2017年5月3日水曜日

「豆知識集11」ホルモンバランスコントロールその3

この記事では『ホルモンバランスのコントロール』について私なりにまとめています。特に男性ホルモン、女性ホルモン、成長ホルモンについて扱っています。
相変わらず長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、この記事に書かれている事は私個人の意見であり、他の方の考え方を否定するつもりはありません。色んな考え方があって良いと思うので押し付けもしません。同調したい方のみ同調して下されば幸いです。
(記事作成日時:2017/5/3)


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★女性ホルモンについて

女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン:エストラジオール、エストリオール、エストロン)と黄体ホルモン(ジェスタージェン:プロゲステロン、17-ヒドロキシプロゲステロン、プロゲスチン)があります。この内で特に有名なのはエストロゲンですね。エストロゲンは分泌されると心身に女性的な特徴が現れ、分泌量が増える事でその効果は強く現れます。例えば全身(特に胸)に脂肪が付きやすくなったり、体毛(髪の毛以外)が薄くなったり、声が高くなったり、肌や髪の毛が綺麗になったりします。また特に女性ホルモンの一つである「エストロゲン」には骨にある「骨端線(子どもの骨にしか見られないもので、骨を作る細胞が存在している軟骨組織の事)」を閉鎖させる役割があります。これが閉鎖し消えるという事は早々に身長が伸びなくなるという事を意味しており、男性より女性の方が身長の伸びが早くに止まるのはこれがあるからです。

●女性ホルモンの正常な分泌に重要なメラトニン

そんなエストロゲンは「女性のみに存在する」と思われていますが、実は男性にも存在するホルモンです。男性では女性ホルモンが正常に分泌されない場合、男性ホルモンの働きが強く出過ぎる事があり、例えば髪の毛が薄くなったり、皮脂の過剰分泌によってニキビが増えたりするなど、主に「美容」の面で悪い事ばかりが起こります。要は男性でも健康のためには「男性ホルモンと女性ホルモンのバランス」が重要だという事です。また「草食系男子」という言葉もある通り、そのように男性でも女性ホルモンが優位に働けば中性的な見た目に変化していきます。一方であまりに女性ホルモンが増え過ぎると、今度はいわゆる「女性化」と呼べるほどにまで体型や心が女性的に変化してしまう事もあります。

この男性ホルモンと女性ホルモンのホルモンバランスを整えるために最も効果的なのは、やはり「規則正しい睡眠習慣」です。それに勝るものはありません。規則的な睡眠習慣を摂る事ができると「メラトニン」というホルモンが分泌されます。このメラトニンには「性成熟を抑制する」という効果があるとされており、これが分泌されているとそれだけで性ホルモンの分泌バランスを整える事ができます。前述したように女性ホルモンには骨端線を閉鎖させる作用があるため、特に女性が身長を伸ばすためにはこのメラトニンを「思春期以前から分泌させる事」が重要になります。

尚、女性においては女性ホルモンが分泌されるとその影響によって脂肪の代謝が変化し、胸はもちろん全身に脂肪がつきやすくなります。これは思春期以降の女性ではごく自然に起こる事であり、それに逆らう事は誰にもできません。しかし多くの女性はその見た目の変化に耐えられずに無理なダイエットをしてしまいます。日本人の考える「ダイエット」というのはそのほとんどが「食事制限の事しか考えない方法」のため、ダイエットを行うとまず栄養不足が起こります。実は性ホルモンの分泌をコントロールするメラトニンの材料は必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」であり、また女性ホルモンはコレステロールつまり脂肪を材料にして作られています。ダイエットを行って極端に食事の量を減らしてしまうと、それらが不足する事があるのです。その結果、食習慣の乱れ→睡眠習慣の乱れ→ストレス耐性低下→昼間の活動量も低下・・・という流れになり、肉体的にも精神的にも不安定になっていきます。

