2017年6月24日土曜日

「筋トレ法7」肩の筋肉を大きくするためのトレーニング

この記事では『肩の筋肉を大きくするためのトレーニング法』について私なりにまとめています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/6/24)


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★筋トレを行う際の注意点などについて

●肩・肩甲骨の動きに関係する筋肉について

腕や肩、肩甲骨を動かす際に関わる大きな筋肉の名前を挙げると、首の付け根(体の後ろ側)から肩甲骨全体及び背中の上側を覆っている「僧帽筋」、背中全体を覆っている「広背筋」、肩の関節全体を覆っている「三角筋」、腕の骨と肩甲骨の下側(腕の骨側)を結んでいる「大円筋」、胸全体を覆っている「大胸筋」があります。また腕の表側にある「上腕二頭筋」や裏側にある「上腕三頭筋」も肩の動きに関係しています。

その他ではいわゆるインナーマッスルをはじめとする小さな筋肉(肩甲挙筋、小胸筋、菱形筋、前鋸筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋など)が、それら大きな筋肉の動きを制御する働きを持っています。インナーマッスルについて詳しくは『「筋トレ法6」肩のいわゆるインナーマッスルについて』をご覧下さい。

このように肩や肩甲骨を動かす際には様々な筋肉が関係しており、単に「肩を鍛えよう」とするだけでは中々上手くいかないという事がよくお分かりいただけたかと思います。それぞれの筋肉の場所やその筋肉が収縮→伸展する角度や方向、そしてその筋肉の関わる動作をしっかり理解した上でトレーニングを行いましょう。

●日本人は「肩を鍛えて大きくする」という考えに至らない

日本人男性では腕の筋肉を鍛えて大きな力コブを手に入れる事を目指したり、あるいは腕を太くするために腕立て伏せ(腕立て伏せでは腕の裏側や胸は鍛えられても、力こぶや肩は大きくならない)をしようとします。一方女性では二の腕をシェイプアップしようと腕の裏側にある筋肉を鍛えようとします。

しかしそのように「腕の筋肉を鍛える」という考えには至るのに、何故か「肩の筋肉を鍛える」という考えには至らない人が多く、肩だけは頑なに鍛えようとしません。その結果、「筋トレをして体を鍛えている」と自称する人に限って、腕と肩の筋肉のつき方に差が生まれ、見た目としてバランスが悪くなってしまうのです。まぁ単純に「腕立て伏せ」は知っていても肩の鍛え方は知らない人が多いというのも理由になっていますが。

例えば胸やお尻の筋肉を鍛えて大きくすると、その中間にあるウエストがクビレて細く見えるようになります。これは人間の体の構造的を利用した目の錯覚で、胸とお尻には大きな骨がある事で元々太く、またウエストには内臓と背骨しかないので元々細い・・・その骨格的な特徴を、筋肉を鍛える事で強調して見せる事ができるのです。これは肩も同じ事で、肩の筋肉を鍛えて大きくすると、腕の筋肉との境界にクビレができ、肩の大きさと腕の大きさをそれぞれ強調する事ができます。それによってメリハリついて見た目のバランスが良くなり、そこまで筋肉を大きく鍛えていなくてもスタイルが良くなります。その意味でも肩を鍛えて大きくする事は大きな意味があります。単に腕立て伏せや腹筋を行うのではなく全体的なバランスを考えましょう。

ちなみにこの「大きい場所と小さい場所の差をつける」という事ができれば、「例え多少脂肪がついていても、太って見せないようにする」事ができるようになります。つまり「何かを食べない」というような極端なダイエットをする必要がなくなり、バランス良く栄養を摂る(糖や脂肪を変に制限しなくても良い)方向へスイッチする事ができるのです。適度に好きな食べ物を食べた方が心も健康です。

●筋トレは必ず無酸素運動で行う事

いわゆるインナーマッスルのように大きな負荷を与えないトレーニングでは別ですが、大きな負荷を与えて筋肉の肥大を目指すようなトレーニングでは「短時間で済ます事」が基本です。具体的に言えば「ある程度大きな負荷を与え、反復回数を減らし、時間を短縮する」「フォームを正しく行い、できるだけ目的の筋肉だけを使うよう意識する」「曲げ伸ばしの過程で筋肉を緩めずに行う」などが重要になるでしょう。

