2017年9月3日日曜日

「豆知識集34」ダイエット・健康に関するQ&Aその15

この記事では『「ダイエットと健康」に関するQandA』、特に「普段何気なく体で起こっている事(感情、五感)」に関する疑問について私なりにまとめています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/9/3)


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Q.何故カルシウムが足りないとイライラするの?

A.血液中のカルシウムの濃度が低くなるとその分だけ骨のカルシウムを溶かして利用し、逆にカルシウムの濃度が高くなれば骨に使う事で濃度を下げます。実は普段からそのようにして血液中のカルシウムの濃度を一定に保ち、必要に応じて循環させて利用しているのです。

カルシウムは当然骨に多く存在していますが、骨以外では脳や筋肉などの神経伝達にも利用されています。ですので血液中のカルシウムの量が減ればカルシウムが必要な場所へ必要な分だけ送る事ができなくなり、神経伝達がスムーズに行われなくなる可能性があります。その結果としてイライラする事があるのです。しかし骨に含まれるカルシウムの量は非常に多いため、ちょっとやそっとカルシウムが不足したぐらいで血液中のカルシウムの量が減る事はありません。むしろ血液中のカルシウムの量が減っているような状態では、既に骨がボロボロになっていたり、筋肉の収縮がスムーズに行われず上手く体が動かせなくなっており、イライラする事よりよほど深刻な状態になっているはずです。

尚、イライラを抑えるためには神経が過敏になる原因自体を取り除くか、既に興奮状態にある神経を抑える事が重要となります。特に「その場の環境を変える(イライラさせる対象が近くにあるならば離れる、それが行動ならばやめる)事」「好きな事をして時間を忘れる(またそれを終えた後イライラする事を思い出さない)事」「糖質と糖の代謝に関わるビタミンB1を摂取する事」「抑制性神経伝達物質GABAの合成に関与するビタミンB6を摂取する事」「カルシウムの代謝に関わるビタミンDやビタミンKを摂取する事」「鉄、ビタミンB12、葉酸などを摂取する事(脳の酸欠予防)」などが重要です。これによって神経の興奮を抑え、ストレスを軽減させる事ができます。カルシウムを摂取する=全く効果がないとは決して言いませんが、微々たるものと考えるべきです。

ちなみにイライラを抑えるとよく言われるアミノ酸の「トリプトファン」ですが、トリプトファンは睡眠の深さに関わるメラトニンの材料にもなりますが、心身を覚醒させるセロトニンの材料にもなるので実はどちらとも言えません。またコーヒーなどに含まれるカフェインにも興奮作用があるので同じです。尚、アルコールはGABA受容体に作用し、イライラを軽減する事ができます。これがストレスをアルコールで埋め合わせしようとする原因の一つです。ただしアルコールには依存性があり、長期的な多飲による臓器への負担が大きいという欠点があります。健康のためにはアルコール以外でストレスをコントロールしなければならないでしょう。


Q.どうして恐怖を感じる事ができるの?

A.「恐怖」というのは人間や動物が持つ感情の一つで、自分の身を守るための回避行動の一種です。「動物には理性がなく感情もない」と言われる事は多いですが、動物も恐怖や痛みといった「感情」を持っており、自分の行動を抑制する事ができます。つまり恐怖や痛みがある事で動物は「それが自分にとって危険なもの」と学習する事ができ、その危険と遭遇する前に予測し、未然に回避する事ができるようになります。更にそれによってはより長く生き伸びる事ができるようになり、後世へ子孫を残す可能性を高める事もできるのです。

恐怖心は記憶(幼少期に根付いていて自分の意志では取り出せないような潜在的な記憶も含む)と強く結びついており、自分が過去に経験した恐怖や周囲が経験した恐怖などから「危険な事」を学習し、それを未然に回避しようとします。例えば私の場合では虫の一種である蜘蛛に対して恐怖心や嫌悪感を抱きますが、それもおそらく過去の恐怖体験が関係しています。更にその経験に基づく事では蜘蛛と似ている「足が多い虫」「足がない虫(昆虫であっても幼虫を含む)」「素早い虫や音を立てない虫(ゴキブリ等)」に対しても近い恐怖心を抱きます。これは祖母や母親の影響だと思われます。一方、カブトムシ、バッタ、アゲハ蝶、セミなどの昆虫に対しては全く恐怖心がなく、成虫であれば素手で触れる事ができます。これは父親や兄の影響です。そのように同じ「虫」でもそこまで大きな差があるのは、やはり過去の恐怖体験や他者からの学習が大きく関係する事を意味しています。

