2017年7月15日土曜日

「豆知識集23」ダイエット・健康に関するQ&Aその5

この記事では『「ダイエットと健康」に関するQandA』について私なりにまとめています。相変わらず長文ですが、ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/7/15)


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Q.ストレスで太りやすくなるのは何で?

A.ストレスを受けるとまずノルアドレナリンというホルモンが分泌され、その作用によってアドレナリンやコルチゾールというホルモンが分泌されます。この内、コルチゾールはコレステロールからプレグネノロンを経て作られるホルモンなのですが、実はこのプレグネノロンはプロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモン)、エストロゲン(女性ホルモン)を作るために必要な前駆体でもあります。つまりストレスを受けてコルチゾールの分泌が増えると、それに釣られるようにしてこれらの分泌量も増える事になります。ストレスを受ける事でホルモンバランスが変化するのはこういう事があるからです。

そうして大きなストレスを受けると、性ホルモンが過剰に分泌されてしまう事があります。男性ホルモンは筋肉を成長させる作用や闘争心を増進させる作用が、女性ホルモンには脂肪やカルシウムの代謝を促す(消費も加速するが蓄積も加速させる)作用などがあります。つまりストレスを受けるとそれが強く出るようになる訳です。だからこそ、ストレスは筋肉や脂肪のつき方に変化をもたらすのです。

またコルチゾールには「グルカゴン」というホルモンの分泌を促す働きもあります。このグルカゴンは「血糖値を上げる」という作用があり、血糖値が下がった時に「どこか」から糖を持って来てくれます。ではその「どこか」とはどこなのかというと、実は肝臓には一定量の糖(グリコーゲン)が蓄えられており、それを分解して血糖値を上げようとします。しかしそれでも足りない場合、今度は筋肉にあるアミノ酸や乳酸(ただし筋肉内のグリコーゲンは再利用できない)を「糖」として利用、または脂肪を糖の代わりとして利用しようとします。このような反応を「糖新生」と言い、血糖値が下がるとそれが起こりやすくなるのです。

更に、そのグルカゴンは成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。成長ホルモンは細胞の修復をするために必要なホルモンとしてよく知られていますが、実は成長ホルモンにもこの「糖新生」を促進させ、血糖値を上げる作用があります。つまり程良いストレスは男性ホルモン・女性ホルモン・成長ホルモンの分泌を促し、男性ならばより男性らしく、女性ならより女性らしくしてくれます。しかし大きなストレスがあると、そのように糖新生が起こりやすい状態になってしまうという訳です。

一方、コルチゾールがストレスを受けて分泌されるホルモンであるため、そのコルチゾールによって促されるグルカゴンも「ストレスの影響を受ける」と言えると思います。つまり血糖値が下がった状態でなくても、大きなストレスがあればグルカゴンや成長ホルモンが分泌されやすくなり、その影響で「糖新生」が起こりやすい状態、すなわち「血糖値が上がりやすい状態」になるのです。その血糖値が上がりやすい状態で「糖を含む食品」を食べれば、血液中に糖が溢れかえり、高血糖の状態が続く事になるでしょう。体に悪いのは言うまでもありません。

そうして糖が溢れて高血糖の状態になると、今度はインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは糖を細胞内へ取り込む事によって血糖値を下げる働きのあるホルモンですが、細胞へ取り込む事のできる糖の量には限界があります。つまり糖が行き場を失って血液中を漂う事になり、更にその余った糖は肝臓や脂肪細胞で中性脂肪として蓄えられます。これがストレスが肥満に繋がる原因の一つです。

尚、大きなストレスを受ける事によってはまずセロトニンやメラトニンの分泌バランスが崩れ、その影響で睡眠習慣が崩れる事になります。またセロトニンとメラトニンの分泌バランスが崩れた影響で、今度はストレスに対する防衛反応に関係するノルアドレナリンと、一時的に大きな達成感や幸福感をもたらすドーパミンの分泌も崩れる事になります。特にドーパミンは食事をして大きな満腹感を得た時に分泌量が増えます。つまりストレスは過食症や拒食症などに繋がる可能性があるという事です。ちなみにセロトニンやドーパミンの分泌異常は鬱病やパニック障害などにも繋がると言われており、そのようにストレスと食習慣及び睡眠習慣は全て密接に関係しているのです。その意味でも「食習慣だけを改善しても効果がない」のはむしろ当たり前の事ではないでしょうか。


Q.脂肪は筋肉に変わる?

