2017年6月21日水曜日

「筋トレ法6」肩のいわゆるインナーマッスルについて

この記事では『いわゆる「肩のインナーマッスル」』について、それを鍛えるトレーニング法や注意点などを私なりにまとめています。相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/6/21)


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★筋トレを行う際の注意点などについて

●肩・肩甲骨の動きに関係する小さな筋肉について

小さな筋肉の名前を挙げると、耳の下付近から鎖骨(前側にある2つの丸い突起付近)を結んでいる「胸鎖乳突筋」、顎関節の支点付近~首の側面~首の付け根を結んでいる「斜角筋」、肩甲骨の背骨側とそのすぐ横にある背骨を結んでいる「菱形筋」、肩甲骨の背骨側(上側)と首の骨を結んでいる「肩甲挙筋」、脇のすぐ下にある肋骨と肩甲骨(腕側)を結んでいる「前鋸筋」、胸の胸骨と肩甲骨の腕側(上側)を結んでいる「小胸筋」があります。

更に、肩には「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉として棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋があります。別の呼び方では「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」と呼ばれていて、回旋動作すなわち腕を捻るような動作に深く関係しています。それぞれの場所を説明すると、「棘上筋」は肩甲骨の上側から腕の骨を上から引っ張っている筋肉、「棘下筋」は肩甲骨の下側から腕の骨を横から引っ張っている筋肉、「小円筋」は棘下筋のすぐ下にあり、肩甲骨の下側と腕の骨を斜めに結んでいる筋肉です。一方「肩甲下筋」は少し特殊で、肩甲骨の内側すなわち背中側からは見えない位置にあり、肩甲骨と腕の骨を結んで横から引っ張っている筋肉(小円筋は肩甲骨の内側、棘下筋は肩甲骨の背中側にあり、互いに反対の動作で働く)です。尚、上記の菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋、小胸筋もいわゆるインナーマッスルに含まれる事があります。

このように肩や肩甲骨を動かす際には様々な筋肉が関係しており、単に「肩を鍛えよう」とするだけでは中々上手くいかないという事がよくお分かりいただけたかと思います。それぞれの筋肉の場所やその筋肉が収縮→伸展する角度や方向、そしてその筋肉の関わる動作をしっかり理解した上でトレーニングを行いましょう。尚、大きな筋肉とそれを鍛えるトレーニング法については『「筋トレ法7」肩を大きくするためのトレーニング』をご覧下さい。

●いわゆる「インナーマッスル」の問題点について

いわゆるインナーマッスルとは「体の奥深くに存在する筋肉」の事です。しかしインナーマッスルと呼ばれる筋肉の中では、例えば棘下筋のように一部を体の外側から触診する事ができる筋肉があります。つまり「インナーマッスル」と呼ばれていても必ずしも体の奥深くにある訳ではなく、その定義が非常に曖昧という大きな問題点があります。特にその曖昧さは「体の表面にある筋肉を鍛えるよりも、体の奥深くにある筋肉を鍛えた方が健康に良い」などといった勘違いを生む大きな原因にもなっています。

それに関連して「インナーマッスルは体の奥深くにあるため、熱を作り出す能力が高い」とよく言われます。しかしいわゆるインナーマッスルと呼ばれる筋肉の多くは細くて小さく、熱を作り出す能力はむしろ高くありません。どちらかというと腱のような弾力性を持っており、大きな筋力を発揮するような筋肉ではないのです。筋肉は大きいほど収縮した際に生まれる熱も大きくなるので、実は大きな筋肉を鍛えて機能させた方が熱を作る事ができ、気温が低い時期でも容易に体温を保つ事ができます。もちろん動脈近くにある筋肉ではそれを動かす事で血液を温める事はできるでしょうが、インナーマッスルだからと言って「優秀」という訳ではないのです。

いわゆるインナーマッスルと呼ばれる筋肉は、鍛えても盛り上がって見えるほど大きくする事はできません。前述のようにそもそも大きな筋力を発揮するような筋肉ではないのですから当然ですね。またいわゆるインナーマッスルが単独で働くという事もありません。例えば棘上筋が単独で働く事はなく、棘上筋は常に骨の位置を正常に保つため、あるいは大きな筋肉の動きを制御する際に働きます。ですから腕や肩を動かすようなトレーニングを正しく行っていれば、自然に機能している筋肉のはずで、意識的にインナーマッスルを鍛える必要がある人というのは怪我からの復帰を目指す人などに限られてきます。