尚、人間が恐怖や不安などのストレスを感じた際には、ノルアドレナリンやアドレナリンといったホルモンが分泌されます。この2つのホルモンは心身を活性化させる働きがあり、それによってストレスと対峙し乗り切ろうとする訳です。しかし分泌量が多過ぎると逆に冷静さを失い、頭が真っ白になって何も考えられなくなったり、呼吸や心臓の鼓動が荒くなって動くのも苦しくなったりします。そうしてあらゆる感情の抑制が効かなくなり、普段は温厚な人でも人が変わったように暴力的になる場合もあります。

また恐怖や不安が与えられた場合、それを与えてくる相手に対して絶対的に服従するような行動を取ったり、逆に反旗を翻し怒って暴力的な行動を取る事もあります。これも身を守るための行動の一つです。しかしどこの誰とは言いませんが、逆にそのような反応を利用して「意図的に恐怖を与えて自分に服従させる」「執拗に周囲の不安を煽って争い(自分の手を汚さずに)を誘発させる」という事を行う輩もいます。それだけ恐怖や不安というのは大きな影響力を持っているのです。


Q.何故人間は悲しくなると涙を流す?動物は流さないの?

A.涙とは瞼の裏側にある涙腺から分泌される体液の事で、悲しい時に限らず、怒った時、嬉しかった時、大笑いした時、痛みを感じた時など、感情が高ぶった時にも出る事があります。また涙はアクビをした時に出る事がある他、花粉症や乾燥などで目が痒くなった時、目に異物が入った時にも出ます。それによって目を清潔に保つ事ができるのです。

人間は動物とは違って「悲しい時に涙を流す」事ができます。もちろん動物も自分の目を守るために涙を流す事はできますが、どれだけ頭の良い猿、鳥、象のような動物であっても感情的に涙を流す事はなく、感情の変化から涙を流すのはおそらく人間だけです。前述のように動物には恐怖という感情はあって、それに対して強く拒否するような行動を取る事はあっても悲しむ事はできないのです。これは人間とそれ以外では圧倒的に知能の差がある事はもちろんですが、生活している環境が違う事も大きく関係しています。いくら「悲しさ」を表現して相手に同情を求めても、弱肉強食の世界では相手だって生きるのに必死なのですから、そのような世界が続いている野生動物にとって「悲しい」という感情は何の意味も持ちません。意味がないからこそ「悲しい」という感情がないのです。

では、何故人間は悲しくなると涙を流すのか?についてですが、これは私は「他者へのアピール」という説が一番有力だと考えています。つまり「涙」というのはコミュニケーション手段の一つであり、文字やジェスチャーなどが存在していない時代から存在している、自分の感情を伝えようとした名残だと思っています。これがあれば相手が悲しんでいるかどうかを一発で知る事ができ、同族間の無用な争いを避け、またお互いに協力する事ができますよね。特に人類は一人で何かをする事よりも集団で何かをした方が効果的という事を学習していましたから、それを優先した結果として他者と同調するための感情が生まれ、自分はもちろん種としても生存する可能性をより高める事ができたのではないでしょうか。尚、その他では「興奮した際に生まれた物質を体の外へ排出しようとする説」「悲しみというマイナスの感情から目を背けようとしている説」などがあります。




Q.血液型ってそもそも何?血液型で性格が変わる?

A.赤血球の表面には250種類以上の表面抗原(細胞の表面に存在する分子の事)があると言われており、その中にはA型抗原とB型抗原と呼ばれる抗原があります。その内A型抗原があるものをA型、B型抗原があるものをB型、両方あるものをAB型、両方ないものをO型と分類でき、この分類こそが「ABO式血液型」と呼ばれるものです。

また血漿(血液中に55%程度含まれる液体で淡黄色。尚、血清は血漿から凝固成分を取り除いたもの)にはそれぞれ抗体が含まれており、A型には抗B抗体、B型には抗A抗体、AB型には抗B抗体も抗A抗体もなく、O型には抗B抗体も抗A抗体も存在しています。これらの抗体が表面抗原に反応(例えばA型に含まれる抗B抗体が、B型に含まれるB型抗原に反応するなど)すると赤血球は集まり固まってしまいます。だからこそ同じ型の血液しか輸血できないのです。

