取のリスク増加、脂肪の代謝の悪化、アレルギー症状の悪化等が起こります。


Q.好きな食べ物は別腹ってよく聞くけど実在するの?

A.嫌いな食べ物だとたくさん食べる事ができないのに、好きな食べ物だと例え満腹状態であってもたくさん食べる事ができる場合があります。これを一般的に「別腹」などと呼んでいます。しかし実際に大好物を目の前にすると胃や腸が活動的になり、胃の容量が一時的に増える事があります。この時には「オレキシン」というホルモンが関係していると言われており、この働きによって胃の中に残っている食べ物を急速に下へ追いやります。これにより胃にスペースが空くのです。すなわち別腹は実際に存在するのです。




Q.大食いの人はどうしてあんなに食べる事ができるの?

A.通常の胃は大人の手のこぶし大程度の大きさしかありませんが、食べ物が胃の中に入ってくるとゴムのように膨張します。これにより大量の食べ物や飲み物を入れる事ができます。特に大食いの人では一般の人よりも生まれつき胃が伸びやすかったり、あるいは日々のトレーニングによって胃をより大きく伸ばす事ができます。だからこそ、あれだけたくさんの食べ物を食べる事ができる訳です。

また栄養が体に吸収されにくい体質を持っているという事も重要です。あれだけ大量に食べても肥満体型にならないのは、多くが吸収されずそのまま体の外へ排出されているからで、万が一に大量の栄養素が吸収されてもそれを処理できる強い臓器も必要になりますす。更に大量の食べ物を消化するには、大量・強力な消化液を分泌しなければなりません。つまりその消化液に耐えうるような胃や腸の強さも持っていなければならず、大食いの人は生まれつき、あるいは日々のトレーニングによってその能力にも優れているのです。


Q.どうして人によって味の好き嫌いが違うの?

A.まず子どもと大人で考えてみます。子どもと大人では味に対する脳の反応が異なり、子どもでは苦味はもちろん強い味を毒物と勘違いしてしまうと言われています。それにより例えばピーマンやグリンピースのような苦味のある食べ物が嫌いになりやすいのです。また子どもと大人ではそもそも子どもの方が味覚が敏感です。これは味を感じる受容器である「味蕾」の数が実際に加齢と共に失われていくためで、それを考えれば単純に子どもは味に対して敏感、大人は鈍感と言う事ができます。このため子どもは好き嫌いが多いのです。

続いて個人差を考えてみます。前述した味を感じる受容器である味蕾の数は生まれつきであり、まずそこで個人差が生まれます。また例えば温度の高い食べ物、辛い食べ物、アルコール、タバコ等を摂取する習慣が続いている人では、加齢と共に味蕾が傷つくスピードが速くなります。また摂取する栄養のバランスや睡眠習慣、ストレス等によっても影響され、それらは積み重ねるほど味の好き嫌いに大きく関係してきます。

更に、味覚は記憶と強く結びついています。記憶とは食べ物の味、匂い、食感、色、温度等に関する記憶もそうですが、その食べ物を食べた際の状況・環境も記憶として残ります。つまりその食べ物に関する思い出が良いものならば好物になりやすく、悪いものならば嫌いになる事があるという事です。例えば嫌いだった食べ物を無理やり食べさせられて余計に嫌いになった、あるいは食全体に関心がなくなる人もいたり・・・こういうのも食べ物に対する好き嫌いの差になります。

そしてその食べ物に関する記憶は年齢を重ねるほど蓄積されていき、より強く定着していきます。好きな食べ物は良い記憶なので、それが積み重なればどんどん好きになります。逆に嫌いな食べ物は悪い記憶なので、それが積み重なればますます嫌いになってしまいます。しかも年齢を重ねると嫌いな食べ物を自分の意志で避ける事ができるようになるため、嫌いな食べ物は嫌いなまま変わりません。一方、好物は我慢して避ける理由がなく、お金さえあれば好きなだけ食べる事ができるようになります。そのような食習慣では栄養バランスが崩れやすく、それがメタボ等の生活習慣病にも繋がっていきます。好き嫌いを子どもの内になくしておくという事はそれを防ぐ意味でも教育と言えるでしょう。もっと言えば「この食品にはこの栄養素が含まれていて、その栄養素にはこのような役割がある」という事まで教えるべきだと個人的には思います。