ただし例え「無酸素運動」であっても呼吸を全く行わず、頭に血が上るほど力んでトレーニングを行うのは非常に危険です。力んで呼吸が止まると血流が滞るため、細胞への酸素や栄養が不足した状態になります。その習慣が続けば筋肉以外の細胞がどんどん死滅していき、知らず知らずの内に健康を害してしまいます。また呼吸を再開させた瞬間には止まっていた血流も急激に再開され、一度に大量の血液が流れる事になります。この時に弱い血管があれば簡単に破れてしまうでしょう。それが脳や心臓で起これば即命に関わりますし、重要な臓器で起これば健康を害するだけです。

トレーニングを行う際には日々の体調管理に注意し、また決して力まず無理をせずに行いましょう。無理をしたって筋肉は1日でつくものではありません。特に肩は痛めやすい関節であり、焦る必要はないのです。

●筋肉には血液を運ぶためのポンプ作用がある

血液は心臓のポンプ作用によって太い「動脈」を通って勢い良く全身へ運ばれ、指先や足先など心臓から遠い場所まで血液を送ります。そうして動脈を通って全身に送られた血液は、その後「静脈」を通って心臓まで戻ってきます。しかし静脈では心臓から遠いほど重力に逆らわなければならないので、心臓の力に頼らず血液を戻さなければなりません。そのためには「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要になり、そのポンプの役割を果たすのが実は「筋肉」なのです。筋肉を動かす事で血流が改善されるのはこれがあるからです。それにより血流障害による首・肩コリや浮腫なども改善する事ができるでしょう。

また筋肉を鍛えていくと、その筋肉にある毛細血管が細かく枝分かれしていきます。これは鍛えている筋肉により多くの血液を送ろうとするからで、これによっても血流を改善する事ができます。何より筋肉には収縮させる事で熱を作り出す役割があるため、より多くの血液を温める事ができれば体温を保つのも容易になります。つまり冷え性なども改善する事ができるという事です。

更に、筋肉はそれを動かすために糖などのエネルギーが必要であり、普段から糖を筋肉内に蓄えています。糖を消費する習慣がある場合、筋肉内に蓄えられた糖が消費された時に「次に訪れる糖を消費する場面に備え、糖を蓄えようとする」という事が行われます。つまり毛細血管が枝分かれして筋肉へスムーズに糖が送られるようになると、筋肉が「糖の逃げ道」になるという事です。消費しきれなかった糖は時間経過で脂肪として蓄えられてしまうので、そのような事が日常的に行われれば結果として糖の蓄積及び脂肪の蓄積を防ぐ事ができ、肥満の予防にもなります。



★肩・肩甲骨周りの大きな筋肉を鍛えるトレーニング法

ここからは肩や肩甲骨周りにある大きな筋肉を鍛えるためのトレーニング法を紹介します。尚、ストレッチ法については『「ストレッチ法2」首・肩コリ予防編』をご覧下さい。最低限肩や肩甲骨の動かし方を覚えてから行った方が安全です。ただしそれでも肩は痛めやすい関節であり、特に「捻る」という動作に非常に弱いです。フォームを正しく保つように意識し、フォームが崩れるリスクのある大きな負荷や反動は使わないようにしましょう。決して無理はなさらないで下さい。

●シュラッグ(肩甲挙筋・僧帽筋)

足を肩幅に開いて立ち、姿勢を正します。そして両手に重りとなるものを持つか、足でチューブを踏んでお固定しその端を両手に持ちます。その状態になったら肘をできるだけ曲げないようにして肩を上へ持ち上げていきます。この時、力んで頭や首が前へ出ないようにし、腕は体側に沿うような形で行うように注意しましょう。また背中が曲がらないよう、肩はできるだけ直上に挙げるように意識します。

そうしてこれ以上持ち上がらないという所まで行ったら、今度はゆっくりと下げていきます。単にストンと肩を落とすのではなく、負荷に耐えるようにしながらゆっくりと下げましょう。そして更に完全に脱力させないよう切り返し、再び肩を持ち上げる動作へ移行させます。