しかし血液型にはこれとは別に「Rh血液型」という分類もあります。赤血球には薄い膜が覆っており、ここにも40種類以上の抗原があります。その内D抗原がある場合をRh陽性(Rhプラス)、D抗原がない場合をRh陰性(Rhマイナス)と呼びます。基本的に輸血の際にはABO型の一致と共にこのRhの型が一致しなければならず、Rhプラスの人にRhマイナスの人の血液を入れるとやはり固まる危険性があります。ちなみにO型には更にボンベイ型といって非常に珍しい型(A型B型AB型にはA抗原やB抗原が付くためのH抗原があるがボンベイにはなく、逆に抗H抗体を持っている)があり、この場合は例えO型とRh型が一致しても同じボンベイの型でしか輸血できません。

さて、このような血液型に関しては「A型は几帳面」というように性格に関係しているとよく言われます。しかし科学的には否定されており、血液型性格分類はむしろ何の根拠もないデタラメと言って良いでしょう。日本人の血液型はAB型(10%)<B型(20%)<O型(30%)<A型(40%)の順で多く、その内Rhプラスは99%以上、Rhマイナスは殆どいないと言われています。つまり「日本人にはA型が多いので几帳面で綺麗好きな人が多い」という事になる訳ですが、日本人に几帳面な人が多いのは小さい頃からの教育や刷り込み(「この血液型はこの性格」と言い聞かされる事も含む)、またその影響に基づく無意識の習慣や癖によるもので、決して血液型によるものではありません。その他だとB型は自己中心的でスポーツ万能、O型は大雑把で社交的、AB型は天才肌などがあります。本当にそうでしょうか・・・まぁこんな事を真剣に考えるべきではないと思いますが(笑)

もしABOの血液型が性格に関係しているとすれば、それぞれの持つ抗原や抗体が影響している事になりますが、それならRhの型に関わる抗原はどうなのでしょうか。何故「Rh型性格分類」はないのでしょうか。それに「血液型の分類(wikipedia)」にもあるように抗原や抗体は様々であり、血液型の分類はABOやRhだけではありません。この抗原や抗体は性格に関係していて、この抗原や抗体は性格に関係していない・・・なんておかしいですよね。それに赤血球はそもそも酸素や二酸化炭素を運ぶためのものであり、赤血球に含まれる分子が脳の神経細胞に広範囲に渡って影響を与え「性格を変える」など普通に考えてあり得ません。

では、血液型による性格の分類が「当たっている」と感じてしまうのは何故かというと、「不特定多数の人間に当てはまるような曖昧で一般的な記述」がある場合、「あたかも自分だけに当てはまるものとして捉えてしまう」事が関係していると言われています。そのような効果を「バーナム効果」と言います。またこの他にも「何かを信じ込んだ時、自分の考え方を肯定する情報ばかり収集するようになる(確証バイアス)」「何かを信じ込んだ時、無意識の内にその通りに行動してしまう事がある」なども関係しています。これらは風水・占い全般に言える事ですね。使い手によっては意図的にそれを狙い、相手を信じ込ませて自分の意のままに操るという使い方もできそうです。意図的でも悪意がなくても私はそれを利用した商売が大嫌いです。

ちなみに血液型によって相手の性格を勝手に判断し、その相手に不快な気持ちを与える事を「ブラッドタイプ・ハラスメント」などと呼びます。例えば「A型=几帳面・綺麗好きのはずだが、この人はA型なのにかなり大雑把で汚らしかった。この人はそういう人間なんだ」というように勝手に相手の性格を決めつけ、自分の想像と違った途端に悪口を言ったり、差別などの不当な扱いをしたりする場合が該当します。見た目と中身が印象と違うという理由だけで不当な扱いを受けるのももちろん不快ですが、そのように一方的な決めつけから不当な扱いを受ける事も不快極まりないですよね。当然トラブルの元になります。無用なトラブルを避けるためにも、占いの類は真に受けるのではなく「一種の娯楽」程度として捉えておいた方が良いでしょう。




Q.どうして温度や痛みを感じる事ができるの?