●小さな負荷で反復する事

すなわち、いわゆるインナーマッスルを鍛えるようなトレーニングでは、通常のトレーニングとは異なって「収縮→伸展を繰り返す事でその筋肉の血流を促す」「それにより弾力性及び筋力を取り戻す」「それにより骨の位置を正常に保つ」「それにより付近の筋肉、腱、靭帯、関節の余計な負担が減る」「それにより様々な怪我を予防する事ができる」という事が主な目的になります。だからこそ小さな負荷と反復回数が必要になるという事です。

その意味では、トレーニングを行う際に大きな負荷を与える必要がないので肉体的には「楽」です。全身に伴う大きな疲労感もありません。しかし例え低負荷であってもどこかの筋肉に力を入れようとすれば、必ずどこか別の筋肉に「力み」が発生するもので、その不要な力みは大きな筋肉(特に僧帽筋)ばかりを強張らせ、目的の筋肉に対して刺激が与えられなくなってしまいます。できるだけ脱力させ、フォームが崩れないよう集中して行いましょう。

しかし同じ動作を何回も反復し、それを長期間に渡って続ける事になるので、精神的にはかなり地味でつらいはずです。辛抱・覚悟・忍耐がなければ続きません。一方、大きな負荷を扱えない筋肉という事は「脆さ」も持っているという事です。あまりに1セットの内に反復しすぎたり、1日に何セットも行ったり、そのようなトレーニングを毎日という高頻度で行ったりすれば、あっという間に壊れて余計に酷くなってしまうでしょう。せいぜい重さは500gまで、1セット30~50回を2~4セット、それを2~3日空けて行うようにし、自分でセーブをかける事も必要です。決して焦らぬよう。

●筋肉には血液を運ぶためのポンプ作用がある

血液は心臓のポンプ作用によって太い「動脈」を通って勢い良く全身へ運ばれ、指先や足先など心臓から遠い場所まで血液を送ります。そうして動脈を通って全身に送られた血液は、その後「静脈」を通って心臓まで戻ってきます。しかし静脈では心臓から遠いほど重力に逆らわなければならないので、心臓の力に頼らず血液を戻さなければなりません。そのためには「心臓とは別のポンプ」がどうしても必要になり、そのポンプの役割を果たすのが実は「筋肉」なのです。筋肉を動かす事で血流が改善されるのはこれがあるからです。それにより血流障害による首・肩コリや浮腫なども改善する事ができるでしょう。

また筋肉を鍛えていくと、その筋肉にある毛細血管が細かく枝分かれしていきます。これは鍛えている筋肉により多くの血液を送ろうとするからで、これによっても血流を改善する事ができます。何より筋肉には収縮させる事で熱を作り出す役割があるため、より多くの血液を温める事ができれば体温を保つのも容易になります。つまり冷え性なども改善する事ができるという事です。

更に、筋肉はそれを動かすために糖などのエネルギーが必要であり、普段から糖を筋肉内に蓄えています。糖を消費する習慣がある場合、筋肉内に蓄えられた糖が消費された時に「次に訪れる糖を消費する場面に備え、糖を蓄えようとする」という事が行われます。つまり毛細血管が枝分かれして筋肉へスムーズに糖が送られるようになると、筋肉が「糖の逃げ道」になるという事です。消費しきれなかった糖は時間経過で脂肪として蓄えられてしまうので、そのような事が日常的に行われれば結果として糖の蓄積及び脂肪の蓄積を防ぐ事ができ、肥満の予防にもなります。



★肩・肩甲骨付近の小さな筋肉を鍛えるトレーニング法

この記事では大きな筋肉ではなく、小さな筋肉を鍛えるためのトレーニング法を紹介します。尚、ストレッチ法については『「ストレッチ法2」首・肩コリ予防編』をご覧下さい。肩はいきなり大きな負荷を与えると非常に怪我をしやすい関節です。最低限、肩や肩甲骨の動かし方を覚えてから行った方が良いかもしれません。

●インワード・ローテーション(肩甲下筋)

チューブをどこか支柱となる場所へ固定し、左右どちらでも良いので片手(親指側)にチューブを持ちます。続いて手の平が上になるようにして肘を90度に曲げ、その肘を体側(タオル等を肘と脇腹で挟むと良い)につけます。この時、チューブがピンと張った状態にしますが、硬いチューブでは負荷が大きすぎるのでできるだけ柔らかいチューブに変えましょう。また手首や肘と同じ高さになるようにチューブの固定位置も調節し、前腕(肘から指先)ごと真っ直ぐ正面へ向かせておきます。