A.筋肉は蛋白質を材料にして作られており、糖や脂肪などをエネルギー源にする事ができます。一方、脂肪は体内で余った脂肪、余った糖、余った蛋白質が蓄積したものであり、必要に応じて消費されます。つまり脂肪は筋肉を動かすためのエネルギーにする事はできても、筋肉の材料として使う事はできません。よって脂肪が筋肉に変わる事はありません。

ただし筋肉が成長するためにはエネルギーが必要です。つまり脂肪が蓄積した状態というのは「エネルギーが不足していない」「栄養が十分に摂れている」事の証明でもあるので、筋肉が大きくなるための条件は整っている事になります。その状態で筋トレをすれば効率良く筋肉を大きくする事ができるでしょう。またそうして筋肉を鍛えて大きくすると、例え脂肪がついていても見た目として「脂肪がついているように見せない」事ができますし、何より筋肉が大きくなった事で糖の代謝が向上し、それによって新たな脂肪の蓄積が抑えられますから、結果としてそれが「脂肪が筋肉に変わる」ように感じているだけではないでしょうか。


Q.蛋白質を摂れば痩せるの?

A.プロテインダイエットなどの周知によって「蛋白質を摂る事が健康に良い」「高蛋白食はダイエットに良い」などと言われる事があります。確かに蛋白質は人間の体を形作るために必要不可欠な栄養素であり、特に筋肉の材料として使われています。つまり筋肉を大きくして代謝を上げるためには蛋白質を摂取しなければなりません。

しかし筋肉はある程度の負荷ストレスをかけなければ大きくなりません。また筋肉を動かすためにはそのエネルギーとなる「糖」が必要ですし、蛋白質を効率良く吸収させるためにはインスリンを分泌させる必要がありますから、その意味でも糖は摂取しなければなりません。更に、筋肉を大きくするためにはカロリーが必要であり、蛋白質だけではカロリーが足りません。よって蛋白質をいくらたくさん摂ってもそれだけでは筋肉は大きくなりません。しかも余った蛋白質は脂肪として蓄積されてしまうので、運動を行っていない人では高蛋白食というのはむしろ肥満を招くだけです。


Q.妊娠中に太るのは何で?

A.妊娠中には体に脂肪が蓄積しやすくなります。この最も大きな原因として考えられるのが「食欲の増進」です。妊娠中は胎児へ栄養を送る必要があるため、妊娠していない時と比べて栄養の必要量が多くなっています。つまり本能的により多くの栄養を求めるため、それによって食欲が増すのです。

また妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増える事になります。女性ホルモンであるエストロゲンには脂肪やカルシウムの代謝(消費も促進させるが蓄積も促進させる)を促す作用が、同じく女性ホルモンであるプロゲステロンには水分を蓄積させる作用があり、その作用によって脂肪及び水分が体内に蓄積しやすくなります。脂肪はエネルギーとして非常に優秀であり、万が一食べ物にありつく事ができない場合に備えて脂肪を蓄えようとする訳です。また脂肪は水分を蓄える事ができ、水分を蓄えた脂肪は厚く見える事になります。それによっても見た目としても肥満体型に見えるのです。例えばボディビルダーは減量中に水抜きを行って脂肪をより薄く見せようとします。

妊娠中に体脂肪率及び水分量が増える事は自然な事です。過剰に脂肪が蓄積すればそれはもちろん問題ですが、体型を気にして食事量を抑え、健康を害してしまったら意味がありません。重要なのは「必要な栄養素だけは最低限確保しておく」という事です。各種ビタミン(ビタミンA、B群、C、D、E、K)、各種ミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛、カリウム、ナトリウム、鉄分など)、蛋白質(特に必須アミノ酸)を制限しないようにし、脂肪はカロリーを確保するために調節して摂取、糖は運動量に合わせて摂取するようにしましょう。それぞれの栄養素については過去記事をご覧下さい。尚、あらかじめ脂肪が蓄積しにくい状態にしてから妊娠を考えるというのも手です。


Q.低脂肪と高脂肪、どちらが健康に良い?