A.指先で何かに触れた際、「長時間触れる事ができないほど熱い」「温かい」「ひんやり冷たい」「長時間触れる事ができないほど冷たい」というように温度を感じる事ができるのは、皮膚の表面にある感覚神経によるものです。この皮膚に触れる感覚の事を一般的に「触覚」と言います。ただし例えば皮膚の表面をペン先で軽く突いてみると、「痛い」と感じる場所もあれば、「押された」とだけ感じる場所、「熱い」と感じる場所、「冷たい」と感じる場所というように、同じ押し方でも場所によって違う感覚があるという事が分かります。つまり「痛い」「温かい」「冷たい」などと感じる神経は別々に存在し、それぞれが皮膚の表面に広く散らばっているのです。

またそのような皮膚表面から得られる情報を総合的に判断し、自分の体温との差を感じる事で「周囲の気温」や「自分の体温の変化」という広い範囲の温度を把握する事ができます。これを「体感温度」と言います。それに基づいて人間は体温調節(体温が高くなったら血管を拡張させて汗をかく、低くなったら血管を収縮させて体を震わせる等)を行っているのです。ちなみに体感温度は個人差が大きいのはもちろん、日によっても大きく変わります。皮膚を覆う水分・湿度・気圧、皮脂の量、服装、風、太陽光の強さ、その日の体調などにも影響を受けます。

更に、温度に対する感覚はそれに関する記憶と強く結びついています。例えば加熱調理中のフライパンは当然熱いですが、それが熱いという事を知らない子どもは安易に触れてしまう事があります。しかし例え「フライパンが熱い」という事を知らなくても、一度不意にでも触れる事があればそれが「熱い」という事を学習する事ができ、以降は注意して扱うようになるはずです。また子どもが触れる前の段階で周囲があらかじめ「熱い」「危ない」と教えていれば、火傷などを未然に防ぐ事ができるようになります。そのように温度に対する記憶がある事で自分の身を守る事ができるのです。「恐怖」と同じく、防衛本能の一つだと言えると思います。

尚、年齢と共に皮膚表面にある角質層は分厚くなる他、手の平や足の裏などでは圧力をかける習慣があるほど皮膚は分厚くなっていきます。例えばお相撲さんの手の平が分厚いのは硬い柱に向かって毎日ツッパリをする練習をしているから、足の裏が分厚いのはその大きな体で毎日四股を踏んでいるからです。そうして皮膚が分厚くなると神経への刺激も抑えられ、次第に熱さや冷たさ、痛みなどの感覚を感じなくなっていきます。つまり単純に熱や痛みに強くなる訳です。ただし皮膚への刺激がある人ほど神経自体も発達しているはずなので、むしろ刺激を細かく分類する事ができるようになります。一方、年齢を重ねた人では新陳代謝が衰える事が理由で皮膚が厚くなり、神経への刺激が弱くなります。また神経自体も衰えているはずなので、感度も落ちてしまいます。

ちなみに角質層に存在する細胞の多くは活動を停止した古い細胞(ケラチンという蛋白質)で、それを取り囲むように脂質(セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸)が存在します。特にダイエットをしている人では脂肪に対して強く嫌悪感を覚える人が多いですが、皮膚の健康を保つためにはその材料となる蛋白質や脂質、そしてその代謝に関わるビタミンやミネラルが必要不可欠なのです。またコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は表皮の奥にある真皮に多く存在します。そのコラーゲンをアミノ酸から合成する時にビタミンCが使われます。シワができるのは真皮に存在するそれらが失われて、弾力性が損なわれるからです。それを補給するために保湿液などを塗りますが、真皮は角質層に隠されているため、角質層の表面に塗りたくっても効果は微々たるもの(ただし吸収されやすいもの、されにくいもの、全くされないものがある)です。


Q.何故目は見えるの?