その状態になったら肘の角度をできるだけ90度に保ちながら、かつ肘を脇腹につけたまま脇を開かず、前腕の高さが変わらないように、小指側をお腹へ近づけるようにして力を加えていきます。腕の骨を中心とした角度(肩関節を天井から見たとして考える)を0度と仮定すれば、そこからだいたい60度ぐらいになるまで体の方向へ前腕を動かします。つまり「完全に前腕がお腹につかない程度まで」という事です。1秒ほどかけて脱力しないように意識しながら動かしましょう。このように一度に意識する事が多いので集中力を使うのです。

そして45度まで行ったら、今度はゆっくりと戻します。つまり小指側をお腹から遠ざけるようにして戻していくのです。その際には最初よりも更に念入りに2秒ほどかけて行い、特に「負荷に耐えるように戻す」という事を強く意識しましょう。このトレーニングでは小指側をお腹へ近づける際に肩甲下筋が働き、戻していく際には「肩甲下筋が収縮したまま伸ばされる」事になります。この戻していく時に例えば逆に「小指側をお腹から遠ざけるように意識して力を入れる」と、肩甲下筋とは逆の動作に関わる棘下筋という筋肉が働き、肩甲下筋がただ伸ばされるだけになってしまいます。「収縮したまま伸ばされる」というのが肩甲下筋の弾力性を回復させるための大きなポイントなので、より注意して行いましょう。

そうしてゆっくりと戻していくのですが、前述のように腕の骨を中心とした角度(肩関節を天井から見たとして考える)を0度と仮定すれば、そこからだいたい30度ぐらいになるまで「体の外側まで前腕を戻す」ようにします。この時はもちろん肘の角度を90度に保ち、肘を脇腹につけたまま脇を開かず、前腕の高さが変わらないように意識します。また完全に脱力させないよう、ゆっくり切り返して再び小指側を体に近づける動作へ移行させます。

この内側に60度→外側に30度を1セットとして合計30~40回程度繰り返します。セット間では休憩を上手く挟む(他のトレーニングを行うなど)などし、合計2~3セット行いましょう。ちなみに肘の高さや位置を変えて、肘を肩と同じ高さ(前と横)に挙げた状態で行う事で違った刺激を与える事もできます。または横這いに寝た状態でもできます。


●アウトワード・ローテーション(棘下筋・小円筋)

アウトワード・ローテーションは単純にインワード・ローテーションの逆となります。同じような用量でチューブを持ちますが、今度は小指側に持つようにします。そして肘を支点にして親指を体の外側へ開くように力を加えていきます。腕の骨を中心とした角度(肩関節を天井から見たとして考える)を0度と仮定すれば、そこからだいたい30度ぐらいになるまで前腕を動かします。前述のインワード・ローテーションとは違って関節の構造的に少し無理のある動作になるのと、前腕を限界まで外側へ開くと負荷が減ってしまうので開き切る必要はありません。その程度の角度になるよう意識して行いましょう。そうして1秒ほどかけ、脱力しないように意識しながら動かします。

そして30度ほどまで行ったら、やはり今度はゆっくりと戻します。つまり小指側をお腹へ近づけるように戻していくのです。その際には最初よりも更に念入りに2秒ほどかけて行い、特に「負荷に耐えるように戻す」という事を強く意識しましょう。このトレーニングでは親指側を体の外側へ向ける際に棘下筋が働き、戻していく際には「棘下筋が収縮したまま伸ばされる」事になります。この戻していく時に例えば逆に「小指側をお腹へ近づけるように意識して力を入れる」と、棘下筋とは逆の動作に関わる肩甲下筋が働き、棘下筋がただ伸ばされるだけになってしまいます。「収縮したまま伸ばされる」というのが棘下筋の弾力性を回復させるための大きなポイントなので、より注意して行いましょう。

そうしてゆっくりと戻していくのですが、前述のように腕の骨を中心とした角度(肩関節を天井から見たとして考える)を0度と仮定すれば、そこからだいたい45度ぐらいになるまで前腕を戻す(戻しすぎない)ようにします。この時ももちろん同じように、肘の角度を90度に保ち、肘を脇腹につけたまま脇を開かず、前腕の高さが変わらないように意識して行います。また完全に脱力させないよう、ゆっくり切り返して再び親指側を体の外へ開く動作へ移行させます。