A.脂肪はそれだけでかなりのカロリーがあるので、高脂肪食はカロリーを確保する事ができます。実はカロリーは筋肉を成長させるための条件の一つなのです。カロリーの確保、タンパク質の摂取、運動習慣・睡眠習慣の改善などがあれば、筋肉を成長させるための条件を整える事ができます。よって筋トレをして筋肉を大きくしたい場合、脂肪はむしろ摂取すべきです。

しかし脂肪が蓄積すると肥満体型として見た目に大きな変化を及ぼす他、肝臓に蓄積する事では脂肪肝となり、それが進行すれば肝臓癌になるリスクが高まります。また血液中に脂肪が増える事では動脈硬化や血栓の原因になり、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなります。更に脂肪の過剰な摂取は胃癌や大腸癌の原因になる他、身近な所ではアレルギー症状を悪化させるという事が知られています。すなわち処理しきれないほどの脂肪の過剰摂取を続ければ、それらのリスクが高まる事になります。筋肉を大きくしても病気になったら何の意味もありません。

一方で、低脂肪食はそのようなリスクを抑える事ができますが、同じく脂肪はそれだけでカロリー源として優秀なため、その脂肪を制限し続ける事では慢性的な「カロリー不足」に繋がる可能性があります。前述のように筋肉を維持するにはその材料となる蛋白質だけでなくカロリーも必要なので、低脂肪食は筋肉の成長を阻害する事になるのです。

また脂肪はそもそも体になくてはならない栄養素の一つです。例えば男性ホルモンや女性ホルモンなどは脂肪の一種であるコレステロールが材料として使われている他、脂溶性ビタミンの吸収を促したり、皮膚を正常に形成・維持・保護するなどの役割もあります。余った糖や蛋白質は脂肪として使う事ができるので、低脂肪食の方が良いように思いますが、脂肪を極端にカットするとそれらが正常に機能しなくなる事があります。

高脂肪食と低脂肪食・・・結局どちらにしても極端に考え過ぎない事が「健康」に繋がるのではないでしょうか。ちなみに糖を制限する際には、筋肉の材料のために蛋白質を摂取し、基礎代謝量に合わせてカロリー確保のために脂肪を摂取する必要があります。また脂肪を制限する場合には、糖を運動量に合わせて摂取、蛋白質をやはり筋肉の材料のために摂取し、カロリー不足分を脂肪で補う必要があります。少なくとも「単に制限すれば良いという訳ではない」という事は言えると思います。


Q.巻くだけダイエット、効果ある?

A.「巻くだけダイエット」とは、特定の部位をバンドなどで締め付ける事で「何らかの効果」を得るというものです。例えば太ももや二の腕などにバンド巻いて脂肪を締めつけると、脂肪への血流が阻害(筋肉は締め付けない?)され、脂肪細胞の成長が止まり、それによっていわゆる「部分痩せ」の効果があるとされています。脂肪は水分を蓄える事ができるので、締め付ければ水分も上手く排出されるようになり、「浮腫(むくみ)」の改善にも繋がると言われています。また骨盤の辺りにバンドを巻く方法では骨の位置が矯正され、周囲の筋肉が正常に機能するようになるため、その状態で筋トレを行えばその効率が上がると言われています。少し前までは「ラップを巻くだけ」の方法が有名ですが、最近では骨盤を今日市営する方法の方がよく知られています。

ただし結論から言うと、いずれもその効果は一時的なものです。いくらバンドなどで締め付けて矯正しても、それはバンドの力で矯正されているのであって、自分の力で矯正されている訳ではありません。24時間ずっと体を締め付けておく訳にはいかないですから、いつかはそのバンドを外さなければならず、矯正力に持続力がないのです。つまり骨盤なら骨盤がずれた原因、脂肪なら脂肪が蓄積した原因、浮腫なら水分代謝が崩れた「元の原因」を改善しない限り、どれだけ強い力で締め付けてもいずれは元の状態に戻ってしまうという事です。特にその締め付ける圧力によっては関節付近にある重要な組織や筋肉の血流が阻害される事もあり、それによっては筋肉の成長が妨げられたり、疲労物質が蓄積しやすくなって逆に筋肉が凝り固まってしまう事もあります。その結果、締め付けた場所だけが異様に細くなり、他の部位とのバランスが崩れ、逆にスタイルが悪く見えてしまう事にも繋がるでしょう。