A.人の眼球は正面から見ると黒目と白目に分かれています。黒目の表面には「角膜」と呼ばれる無色透明の膜があり、これが目の一番外側(瞬きを行って涙の層で覆い表面を守っている)にあります。つまり外から入ってくる光を透過させて目の内部へ取り入れます。角膜の下には「前眼房」があり、ここは「眼房水」という無色透明の体液で満たされています。この体液は角膜や後述の水晶体へ栄養を補給する役割があります。更にその下には「虹彩」という薄い膜があり、ここを広げたり狭めたりする事で目の中に入る光の量を調節しています。いわゆる「瞳孔」の事です。尚、虹彩に含まれるメラニン色素の量によって黒目の色が変化します。

続く虹彩の下には「水晶体」と呼ばれるレンズがあります。ただし通常のカメラのレンズとは違って柔軟性があり、その厚みを変える事によって目の奥にある「網膜」の上にちょうどピントを合わせています。具体的に言えば近くを見る際には毛様体筋が緩んで厚くし、逆に遠くを見る際には収縮して薄くするのです。そして光や色といった情報は網膜で電気信号に変わり、それが脳へと伝えられます。そうして左右の目から得られた情報を脳で処理する事で1つの映像として見る事ができるのです。尚、水晶体の後ろから網膜にかけては「硝子体」と呼ばれるゼリー状の蛋白質(コラーゲン)で満たされています。

ちなみに目に関する病名で名前が挙がる事の多い「緑内障」は前眼房で起こる病気、「白内障」は水晶体で起こる病気、「加齢黄斑変性」は網膜で起こる病気、「色盲異常」は網膜に存在する細胞(錐体細胞)の異常による諸症状、「オッドアイ」は左右の虹彩の色が違う事、「ドライアイ」は角膜で起こる諸症状、「飛蚊症」は硝子体の影響で起こる諸症状、「結膜炎」は眼球全体を覆っている強膜と瞼の内側を覆っている結膜(実は瞼と眼球はその膜で繋がっている)で起こる病気です。

また近視は網膜の手前でピントが合う事、遠視は網膜の奥でピントが合う事、乱視は角膜や水晶体が歪む事によりピントが合わなくなる事、斜視は左右の眼球で方向がずれる(遠近感が分からなくなる他、視力も低下する)事を言います。その他「錯視(錯覚)」は視覚から得られた情報を脳が勝手に補う事で起こるものです。また朝起きた時に「目ヤニ」があるのは、普段目から出る分泌物は瞬きや涙によって洗い流されており、睡眠中はそれがない事によります。もし目ヤニが急激に増えたり、紐状になったりした際には目の病気を疑いましょう。




Q.何故音は聞こえるの?

A.発せられた音はその周囲にある空気の振動によって順番に伝わっていきます。その振動を人間はどうにかして音だと認識しているのです。ではどのようにして音として認識しているかを簡単に説明します。

生まれた振動はまず耳の外側にある「耳介」に当たって中心へと集められ、それが耳の穴を通って奥にある「鼓膜」を振動させます。この耳の入口~鼓膜までを「外耳」と言います。しかし鼓膜を振動させるだけでは細かな音を判別する事ができません。より細かな音を判別するために、今度は鼓膜の奥にある「耳小骨(槌骨→砧骨→鐙骨と3つの骨を順に)」という骨へ振動が伝えられます。この鼓膜~耳小骨の事を「中耳」と言います。更に、中耳の奥には「三半規管」「前庭」「蝸牛」で構成された「内耳」があり、この内、振動は蝸牛に満たされているリンパ液へと伝えられます。特に蝸牛は渦巻状になっていて内部の表面の膜に有毛細胞があり、それを細かく振動させる事で音を細かく判別し、その刺激によって電気信号へ変換します。そうして電気信号は神経を介して脳へと運ばれ、脳で処理する事でようやく音として認識する事ができるのです。

ただし例外はあって、例えば自分の声を録音して後で聞いてみると自分が思っている声と違う事が多いですよね。これは自分の声は首の骨、喉や顔の筋肉、鼻や口などの空間、頭・顔の骨、皮膚、脳など体の内部を振動してから耳に入るからです。またそれらの振動は体の外にある空気も振動させます。体の外から発せられる他人の声は周囲の空気しか振動させませんが、自分の声に関しては体の中の振動と体の外の振動、すなわち2つの別々の振動が合わさって自分の声として認識されるので、自分で認識する声とは大きく異なる場合があるのです。その他、音が実際に鳴っていなくても何らかの理由で鼓膜や音を受け取る器官が振動すると音として認識される事があります。これが「耳鳴り」です。