この「肩を上げる→下げる」を1セットとし、20回(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)行いましょう。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。尚、このトレーニングでは僧帽筋と肩甲挙筋を鍛える事ができます。特に肩甲挙筋に効かせるには、肩を持ち上げる際に左右の肩甲骨を寄せて挙げるようにすると効果的です。ただし肩は前後に動き過ぎないように注意しましょう。


●ワンハンド・ロウイング(僧帽筋・広背筋・大円筋・三角筋後部)

両手・両膝をつけて四つん這いの状態になり、肩~腰までのラインが床と垂直になるようにします。そして左右どちらの手でも良いので重りを持ち、体側へ近づけるようにして肘を後方へ持ち上げていきます。この時、腕の筋肉は脱力させ、できるだけ肩の後ろ側にある筋肉を使って肘を持ち上げるようにします。重りを持っている方の肩は上下させないように保ち、肩と背中を後方へ引くイメージで行いましょう。また重りを持っていない方の肩や腰はできるだけ動かないように注意します。

そうして肘を持ち上げたら、今度はできるだけ負荷に耐えるように意識しながら、ゆっくりと肘を降ろしながら伸ばしていきます。降ろしていく際には、それに連動させるよう重りを持っている方の体(腰骨~背中~肩まで)を前へ倒していきましょう。一方で重りを持っていない方の肩や腰はできるだけ動かさないので、簡単に言えば「重りを持っている方の体で床に向かってパンチをしている」状態になっています。

その状態になっても肩はできるだけ脱力しないようにしましょう。そして再び肘を持ち上げる動作へ移行させ、肩と背中を後方へ引いていきます。この肘(背中と肩)の上げ下げを1セットとし、20回程度(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)行います。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。

ちなみにこれは立った状態でも行う事ができます。まず足を肩幅に開いて立ち、軽く膝を曲げます。続いて少しだけ上半身を前へ倒し、その状態でチューブを両足で踏み、両端をで手で持ちます。あとは同じように肘を後方へ引く事で行うだけです。その他ではいわゆる懸垂(チンニング)において、肘を体へ引きつけるような意識で行う事でも同じようなトレーニングになります。そちらはこのトレーニングよりも筋力が要求されるので難易度は高めですが、上半身の筋肉をまとめて鍛える事ができるのでオススメです。


●ショルダー・プレス(三角筋・僧帽筋)

足を肩幅に開いて姿勢を正して立ち、左右どちらでも良いので手に重りを持ちます。もしくは左足と左手、右足と右手の組み合わせでチューブを持ち、ある程度の負荷がかかるように長さを調節します。そしてちょうど肩の横の高さ(肘は真横ではなく少しだけ前。肩は前後させない)まで肘を持ち上げます。ショルダー・プレスではその位置からスタートする事になり、それ以上下げない状態を保って行う事になるので、その高さを覚えておきましょう。また肘が直角になるようにし、肘の直上に手が来るようにもしておきます。

その状態になったら、重りまたはチューブを持った手を上に持ち上げていきます。この際には「手をできるだけ垂直に挙げる」という事を意識しましょう。その意識を強く持って上げていくと「結果として肘が伸ばされる」事になり、腕の筋肉を脱力させる事ができます。つまり腕の筋肉の力で手を挙げるのではなく、肩の筋肉を使って手を挙げる事ができるのです。そうして腕の力コブの部分が耳にギリギリつくぐらいにまで上げていきましょう。ただしやはり肘は前後しないように注意して下さい。常に直上を意識します。

続いてそのように腕を持ち上げたら、今度は最初に説明したスタートの位置までゆっくりと降ろしていきます。勢いに任せて降ろすのではなく、脱力させないように、また肩の高さよりも下へ肘が下がらないように注意しましょう。もしこの時に肩よりも肘が下がってしまうと、人によっては肩関節にある腱や靭帯が擦れてしまい、それが肩を痛める原因になる事があります。そうしてスタート位置まで戻ったら、再び肩の筋肉を使って肘を持ち上げる動作へ移行します。