骨盤を矯正したいのであれば物理的に締め付けて矯正する方向で考えるのではなく、骨盤の周囲にある筋肉(中臀筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、腹斜筋、腹直筋、広背筋等)を鍛え、その筋肉の力によって骨盤を矯正しましょう。またその筋肉が衰える原因となるような日常生活(猫背、長時間座ったまま・寝たまま、歩幅が小さい・ガニ股・内股、正座・胡座・女の子座り等)にも目を向け、それを改善させましょう。そうすればバンドで矯正しなくても、自分の力で骨盤を矯正する事ができます。人によってはまずは整体などを利用し人の手を借りる必要がある場合もありますが、いずれは自分の力だけでしなければならない事です。その意識を強く持ちましょう。

尚、二の腕や太ももなど特定の部位の脂肪は「全身の脂肪の増減」に伴って変動するため、全身の脂肪が減れば自然と「部分痩せ」になります。よく言われているのが「その部位の筋肉を使う=脂肪が燃える」という事ですが、特定の部位を引き締めるような筋トレでは脂肪ではなく糖が消費されます。よって二の腕にある筋肉や太腿の筋肉を使ったからと言って、そこにある脂肪が減る訳ではありません。ただし筋肉を鍛えれば例え脂肪がついていても引き締まって見せる事ができますし、筋肉を使う事で血流が促されれば水分も排出されるようになる(カリウムの摂取も必要)ため、浮腫の改善によって細くなるという事はあり得ると思います。むしろ筋トレの目的はそこにあるのです。


Q.1日30品目以上食べると健康に良いのは本当?

A.「1日30品目」というワードは1985年に厚生労働省が作成した「健康づくりのための食生活指針」で提唱された栄養目標が元になっています。

そのワードをそのまま受け取ると、バランス良く栄養を摂取するために「30品目すなわち様々な食品をメニューに取り入れよう!」という意味になりますが、実はこれは少し違っていて、元々は「癌の予防」のために提唱されたものと言われています。例えば動物性の食品に含まれる脂肪には過剰に摂取すると癌の原因になるとされるものがあります。つまりそれだけをたくさん食べてしまうと癌のリスクが高まる事になるので、色んな食品を食べる事でそのリスクを分散させるという意味があったそうです。しかしこれを信仰し過ぎた人たちの間で逆に食べ過ぎが問題になったり、食費がかかり過ぎて継続が現実的ではなかったり、そもそも何故30品目なのか?などというツッコミがあったりと、科学的根拠が乏しい事や誤解を招く事から2000年~及び現在では削除され、「主食・主菜・副菜を基本に、多様な食品を組み合わせ、必要な栄養素を摂る」などというような表現になっています。

私のブログでは何度も言っているのですが、食品を選ぶ際には「五大栄養素をバランス良く摂取する」という点から考えるのがオススメです。炭水化物を多く含む食品、蛋白質を多く含む食品、脂肪を多く含む食品、ビタミンを多く含む食品、ミネラルを多く含む食品。炭水化物、蛋白質、脂肪はエネルギーになるので人によってその量は考える必要はありますが、それぞれから数種類ずつ選んで食品に取り入れていけば、自然とバランス良く栄養を摂る事ができるはずです。


Q.タバコとお酒の害について教えて

●タバコについて

タバコには「ニコチン」という神経に有害で依存性のある成分が含まれています。この依存症はアルコールとは比較にならないほど強力であり、一説には「覚醒剤にも匹敵する」と言われるほどです。これが禁煙するのが難しいと言われる大きな原因となっています。またニコチンには胃酸を過剰に分泌させて胃に過剰な負担をかけたり、不必要に毛細血管を収縮させて心肺機能を低下させたり、ビタミンCを破壊する事でコラーゲンの合成を阻害(肌荒れ・老化・骨粗鬆症・動脈硬化の進行等)するなどの作用があると言われています。

更に、タバコには「タール」と呼ばれる発癌性の高い物質が含まれており、過剰に吸う事では単純に悪性腫瘍(癌)ができやすくなります。特にこのタールは粘り気が非常に強いとされており、それ故に仮に禁煙できたとしてもなかなか体から抜けません。またタバコの煙には「一酸化炭素」も多く含まれています。例えば火事のニュースが出た際に「一酸化炭素中毒」という言葉がよく聞かれますよね。そのように一酸化炭素には酸素の吸収を阻害し、酸欠状態もしくはそれに近い状態にする効果と動脈硬化を促進する効果があると言われています。当然、呼吸器や循環器の機能は低下する事になりますし、動脈硬化になれば心筋梗塞や脳梗塞など致死率の高い病気のリスクが増える事になります。その他、タバコはそのように血流を悪化させるため、特に足など末端にある怪我を悪化させる事が知られています。

