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2017年8月27日日曜日

ブルーベリーは目に良い?

品種にもよりますが、ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれていると言われています。アントシアニンはポリフェノールに分類されるフラボノイドの一種で、視力の維持・回復に効果があるとして一般的にもよく知られています。

では、そもそもポリフェノールとは何なのか?という話ですが、ポリフェノールは植物成分の総称(分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ有機化合物の一種。私もよく分からないのでそれについての説明は勘弁してw)の事で、今まで発見されているものだけでも5千種類以上存在すると言われています。何故それだけ植物にとって有り触れたものなのかというと、ポリフェノールの多くが光合成を浴びる事によって作られるからです。すなわち細胞を酸化させる紫外線などから身を守るために、抗酸化作用のあるポリフェノールが存在する訳です。ちなみにフラボノイドとしてはアントシアニン他に大豆に含まれるイソフラボン、茶に含まれるカテキン・タンニンなどもあります。これらもポリフェノールの一種です。

人は紫外線を浴びるなどによってストレスを受けると活性酸素が発生します。活性酸素は反応性が非常に高く、本来は異物を酸化させ無害化するために必要不可欠なものですが、増殖し過ぎると手当たり次第に酸化させ、酸化させた物質本来の機能を損なわせてしまいます。例えば蛋白質が酸化させられれば、細胞が傷ついて老化しますし、脂質が酸化させられれば過酸化脂質となって変性して蓄積し、動脈硬化などの原因になると言われています。よってそれを制御するため、普段我々の体では「抗酸化」という機能が備わっています。ポリフェノールの一種であるアントシアニンも、その抗酸化機能に関与し、特に過酸化脂質の増殖を抑える働きがあると言われています。

では、何故それが「視力に良い」と結びつくのかについて考えてみます。眼球は体の内部に存在する柔らかい組織であるにも関わらず、常に外気や紫外線に晒されています。寝ている時には「瞼」が守ってくれますが、起きている時には眼球の表面を守ってくれるものが「涙」しかありません。よって眼球の表面は非常に酸化しやすい状況にある訳で、その健康を維持するためには抗酸化機能が正常に働いていなければなりません。つまり「抗酸化=視力」「抗酸化=アントシアニン」という事で結びついているのだと思われます。

しかし抗酸化機能は何も目にだけ働く訳ではありません。人間の体はそのように都合良くはできておらず、例え酸化しやすい状況にあっても、目だけに抗酸化作用を及ぼすような事はできないのです。アントシアニンを摂取する事では、確かに抗酸化機能の向上によって、視力を維持したり低下を緩やかにするなどの効果はあるかもしれません。しかしそれは抗酸化機能が正常に働いた積み重ねの結果によるもののであって、「アントシアニン=視力の向上」ではありません。もしアントシアニンが目に効果があるのあれば、同じく抗酸化作用があるカテキンや大豆イソフラボンなどにもその効果があるはずですが、それらは「目に良い」とは全く言われませんから、やはり「アントシアニンは目だけに良いという訳ではない」という事でしょう。

ちなみにポリフェノールは過剰に摂取すると、中毒や下痢などを引き起こす事があります。また高濃度のポリフェノールは苦味や渋味の元になります。ポリフェノールを摂取しようとして、わざわざ食べるのが苦痛な食べ物を毎日食べ続けたら精神が持ちません。何事も程々にすべきでしょう。
2017年8月24日木曜日

ヒジキやワカメなど海藻類は髪の毛に良い?

海藻類にはミネラルが豊富に含まれています。ここではコンブ(昆布)を例に挙げますが、コンブにはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸、ビタミンK、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素などと言った栄養素が含まれています。また植物性なので食物繊維も豊富に含まれています。

一つ一つの栄養素を簡単に説明すると、ビタミンB1は糖の代謝、ビタミンB2は脂肪の代謝、ナイアシンは皮膚・粘膜の健康維持、葉酸は新しい細胞の合成、ビタミンKはカルシウムの吸収、カルシウムは骨、カリウムはナトリウムの排出、ナトリウムは水の保持、マグネシウムは様々な代謝と骨、亜鉛はホルモン分泌、鉄と銅は血液、マンガンは骨など、ヨウ素はホルモン分泌といった感じです。この内、髪の毛に関係していそうな栄養素をピックアップしてみると、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、葉酸、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、銅、ヨウ素となります。それぞれの栄養素の持つ効果を考えてみましょう。