この外側に30度→内側に45度を1セットとして合計30~40回程度繰り返します。セット間では休憩を上手く挟む(他のトレーニングを行うなど)などし、合計2~3セット行いましょう。ちなみにこれも肘を肩と同じ高さ(前と横)に挙げた状態で行う事で、与える刺激を変える事ができます。または横這いに寝た状態でもできます。特に肘を高く上へ挙げた状態では、棘下筋だけでなく小円筋にも刺激を与える事ができます(ただし小円筋だけが使われる訳ではなく、小円筋と棘下筋は同じような動作で働く事が多い)。かなり無理な動作になるのであまりオススメはしませんが(笑)


●特殊型サイドレイズ(棘上筋)

足を肩幅に開いて立ち、姿勢を正します。そしてチューブを左右どちらの足でも良いので踏んで固定し、その足とは逆の手(親指側)で持ちます。つまり左足で踏んだら右手で、右足で踏んだら左手で持つという事です。この時、チューブがピンと張った状態になるよう長さを調節しますが、硬いチューブでは負荷が大きすぎるのでできるだけ柔らかいチューブに変えましょう。最初の手の位置は自分から見た太ももの外側でも正面でもなく、外側の斜め上付近に置いておきます。

その状態になったら、チューブを持った方の腕を体の真横より「やや前方(斜め)」に向かって2秒ほどかけてゆっくりと上げていきます。その際、肩が前後・左右・上下に動かないように注意(特に肩が前へ出る、上へ上がるのはNG)し、小指側を少し突き出す(急に捻るのではなく自然に)ように動かします。また腕は肩の高さまで上げるのではなく、30度ぐらいで止めるようにます。このトレーニングではいわゆるインナーマッスルと呼ばれる棘上筋に刺激を与えるのが目的ですが、その角度以上に上げると肩全体を覆っている三角筋が働いてしまうので、敢えて少ししか腕を上げないようにしているのです。

そのようにして少しだけ腕を上げたら今度はスタート位置まで戻していきますが、やはり戻す際の動作の方が棘上筋にとっては重要なので、勢い良く戻すのではなく「負荷に耐える」ようにしてゆっくりと戻すようにします。また完全に脱力するのではなく、手を太ももにつける寸前で切り返し、再び腕を持ち上げる動作へ移行させましょう。

この「腕を上げる→戻す」を1セットとして30回程度繰り返します。セット間では休憩を上手く挟む(他のトレーニングを行うなど)などし、合計2~3セット行いましょう。他の方法としては横這いで行う事もできます。尚、棘上筋は肩関節の中でも最も痛めやすい筋肉の一つです。痛みが出ている状態のままトレーニングを継続すると悪化するので絶対にやめて下さい。もし痛みがある場合は棘上筋に直接負荷がかからないような他のトレーニングを行ったり、前述のリンクにあるようなストレッチを十分に行った状態(1日2日ではなく継続しておく)で行うようにしましょう。

ちなみに棘上筋は英語で「スープラ スパイネイタス・マッスル」と言うので、このトレーニング名もそう呼んだ方が良いかもしれません。


●特殊型プッシュアップ(前鋸筋)

プッシュアップ(腕立て伏せ)は腕の裏側にある上腕三頭筋や胸全体を覆っている大胸筋という筋肉を鍛えるトレーニング法ですが、肘を曲げずに行う事で脇腹にある前鋸筋という筋肉を鍛えるトレーニングになります。

具体的にどのように行うのかというと、まず通常の腕立て伏せの体勢になり、手を肩幅に開いて膝立ちになります。また姿勢を正して肩~お尻までが一直線になるようにし、その状態をできるだけ「維持」するように強く意識しましょう。その状態になったら肘を伸ばしたまま、肩を前後させるように上半身を前に倒していきます。この時にはその上半身の動きに合わせて左右の肩を「後方へ引く(上へ動かすのではない)」ようにし、また左右の肩甲骨を背骨へ寄せるようにします。これをゆっくりと行う事で脇腹にある前鋸筋がストレッチされます。

限界まで肩甲骨を寄せたら、今度はその動作の逆を行っていきます。左右の肩甲骨を背骨から遠ざけるようにすると共に、左右の肩を前へ出すようにして床を垂直に押しましょう。すると背中の筋肉を使って上半身を起き上がらせようとしなくても、自然と上半身が床から遠ざかっていきます。このトレーニングではこのように肩で床を押す際に前鋸筋が収縮するので、できるだけ肩だけの力を使って床を押す事が重要なのです。そのようにして限界まで肩で床を押したら、脱リョウクさせないよう再び肩を後方へ引くと共に肩甲骨を寄せる動作へ移行させます。