尚、内耳にある前庭は重力(方向や強さ)や直線加速度(直線的に体を動かした際の速さを認識する)を情報として伝える他、三半規管は回転加速度(体を回転させる方向やその速さ)を情報として伝えています。これによりいわゆる「平衡感覚」が得られ、ここが狂うと耳鳴り、目眩、乗り物酔いなどを起こす事があります。また「平衡感覚=三半規管」という印象が強いですが、平衡感覚は内耳から得られる情報はもちろんの事、視覚から得られる情報、皮膚から得られる情報、筋肉や関節の動きから得られる情報などを脳が総合的に判断する事で得られる感覚の事です。

ちなみに耳垢は外耳の壁にある耳垢腺より出る分泌物、表面の皮膚、空気中のゴミが混ざったものです。耳垢が蓄積して穴を詰まらせれば当然聴力を低下させますから、耳掃除は定期的に行う必要がありますが、強く行うと壁を傷つけてしまい、逆に聴力低下の原因になる事があります。また外耳の皮膚は循環しており、内側から外側へ新しく移動していく性質があります。それに伴って耳垢も移動するため、奥に溜まる事はありません。よって実は耳掃除は奥まで行う必要がないのです。それとどうでも良い情報ですが、耳垢の性質(乾燥しているか湿っているか)は遺伝による影響を受けるそうです。


Q.何故匂いが分かるの?

A.匂いは空気中に漂う様々な分子が鼻腔の奥(天井の一部のみ)にある嗅覚受容細胞(その先にある細かな毛)に結合します。その刺激が電気信号へ変換され、それが神経を介して脳へ伝えられる事で匂いとして認識されます。またそのような感覚を「嗅覚」と言います。

この嗅覚受容細胞が存在する場所の広さによって嗅覚の鋭さは変わります。例えば人間ではその面積が3平方センチメートル程度しかないのに対し、嗅覚が優れているとされる犬では最低でも18平方センチメートル程度、種類や個体によっては100平方センチメートル以上もある場合があります。更にその細胞の数にも違いがあり、人間では数百万個ですが、犬では数億個~数十億個も存在すると言われています。だからこそ犬はあれだけ細かく匂いを嗅ぎ分ける事ができるのです。ちなみに匂いを感知する部分の面積、細胞の数を踏まえると、これも種類や個体にもよりますがクマ、豚、象は犬に匹敵するかそれ以上の嗅覚を持つと言われています。

一方、人間の場合、長い期間に渡って嗅覚以外の感覚(視覚や聴覚など)に頼った生活をしてきたため、嗅覚を司る脳の部分が衰えていると言われています。また動物では異性の発するフェロモンを嗅ぎ分ける事ができるとされていますが、人間では胎児の間にその機能も衰えてしまいます。その代わり、嗅覚から得られた情報は視覚や聴覚といった他の感覚よりも強く記憶に残りやすいと言われています。これは嗅覚を司る脳の部分と記憶を司る大脳辺縁系には深い関係性があるためで、これにより過去に嗅いだ事のある匂いを再び嗅いだ際、その時の状況を詳細に思い出す事ができる(アロマセラピーなんかはそれを利用しリラックス効果を得られる)のです。動物は人間よりも細かく匂いを嗅ぎ分ける事はできますが、その匂いを嗅いだ際の状況まで細かく記憶する事はできません。

ちなみに普段の鼻の穴の入り口~奥までは表面が粘液で覆われており、異物を絡め取って体の外へ排出しています。つまり鼻の穴は少し湿っているのが正常であり、例えば鼻をほじったりしてそれを念入りに取ってしまうと、異物が体の中へ入りやすくなり、免疫力が低下する可能性があります。これは鼻毛も同様です。鼻毛を抜いたりして本数が少なくなるとそれだけ異物が体の中へ入りやすくなります。異物の侵入量が多ければ多いほど粘液の分泌量は増え、余計に鼻水が出やすくなり、止まりにくくなります。鼻毛は伸びた分だけ切るようにし、鼻の穴を頻繁に弄るのはやめましょう。それをするなら部屋を掃除して綺麗にし、空気の入れ替えを頻繁に行いましょう。また外出する際にはマスクを着用するようにしましょう。




Q.何故味が分かるの?