まず、血糖値が高くなると細い血管が詰まりやすくなります。ビタミンB1は糖の代謝を補助してくれるので、それによって血糖値が緩やかになれば、血管が詰まりにくくなります。また糖は時間が経過すると脂肪として蓄積されてしまい、脂肪は皮脂の材料にもなります。つまりビタミンB1やB2があれば、脂肪の代謝が改善され、毛穴も詰まりにくくなります。続いてナイアシン。これは不足すると皮膚炎や口内炎などになりやすくなると言われている他、葉酸は蛋白質を新しく合成するために必要になります。一方、これらのビタミンB群はその一部を腸内でも作る事ができます。つまり食物繊維はビタミンB群の供給源になっています。

そしてカリウム。これにはナトリウム及び余分な水分の排出を促す作用があります。これにより血液循環が滞りにくくなります。ただし海藻類自体にはナトリウム(塩分)も多いため、カリウムは別の食品でも補う必要があります。また亜鉛は成長ホルモンの分泌やタンパク質の合成を促す作用があります。更に鉄や銅はヘモグロビンを作るのに必要で、末梢の細胞が酸欠になる事を防ぐ事ができます。この他、マグネシウムは様々な代謝を補助する酵素の材料として必要、ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になり、新陳代謝を改善します。

このようにコンブのような海藻類に含まれている栄養素は「頭皮及び髪の毛に良い」と言う事はできると思います。ただし海藻類には欠点もあります。蛋白質の材料となる必須アミノ酸、脂肪やコレステロールの代謝に関与する必須脂肪酸(α-リノレン酸等)、コラーゲンの合成に必要なビタミンC、蛋白質の代謝に関係するビタミンB6やB12、抗酸化作用のあるβ-カロテンとレチノール、末梢血管を拡張し抗酸化作用を持つビタミンEなど・・・実はこれらの含有量は少ないのです。つまり海藻類をたくさん食べたとしても、それで満足して他が疎かになっていては何の意味もありません。「海藻類だけでは髪の毛は作れない」という事です。
2017年8月20日日曜日

牛乳を飲んでも骨粗鬆症は治らない?

骨は芯の部分が「コラーゲン」という蛋白質の一種でできています。蛋白質は様々な種類のアミノ酸が結合したものであり、そのコラーゲンを合成する際にはビタミンCが必要になります。またコラーゲンにはリン・カルシウム・マグネシウム・マンガン・ナトリウムと言ったミネラルが沈着しており、特にカルシウムの吸収を促すにはビタミンDやビタミンKが必要になります。更にそのビタミンDは紫外線を浴びる事で体内で、ビタミンKは腸内細菌によって作る事ができます。この他、蛋白質の正常な合成の妨げとなる活性酸素の増殖を抑えるため、ビタミンAやビタミンEも必要です。そして糖・蛋白質・脂肪の代謝を補助するビタミンB群、亜鉛、鉄、銅なども必要になります。一般的には「骨=カルシウム」というイメージが強いのですが、このように骨はカルシウムだけでは作る事はできません。

特に牛乳。牛乳と言えばカルシウムのイメージです。しかし牛乳自体の栄養価は低く、骨を作るために必要なビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンKなどのビタミンは殆ど含まれていません。ビタミンAが豊富に含まれている以外、ビタミンは穴だらけなのです。またミネラルに関しても、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラルはあまり期待できません。更に乳製品は一般的に脂肪が豊富です。牛乳は確かにカルシウムが豊富ですが、牛乳だけでカルシウムを摂取しようとすれば、脂肪過多になってしまう可能性もあります。その他、牛乳に豊富に含まれているとされる蛋白質も、カルシウム同様に元々の必要量が多いため、牛乳だけでは不十分です。このように「牛乳を飲む事が逆効果になる」とは言いませんが、牛乳に固執する必要はないと言う事ができます。