ここからは別の見方をしてみますが、日本のタバコには税金がかけられています。最近では特にタバコやお酒に税金を上乗せする傾向が強く、この先もその値段はどんどん高くなっていくと予想されます。定期的に買っていれば自分が気づかぬ内に相当な出費になっているはずですし、それだけのお金をわざわざ払ってまで吸っても、前述のように人の体にとって役に立たない物質しか含まれていないのです。体に必要のないものを買うぐらいなら、その分のお金を自分のコレクションのために使ったり、好きな食べ物のために使ったり、栄養の補助のためにサプリメントを買ったり、あるいは健康に関する本を買って読んだり、自分の愛する家族のために使った方が自分のためになるのではないでしょうか。

ちなみに「タバコを吸うとストレス解消になる」と思われていますが、前述のようにタバコには体に悪い成分が多く含まれており、それによる心身へのストレスの方が実際には遥かに大きいのです。つまりストレスがタバコを吸わせているのではなく、一度吸った事によって単に依存しているだけです。タバコはそれを吸う事自体がストレスであり、ストレスは身を滅ぼします。自分のためにも家族のためにも吸っている人は禁煙を考えるべきだと私は思います。

●お酒について

お酒に含まれる「アルコール」は多くの生物に対して毒性を有す栄養素の一つです。そのためアルコール以外の栄養素に対する処理が疎かになってしまう事があります。それは個人差が大きく、特にアルコールに生まれつき弱い人ではそれによる栄養不足・吸収不全が起こりやすくなります。またアルコールは神経系へ大きく作用します。これも個人差が大きく、特にアルコール処理能力の弱い人や成長期の人の脳ではその影響を受けやすいと言われています。よく知られているのが「脳が萎縮して小さくなる」という事です。そこまで行かなくても気づかぬ内に記憶力、判断力、集中力、理性(感情を抑える事ができなくなる)の低下などが起こる可能性があります。

またその神経系への影響は「依存性」をもたらします。タバコに含まれるニコチンほどではありませんが、アルコールを摂取する事が一度習慣化すると、自分では簡単には止められなくなります。それに加えて前述のような脳への影響から、「お酒を止めて」と周囲に言われると逆に反抗するため、周囲も止める事が難しいのが厄介なのです。その他、アルコールは臓器の健全な成長や性機能の正常な発達を妨げると言われています。だからこそ未成年では飲む事が法律で禁止されているのです。特にアルコール処理能力が弱い人が一度に大量のアルコールを摂取すると「急性アルコール中毒」になる事もあります。これは命に関わる事もある深刻なものであり、アルコールはそういう危険と常に隣り合わせなのです。

日本の社会はお酒と非常に密接な関わりがあります。しかし最近はその悪い面が表に出る事が多く、例えば上司や先輩などの命令またはその場の雰囲気・ノリで、無理やり飲んだり飲まされたりという事が日常的な光景として見られますが、一度でもそのお酒を断ると、それだけで人間関係が悪化するという話をよく聞きます。私はそれが当たり前とされているこの世の中に対して大きな危機感を覚えます。お酒を断ったぐらいで「コミュ障」「ノリが悪い」「仲間外れ」「上司の酒が飲めないのか」「出世しない」「減給」だなんて、そもそもお酒は「嗜好品(しこうひん)」であり、社会や周囲から強要されるべきものではありません。お酒を自分の意志で飲まないようにしている人(宗教上の理由、ストイックに体を鍛えている人など)もいれば、物理的に飲めない人(生まれつき弱い、アルコールアレルギーを持つなど)もいる訳で、そのような人たちがお酒を飲まなくても社会で不利にならないよう、世の中が変わって行く事を切に願います。

我々大人にとってお酒という存在があまりにも当たり前な存在のため、その当たり前を「お酒が当たり前ではない人」に対しても何の悪気もなく押し付けてしまいます。それによってお酒を飲まなかったり、飲めない人を蔑むという事が日常的に起こっているのです。これは私が信条としている事の一つですが、例え多くの人にとって当たり前な事であっても、それが全ての人にとっても当たり前であるとは限りません。「当たり前」をただ何も考えずに受け入れ、それを続けるだけでは現状は何も変える事ができないのです。「自分の理解できないような当たり前を許す事」こそが、自分や自分の周囲、そして社会全体をより良くしていくのだと私は思います。

●お酒は太る?太らない?