この「肘を上げる→下げる」を1セットし、20回(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)行います。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。尚、このトレーニングでは肩の高さよりも肘を下げずに行うため、肩関節に不安があってレイズ系(フロントレイズ・サイドレイズ・リアレイズ)のトレーニングができない人でも行う事ができます(人による)。ショルダー・プレスでもできないという人は上記のリンクにあるストレッチを習慣として行ってからにしましょう。


●レイズ系種目(三角筋・僧帽筋)

・フロントレイズ
足を肩幅に開いて姿勢を正して立ち、左右どちらでも良いので手に重りを持ちます。もしくは左足と左手、または右足と右手の組み合わせでチューブ(チューブの場合は片手ずつの方がやりやすい)を持ち、ある程度の負荷がかかるように長さを調節します。そして左手なら左の太ももの前辺り、右手なら右の太ももの前辺り(太ももにはつけない)に手を置いておきます。

その状態になったら肘を伸ばしたまま、かつ手の甲が天井を向くようにしてゆっくり手を上に上げていきます。そうして手がちょうど肩の高さ(胸の上面ではなく肩の正面に上げる)になるまで持ち上げましょう。ただしこの時に肩を前へ出したり、上へ上がった状態で手を上げてしまうと肩関節に不要なストレスがかかります。必ず肩関節が前後左右上下にズレないように強く意識して行いましょう。

そうして肩の高さまで手を上げたら、その高さよりも上には上げずに切り返し、今度はゆっくりと下ろしていきます。その際には勢いをつけて下ろすのではなく、負荷に耐えるようにして下ろすようにしましょう。そしてスタートの位置まで戻していくのですが、完全には戻さず途中で止め、かつチューブがピンと張った状態を保ち、脱力させないまま再び手を持ち上げる動作へ移行させます。

この「太ももの前辺りから手を前に上げる→下げる」を1セットし、20回程度(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)行います。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。尚、このトレーニングは後述のサイドレイズほどではありませんが、人によっては手を上げ下げする間に肩関節への痛みや組織の擦れを感じる事があります。その場合にはフォームをチェックする(特に肩が前後していたり上へ上がっていないか)か無理をせず休止し、他のトレーニングで代用しましょう。

・サイドレイズ
足を肩幅に開いて姿勢を正して立ち、左右どちらでも良いので手に重りを持ちます。もしくは左足と左手、または右足と右手の組み合わせでチューブ(チューブの場合は片手ずつの方がやりやすい)を持ち、ある程度の負荷がかかるように長さを調節します。また左手なら左の太ももの横辺り、右手なら右の太ももの横辺り(太ももにはつけない)に手を置いておきます。

その状態から肘を伸ばしたまま、かつ手の甲が天井を向くようにしてゆっくり手を横に上げていきます。手がちょうど肩の高さ(肩の真横ではなく少しだけ斜め前。天井方向から見て自分の肩甲骨の向きに合わせる事)になるまで持ち上げましょう。ただしこの時はやはり肩を前へ出したり、上へ上がった状態で行ってしまうと肩関節に不要なストレスがかかります。必ず肩関節が前後左右上下にズレないように強く意識して行いましょう。

その高さまで手を上げたら、肩の高さよりも上には上げずに切り返し、今度はゆっくりと下ろしていきます。その際には勢いをつけて下ろすのではなく、負荷に耐えるようにして下ろすようにしましょう。そしてスタートの位置まで戻していくのですが、完全には戻さず途中で止め、かつチューブがピンと張った状態を保ち、脱力させないまま再び手を持ち上げる動作へ移行させます。

この「太ももの横辺りから手を上げる→下げる」を1セットし、20回程度(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)行います。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。尚、このトレーニングは人によって手を上げ下げする間、肩関節への痛みや組織の擦れなどの違和感を感じやすい種目です。その場合にはフォームをチェックする(特に肩が前後していたり上へ上がっていないか)か無理をせず休止し、他のトレーニングで代用しましょう。

もしどうしてもサイドレイズ行いたい場合には「肘を90度程度に曲げた状態を保つ(ただし手首は前腕の方向と一致・固定する)」「肘の側面を天井に向けるように上げていく(肘が天井へ向かない)」「体の真横ではなく少し斜め前に上げる」ように行う事で多少マシになります。ただし難易度は高めです。