●女性ホルモンの分泌量を増やすには

前述のように女性ホルモンの分泌を安定化させる事ができれば「極端に分泌量が増える」事はなくなりますが、「極端に分泌量が減る」という事も少なくなります。それによって間接的にではありますが女性ホルモンの分泌量を増やす事ができるでしょう。規則的な睡眠習慣は女性ホルモンを増やすための最も効果的な方法と言えると思います。

それ以外で女性ホルモンを増やす方法としてはやはり食事です。特に女性ホルモンは良質なコレステロール(脂肪)を材料に作られているため、そのコレステロールの材料となる「必須脂肪酸」が重要です。脂肪と聞くと太るのでは?と思いますが、必須脂肪酸は「体に必要不可欠な脂肪(体内では一から合成する事ができないため)」の事であり、摂らない方が健康を害してしまいます。必須脂肪酸にはω-3脂肪酸(αリノレン酸、DHA、EPA)とω-6脂肪酸(リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸)があり、そのバランスが良質な脂肪の形成を促します。

その他では必須アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンE、マグネシウム、ボロン、ジオスゲニン(ヤムイモ)、大豆イソフラボン等も女性ホルモンの分泌を促すとされており、睡眠習慣の改善と合わせてそれらの栄養素が不足しないようにすると良いでしょう。




★男性ホルモンについて

男性ホルモンには「アンドロゲン」があり、アンドロゲンはテストステロン、デヒドロテストステロン(DHEA)、アンドロステロンの総称の事です。特にその中では「テストステロン」がよく知られています。テストステロンは分泌されると心身に男性的な特徴が現れ、分泌量が増える事でその効果は大きく現れます。例えば全身の筋肉が「太くなりやすく(筋トレによる効果が出やすくなる)」なったり、性欲を感じたり、体毛(特に髪の毛以外)が濃くなったり、声が低くなったりします。女性ホルモンのように骨端線を閉鎖させる作用はありませんが、分泌量が増えると人によっては過剰に皮脂が分泌されてニキビが増えたり、髪の毛が薄くなったりする事もあります。その分泌をコントロールするためには、やはり規則的な睡眠習慣を続ける事によってメラトニンを分泌させる必要があるでしょう。

●男性ホルモンは女性にも存在する

そんなテストステロンに関しても「男性のみに存在する」と思われていますが、もちろん女性にも存在するホルモンです。例えばトップレベルのスポーツ選手になると、女性でも男性ホルモンが優位に働いて「男性化」する事があり、男性ほどではありませんが筋肉が付きやすくなったり、体毛が濃くなったり、闘争心溢れる性格等になる事もあります。一方で、そうしてスポーツを本格的に行っていた女性が急に引退すると、今まで分泌されていた男性ホルモンが減り、抑えられてきた女性ホルモンが大量に分泌される事があります。女性がスポーツを引退した後、急に綺麗になったように見えるのはこれが原因の一つとして考えられます。特に思春期以前にスポーツを本格的に行っていた人が、思春期を境にスポーツを辞めた場合、それが急激に起こる事があり、人によっては例えば胸が急に大きくなったりなど外見に明らかな変化が出る人もいるそうです。

●性に対しての異常な興味・関心はホルモンバランスを悪化させる

前述のように思春期前後におけるホルモンバランスの変化には睡眠習慣の改善が最も効果的です。しかしいくら規則正しい生活習慣を続けていても、思春期以前から「性に関する興味」が出てしまうと自ら思春期へ向かってしまいます。例えば女性は小学校高学年からいわゆる「大人びる」ように見えますが、これも異性への関心が原因です。女性は同性同士で同調しやすいため、女性が集まると異性に関する会話(恋愛関係や人間関係などの情報交換)を交わしやすくなります。いわゆる「女子会」なんかはまさにその象徴であり、女性は男性と比べると同性同士で性に関する会話をする機会が多いのです。女性同士で「性に関する会話」を通じて情報交換を繰り返す事では、自然に性に関する知識を増やす事ができ、実はそれが「性教育」の役割も果たしています。ですのでそれを一概に悪いと決め付ける事はできないのですが、前述した通り女性では女性ホルモンが早々に骨端線を閉鎖させてしまうため、思春期以前から性に関する強い興味を持つと思春期が早まり、身長の伸びを悪くしてしまう(当然足も短くなるし、急激に思春期へ向かう事で脂肪の代謝も悪化する)可能性があります。