アルコールは基本的にエネルギーが殆どありませんが、前述のように生物にとっては「毒物」であるので、大量に摂取すればするほど処理が難しくなります。それによって二日酔いのような症状になる事はもちろん、他の栄養素の吸収を阻害する事もあります。またアルコールは食欲を増進させる作用があり、摂取する栄養の量も増える事(特に同時に食べる食品は糖分・脂肪分・塩分が含まれるものが多いため)になります。アルコールの持つ害と「アルコール以外の食品」が合わさる事では、我々の想像以上に臓器へ大きな負担をかけているのです。そのような食習慣を続けていれば体に悪いのは言うまでもありません。尚、アルコールは消毒に使われており、殺菌効果があります。大量に摂取し腸内に長く留まると腸内細菌のバランスが崩れる事もあります。

ちなみにアルコール飲料には糖質が含まれているものがあります。例えばビール、発泡酒、日本酒、梅酒、紹興酒など(それぞれ製造方法や商品にもよる)は基本的に糖質が含まれており、大量に飲酒すれば糖を摂り過ぎてしまう事が多い(前述のように一緒に食べる食品にも糖質が多いため)です。また健康に良いとよく言われるワインにも糖質(1杯1~4g程度)は含まれており、何杯も飲めばビールなどと同じ事です。特にこれらは比較的アルコール度数は低いのですが、度数が低ければ大量に飲んで大丈夫という訳ではないので注意が必要です。逆に焼酎、ブランデー、ジン、ラム、ウォッカ(いずれも商品によるが)などはいずれも糖質が殆ど含まれていませんが、全体としてアルコール飲料は度数が高めなのでそれはそれで体に悪いです。特に度数の高いアルコール飲料は肝臓はもちろん、飲んだ瞬間にも口・食道・胃の粘膜に大きな負担をかけるので注意しましょう。


Q.卵は1日何個まで?卵とコレステロールの関係は?

A.卵は栄養価の高い食品として知られています。一方で動物性の食品の一つであり、脂肪が多く含まれているため、大量に食べると脂肪を摂り過ぎてしまう事があります。それにより以前は「血中コレステロール値を上昇させる食べ物」とされ、1日1個までなどと言われていた事もありました。しかし実は最近になって「食品に含まれる脂肪がコレステロール値に関係するという根拠はない」という研究発表がなされ、その常識が覆されたのです。つまりコレステロール値は食習慣による影響を受ける可能性はゼロではありませんが、食習慣以外の様々な要素による影響の方が大きいという事です。よって卵を食べる事を制限する事はむしろ栄養不足が懸念されます。

尚、卵にはレチノールが豊富に含まれています。レチノールは動物性の食品に含まれるビタミンAの事で、皮膚や粘膜の健康維持に関係する必要不可欠なビタミンの一つです。しかし脂溶性ビタミンのため体に蓄積しやすく、過剰摂取による副作用が出やすいビタミンでもあります。レチノールは肝臓から脂肪酸と一緒に必要とされる場所へ運ばれますが、過剰に摂取すると肝臓に入る事ができず、レチノールを必要としない細胞に送られてしまいます。また卵の脂肪には「アラキドン酸」という脂肪酸が多く含まれています。アラキドン酸は必須脂肪酸である「ω-6脂肪酸」で、体に無くてはならない脂肪の一つです。しかし同じくω-6脂肪酸であるリノール酸からも作る事ができるため、過剰摂取のリスクが大きい脂肪酸です。これを過剰に摂取するとアレルギー症状・炎症反応を悪化させると言われています。

よって確かに「卵を制限する必要はない」事には違いありませんが、栄養価が高いから、タンパク質が豊富だからと言って何十個も食べる必要はありません。数個程度食べられる時に食べるようにしましょう。ちなみに格闘家やボディビルダーなんかでは生卵の白身だけを食べる人もいますが、卵の蛋白質は生の状態よりも加熱した方が実は吸収率が高まります。