・リアレイズ
足を肩幅に開いて立ち、背中が丸くならないように姿勢を正します。そして股関節を軸にして上半身を前へ倒し、その状態で左右どちらかの手、もしくは両手に重りを持ちます。ただし上半身を前へ倒した際、重力で肩が前へ出る(床の方向へ下がる)事があり、そのまま始めると肩関節を痛めてしまいます。必ず肩はできるだけ背中と同じ高さになるように保ちます。

その状態になったら胸の正面から、腕を後方へ引き上げるようにしてゆっくりと持ち上げていきます。ただしこの時には肘をできるだけ曲げず、また肩を支点にして持ち上げていくので、上半身もできるだけ動かさないようにします。もちろん力んで肩が上に上がらないようにも注意します。そうして肩や背中の高さよりも少しだけ後方まで引き上げましょう。決して反動もつけず、自分のできる範囲で構いません。

限界まで腕を持ち上げたら、今度はゆっくりと戻していきます。ただしやはり完全には脱力しないようにスタートの位置までは降ろさずに途中で止め、また前述のように肩が重力で前へ出ないように意識します。そして切り返し、再びゆっくりと腕を持ち上げる動作へ移行させる事が重要です。

この「胸の上面から腕を後方へ広げる→降ろす」という動作を1セットとし、20回程度(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)行います。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。尚、このトレーニングも人によっては手を上げ下げする間、肩関節への痛みや組織の擦れなどの違和感を感じる事がある種目です。その場合にはフォームをチェックする(特に肩が前後していたり上へ上がっていないか)か無理をせず休止し、他のトレーニングで代用しましょう。難易度は高めですが腕の筋肉を脱力する事ができれば、腕を後方へ持ち上げる際に肘を曲げて行う方法もあります。


●チンニング(前腕筋・上腕二頭筋・僧帽筋・広背筋・大円筋)

チンニングとはいわゆる「懸垂」の事です。まず両手を天井方向へ上げ、手を肩幅かそれより少し広めに開いてバーなどに掴まります。またその状態でバーにぶら下がってみて、肩が上へ上がらないように意識します。つまり肩を下げた状態を維持して懸垂を行う事が重要です。

その状態になったら、さっそく足を浮かせるようにして肘を曲げていき、バーに顎を近づけていきます。ただしこの際には、反動を使ったり、腕の筋肉を使って無理やりに体を持ち上げるのではなく、「肘を体側へ引き寄せる」ようにして体を持ち上げましょう。また肘は常に手首の下に位置(前腕はバーと垂直にする。ただし「できるだけ」という意味)するように保ち、肘を外側へ大きく広げて脇が開いたりしないように注意します。そうする事で、腕ではなく背中の筋肉を主に使う事ができます。

そうして上半身を持ち上げたら脱力しないように切り返し、今度はゆっくりと体を戻していきます。ただしやはりスタートの位置までは降ろさずに途中で止めます。そしてそこから切り返しを行い、脱力せずに再び前述の上半身を持ち上げる動作へ移行させましょう。もちろんこの間には腕の力だけを使うのではなく背中を意識し、また肩が上へ上がらないように注意します。

この「反動をつけずにゆっくり体を上げる→下げる」という動作を1セットとし、15回程度行います。また休憩を上手く挟んで2~3セット行いましょう。腕立て伏せと同じで何十回も反復する必要はありません。尚、このトレーニングもサイドレイズと同じように、人によっては肩関節に違和感を感じやすい種目です。その場合にはフォームをチェックする(特に肩が上へ上がっていないか、不用意に腕を捻っていないか)か無理をせず休止し、他のトレーニングで代用しましょう。

もしどうしてもチンニングを行いたい場合には「肘を90度程度に曲げた状態を保つ(体を下げていく際、肘が90度になる角度で止め、肩よりも肘を下げずに切り返す)」ようにして行うか、「両手の幅を狭め、腕・肘を胸やお腹に引き寄せるようにして行う」事で多少マシになります。ただし特に後者は腕力を必要とします。