ちなみに骨粗鬆症の予防を考えてみると、例えば「骨ごと食べる事のできる小魚を食べる(ただしナトリウムが多いのでカリウムを含む植物性の食品も一緒に)」「蛋白質を豊富に含む肉・魚・卵・乳製品(いずれも動物性なので脂肪の少ないものを選ぶ)、及び大豆を食べる」「ミネラルを豊富に含む乳製品・甲殻類・海藻類・キノコ類・貝類・ナッツ類を食べる(ただし海藻類はナトリウムが多いので注意)」「ビタミンCを豊富に含む緑黄色野菜・果物を食べる(水分量が多いものは注意。毎食時・毎日少しずつ摂取)」「腸内環境を整えビタミンKを作る(ただし緑色野菜・大豆からも補給)」「太陽光を浴びてビタミンDを作る(ただし浴び過ぎると活性酸素が増える。体の内部からの抗酸化)」「睡眠習慣を整える(平日休日問わず決まった時間に寝起き、明るくなったら起き、暗くなったら寝る。その上で十分な睡眠時間を確保)」「運動を行い、骨や筋肉に適度な刺激を与える」「ストレス対策をする(楽しい事をする、受け止め方を変える等。抗酸化にもなる)」などの事が重要になるでしょう。
2017年8月16日水曜日

酢を飲むと体が柔らかくなる?

酢は短鎖脂肪酸の一つである「酢酸」が主成分となっています。この酢酸は体内に入った後に肝臓で代謝され、TCA酸回路(クエン酸回路)に入る際に「クエン酸」になります。その後、TCA回路内で代謝され「ATP(アデノシン三リン酸)」が合成され、そのATPが細胞を動かすためのエネルギーになります。そしてATPが出なくなるまで代謝されると、最終的には二酸化炭素と水になります。つまり酢は単純に細胞のエネルギー源になります。

またクエン酸は乳酸の分解を促したり、筋肉内へグリコーゲンの貯蔵を促す効果があると言われています。つまり酢酸は間接的に筋肉の疲労を回復させる効果があり、これによって筋肉の「コリ」も改善される可能性があります。「酢を摂取して体が柔らかくなった」ように感じるのは、おそらくこれによるものだと思われます。元々食事制限をしていてエネルギー不足になっていたり、そういう人が多いのだと思います。

尚、酢酸は腸内細菌が食物繊維を分解する際にも作られ、腸内環境を弱酸性に保つ役割があります。腸内が弱酸性になると、ミネラルが水溶性になる事で、その吸収がスムーズにできるようになる他、悪さをする菌の働きが抑えられ、発癌性物質や汚染物質などの増殖も防ぐ事ができると言われています。

特に酢として体の外から腸の中に入ってくる量よりも、そうして腸の中で作る量の方が多いと言われています。このため「酢を摂取する事には効果がない」とは決して言いませんが、酢を大量に摂取する事よりも、食物繊維を摂取して体の中で作った方が良いと思われます。ただし食物繊維自体にはエネルギーがありません。最低限の糖・蛋白質・脂肪は摂取するようにしましょう。
2017年8月12日土曜日

ミカンを食べると全身が黄色くなる?

ミカンには黄色の色素成分が含まれているため、それが手に触れるとまず手が黄色くなります。つまりミカンを手にして食べるほどどんどん手が黄色くなっていくきます。ただしこれはあくまで一時的なもので、時間が経てば自然にもとに戻ります。

一方、毎日大量に食べた場合、体の中から全身の皮膚が黄色くなっていく事があります。これを「柑皮症」と言うようです。これはミカンに含まれている色素成分「カロテノイド(β-カロテンやβ-クリプトキサンチン等)」によるもので、それが蓄積する事で全身の皮膚が変色します。個人差は大きいですが、1日数個程度を毎日食べるだけで黄色くなる人もいれば、数十個食べてようやく黄色くなる場合もあるようです。

ちなみにカロテノイドには様々な種類があり、β-クリプトキサンチンは橙、β-カロテンは黄、リコピンは赤、ルテインは黄、フコキサンチンは黄緑・・・といった感じです。これらの中でミカンに多いのはクリプトキサンチンで、おそらくそれによるものです。またリコピンはトマト、フコキサンチンは海藻類に含まれています。