この「肩甲骨を近づける→遠ざける」を1セットとして30回程度繰り返します。セット間では休憩を上手く挟む(他のトレーニングを行うなど)などし、合計2~3セット行いましょう。その他、両手にダンベルを持って仰向けの状態で行う事もできます。


●特殊型ディップス(前鋸筋・小胸筋)

通常のディップスでは上半身を床と垂直にした状態で姿勢を正し、両手で左右にあるバーを掴み、足を浮かせ、バーを押すように肘を曲げ伸ばしするトレーニングです。このトレーニングでは上腕三頭筋や大胸筋を鍛える事ができますが、それを肘を伸ばしたまま行う事で前鋸筋や小胸筋により刺激を与えるトレーニングになります。

どのように行うのかというと、ディップスの姿勢で肘を伸ばしたまま、肩を垂直・上下にゆっくり上げ下げするのです。通常のディップスでは床から足を浮かせた状態で行いますが、この方法では大きな負荷が必要ないので、床に足がついていても構いません。よって例えばベッドの端や椅子の上で、お尻さえ浮かせる事ができれば行う事ができます。その状態で肩を上げ、床を手で押すように肩を下げます。つまり上記の前鋸筋を鍛えるトレーニング法と力を入れる方向が違うだけです。

そうして「肘を伸ばしたまま肩を上げる→下げる」を1セットとして30回程度繰り返します。セット間では休憩を上手く挟む(他のトレーニングを行うなど)などし、合計2~3セット行いましょう。ちなみにラットプルダウン用のマシンでも行う事ができます。太ももの前側辺りで、両手を肩幅程度にしてバーを掴み、肘を伸ばし背中を丸めず肩を上げ下げしてみましょう。


●特殊型リアレイズ(菱形筋・僧帽筋)

両手・両膝をついた四つん這いの状態になり、背中が丸くならないように姿勢を正します。つまり肩~お尻のラインができるだけ床と平行になるように保ちましょう。そして左右どちらの手でも良いので、どちらか一方の手にダンベルまたは水か砂を入れたペットボトル(500g~重くても1kgまで。高重量は不可)を持ちます。

その状態になったら、胸の正面から腕を横へ広げるようにゆっくりと持ち上げていきます。ただしこの時には肘をできるだけ曲げず、体はできるだけ床の方向を向かせたまま行い、また腕を横へ挙げるのではなく「胸を張って肩を後方へ引く」ように強く意識して行います。そうする事で肩甲骨が背骨の方向へ寄り、目的の筋肉である菱形筋や僧帽筋に刺激を与える事ができます。単に腕を挙げようとするだけだと三角筋の後ろ側しか使われないので、必ず肩甲骨を動かすように行いましょう。尚、肩甲骨の動かし方が分からない人は上記リンクにある肩甲骨のストレッチを参考にして下さい。

そうして限界まで腕を横に持ち上げたら、今度はゆっくりと戻していきます。ただし完全に脱力しないように注意すると共に、張っていた胸を元に戻しながら肩を少し前へ動かします。簡単に言えば胸を寄せる動作を行うという事です。そうする事で背骨へ近づいていた肩甲骨が離れ、菱形筋や僧帽筋が伸ばされる事になります。それを力を入れたまま行い、再びゆっくりと腕を持ち上げる動作へ移行させる事が重要です。

この「腕を横へ広げる(胸を張り肩を後方へ引く)→降ろす(戻しながら肩を前へ出す)」という動作を1セットとし、左右それぞれ20回程度(可能なら30回)、またそれを休憩を挟んで2セット(可能なら3セット)行いましょう。ある程度慣れた人では横ではなく前へ、同じように腕を挙げるように行うのも効果的です。

尚、通常の「リアレイズ」と何が違うのかというと、通常のリアレイズでは立った状態で上半身を前に倒し、肩を支点として主に肩の筋肉を使って腕を横へ広げます。つまりメインで鍛えるのは三角筋の後ろ側で、そのために肩を上下させたり前後させたりせず、できるだけ肩の位置を保って行うのです。一方、こちらのトレーニングでは肩甲骨を背骨へ近づけるための筋肉を鍛えるのが目的なので、敢えて肩を前後させて肩甲骨を軸に腕を挙げており、またそのために負荷も低めに設定しているのです。柔軟性が乏しい場合、腕を挙げるのがつらいですが力むとフォームが崩れ、肩関節に不要な捻りが加わってしまいます。無理せず丁寧にできる範囲で行いましょう。