●インクライン・ベンチプレス(上腕三頭筋・大胸筋上部・三角筋前部)

上半身を少し起こした状態(体を横から見て胸が斜めになっている)になるように仰向けに寝ます。続いて手にダンベルまたはバーベルを持ちますが、手の幅は肩幅程度だとややバランスを取るのが難しいので、少し広めに取ります。そして腕立て伏せと同じように肘を少し斜め方向へ移動させる(脇腹から少し離す程度の位置。またその肘の直上に重りが来るようにする)ように曲げ、重りを天井へ向かって垂直に上下させましょう。そのように肘を常に一定の方向へ移動させるように意識すれば、肩の怪我を予防する事ができます。

これも「負荷に耐えながらを重りを下ろしていく動作」の方が重要なので、腕を降ろしていく際には少しゆっくり行う事を意識しましょう。また肘を曲げ伸ばしする間ではできるだけ脱力しないように切り返し、できるだけ筋肉を収縮させた状態で行う事も重要です。そのように行う事で反復回数を減らし、筋トレの効果を上げる事ができます。

重さにもよりますが、1セット20回程度で十分(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)です。休憩を上手く挟んで2~3セット程度行いましょう。尚、バーベルを用いたバーベルプレスではバーベルを持った手を真っ直ぐなまま行うため、前述の肘の方向さえ注意すればフォームが崩れにくいというメリットがあります。一方、左右別々にダンベルを持って行うダンベルプレスでは、手の向きが固定されないのでやや難易度が高くなります。その他、特殊な例では「フットボールバー」と呼ばれるバーベルがあり、これを用いるとバーベルを持った手を斜めのまま固定し、肘を脇腹近くに移動させたまま行う事ができ、違った刺激を与える事ができます。


●ディップス(上腕三頭筋・大胸筋下部・三角筋前部)

平行に並んだある程度の高さのある2本のバーを左右の手で持ち、肘を伸ばした状態で姿勢を正します。バーの高さは足が浮くほどになると負荷が大きくなりますが、手にしっかり体重が乗せられるのであれば、床に足がついた状態で行っても構いません。

その状態になったら、伸ばしていた肘をゆっくり曲げていきますが、肘を曲げていくのに連動させるよう、腰を軸にして上半身を前へ倒していきます。つまりこのトレーニングは単に肘を曲げ伸ばしするのではなく、「肘を支点にして上半身を前へ倒すトレーニング」という事です。足を浮かせた状態で肘を深く曲げていった場合、必要以上に腕の骨が後方へ引かれ、肩関節(特に前側)に大きな負担がかかる事があります。その意味でも必ず上半身を前へ倒していくようにしましょう。

また肘を曲げていく際には、曲げた肘を脇腹につけるようにして行う方法と、脇を開いて肘を外側へ向ける方法があります。前者の方は腕の裏側にある上腕三頭筋や肩にある三角筋の前部へより刺激を与える事ができ、後者の方は大胸筋の下部へより刺激を与える事ができます。しかし後者の方が脇を開いている分、肘の支えがないのでフォームを保つのが難しくなっています。

そのように肘を曲げていったら、だいたい90度の手前ぐらいまでで止めます。肘を曲げすぎるとやはり肩への負担が増えますし、肘にも負担がかかりますからね。そしてそこから切り返し肘を伸ばしていきますが、伸ばしていく際も肘に合わせて上半身を起こすようにしましょう。また肘は完全に伸ばし切るのではなく、少しだけ曲げた状態までに留め、脱力させないように再び肘を曲げる動作へ移行させます。こうする事で反復回数を減らす事ができます。

この「肘を曲げる→伸ばす」を1セットとし、20回(筋肥大を目指すのであれば10回前後になるよう負荷を調節する必要があるが、それ以上何十回何百回と行っても筋肉を効率良く大きくする事はできない)繰り返しましょう。前述のように床から足を浮かせるか浮かせないかで負荷が変わるので、各自自分の筋力に合わせて調節して下さい。尚、床から足を浮かせた状態で更に負荷を増やしたい場合には、腰のベルトに重りを括り付ける方法があります。