A.味を感じるための感覚器は人間では舌の上に存在し、特に「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「旨味」の5つの味を別々に認識する事ができると言われています。その他にも口内への物理的な刺激(カプサイシンなどによる辛味、タンニンによる渋味の他、アルコール・炭酸・などによる刺激)、温度による刺激、舌や歯触りなどの感触による刺激、喉を通る際の感触、匂い、音、色や見た目などを加え、それらを総合的に判断する事で味として認識(このため目や鼻を塞いで食べると味が分からなくなる事がある)しています。尚、実は味を感じるための受容器は舌だけにある訳ではありません。喉の奥にある軟口蓋(鼻腔と口腔を隔てている)や食道の上部などでも味を感じる事ができます。これは「ノドゴシ」ではなく「後から来る味(食べた後の余韻)」です。

舌は喉にある筋肉が独自に発達したものであり、非常に神経が密集しています。実際に舌で歯を触れてみると一本一本を確認する事ができ、繊細な感覚を持っているという事がよく分かると思います。表面には「味蕾」と呼ばれる受容器があり、ここに分子が結合し、その刺激が電気信号へと変換されて脳へ伝えられます。例えば甘味は果糖やブドウ糖などの糖質、酸味はクエン酸などの酸性の物質、塩味は塩化ナトリウム、苦味はカフェイン・カテキン・クロロゲン・ニコチンなど、旨味はグルタミン酸などのアミノ酸が影響していると言われています。よってそれらが多いものを口の中へ入れるとその味が強くなります。

尚、味蕾の数は年齢が若いほど多く、年齢を重ねるほど減っていくと言われています。これは舌は新陳代謝が非常に活発で、代謝の低下による影響を強く受け易いからです。例えば子どもではピーマンを苦く感じ、酷く嫌がりますが、大人になるとピーマンのような苦いものも食べれるようになります。これは大人よりも子どもの方が味蕾が多く、苦味に対して敏感だからです。年齢を重ねるとビールを美味しく飲めるようになるのもこのためです。

ちなみに例えば「醤油+プリン=ウニ」のように複数の食べ物を口に入れて別の味に感じられるのは、醤油とプリンに含まれる味をもたらす成分だけでなく、食感などもウニと似ているからです。その他では「たくあん+牛乳=コーンスープ」「キュウリ+ハチミツ=メロン」「ミカン+醤油+海苔=イクラ」などがあります。ただし前述のように味というのは舌だけで判断される訳ではないので、舌に触れる成分は似ていても匂いや食感などが違えばその味に感じられない事があります。もし試す方は自己責任で(笑)


Q.共感覚ってどういうもの?

A.例えば指先で何かに触れた際に得られる情報は触覚を通して脳へと伝えられます。つまりただ「触れる」というだけでは刺激されるのは触覚だけですよね。しかし人によってはただ触れただけなのに味を感じたり、色を感じたり、音を感じたり、匂いを感じたりする事があります。そのように特定の感覚が刺激された際、その感覚以外の感覚も生じてしまう現象の事を「共感覚」と言います。

共感覚では一つの感覚で認識するのではなく、別の感覚と合わせて記憶する事で、通常の記憶よりも強く記憶する事ができます。例えば「音から色が見える」という人では、音自体を記憶する事ができると同時に、色としてもその音を記憶する事ができます。つまり普通に一つの感覚でしか記憶する事ができない人と比べ、より強くその音を記憶する事ができ、その音をより正確に再現する事ができるはずです。それによって音楽に対してより高い能力を発揮する事ができるようになると思われます。

人によっては「この音は楕円形をしている」「この音はイチゴの匂いがする」「この音は甘くて美味しい」「この音はザラザラしている」など、同時に複数の共感覚を持っている人もいます。また逆に「色や形から音が聞こえる」「手で何かを触ると音が聞こえる」というような場合では「幻聴」のような症状が出る事もあり、本人以外には中々理解されず、誤解を生む事も多々あります。共感覚を持っていない人からすれば全く信じられない言動に聞こえるかもしれません。しかし本人にはそのような感覚が実際にあって、それ故に様々な悩みもあるのです。決して共感覚を持つ人の人格を否定したりせず、その人の個性として理解してあげて下さい。

ちなみに例えば私の場合では目の前の対象に触れた事がなくても、その形などから「柔らかい」「硬い」といった手の感触を得る事ができます。「この形は硬そう・柔らかそう」「この字は硬そう・柔らかそう」というかなり漠然とした感じです。この感覚が繊細な人になると、それぞれの対象を別々の手の感触として記憶できそうですが、私の場合は細かく分ける事ができないので何の役にも立ちません。そのように共感覚では「共感覚の組み合わせ」はもちろん「共感覚の強さ」も人によって異なります。