一方、男性が性に関する興味を持つのも女性と同じく小学校高学年からです。男性は女性よりも思春期を迎える時期自体は遅いのですが、性に関する興味を持つ時期は女性とそれほど変わりません。しかし一番問題なのは男性のほとんどが性に関する知識を「からかい」から得るという点です。この点に関しては女性とは決定的に異なります。男性は「他人を馬鹿にする」という所から性に関する知識を得るため、偏った知識が身に付き、それが女性よりも性教育を遅らせる主な原因になっています。それによって「自分と他人の容姿で異なる部分」にばかり目が行くようになり、性に関する知識がないまま性に関する興味・関心ばかりが強くなっていきます。男性ではそれが思春期を早め、思春期前後における性ホルモンの分泌が不安定になる大きな原因になります。

特に男性ではその性に関する誤った知識から安易に「致す行為(一人でする事)」に走る事が多く、それこそが性の成熟を早める最も大きな原因になります。「自由に使う事のできる時間がある」人ほど、空いている時間にそういう思考や行動に走りやすいので、それを防ぐためには何か時間を忘れて熱中する事を続ける事が重要です。一番近くにいる親は子どもが何かに集中する事のできる環境を整えてあげましょう。

●男性ホルモンの分泌量を増やすには

前述のようにメラトニンを分泌させれば「極端に分泌量が増える」事がなくなり、また「極端に分泌量が減る」事も少なくなります。それによって間接的にではありますが男性ホルモンの分泌量を増やす事ができるでしょう。もちろん「男性ホルモンの分泌が必要な状態」にする事も重要です。つまり筋肉を鍛えて大きくする事で「筋肉を大きくするために男性ホルモンを分泌させなければならない状態」になるため、それによって分泌量を増やす事ができます。

それ以外で男性ホルモンを増やす方法としてはやはり食事ですね。男性ホルモンも女性ホルモンと同じく良質なコレステロール(脂肪)を材料に作られているため、そのコレステロールの材料となる「必須脂肪酸」が重要です。その他の栄養素としてはビタミンB群、ビタミンE、マグネシウム(滋養強壮については過去記事『「豆知識集4」食べ物・栄養素に関するQ&Aその1 』等を参照の事)等が最低限必要でしょう。




★成長ホルモンについて

思春期前後になると脳にある脳下垂体という場所から「ヒト成長ホルモン(hGH)」が分泌されます。これがいわゆる「成長ホルモン」の事です。成長ホルモンと聞くと身長を伸ばすために重要だという事はよく知られていますが、実際には「あらゆる細胞を増殖、修復、再生させる」ために使われるものであり、思春期中はもちろん、思春期以前も思春期を過ぎた大人でも分泌されています。例えば膝を擦り剥いて皮膚の細胞が傷ついた時や筋トレをして筋肉の細胞が傷ついた時など、あらゆる細胞に対して働くホルモンなのです。

●成長ホルモンとアルギニンについて

成長ホルモンは他のホルモンによってコントロールされています。それが「ソマトクリニン(GHRH)」と「ソマトスタチン(SST)」です。簡単に言えばソマトクリニンは成長ホルモンの分泌を促す働きのあるホルモン、逆にソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を抑制する働きがあるホルモンです。つまりこれらのホルモンが分泌される事で、成長ホルモンの分泌量が極端に減ったり、あるいは過剰に分泌されたりする事を防いでいます。前述のように成長ホルモンは細胞の修復の際に必要なので分泌量が少なくなるのももちろん問題なのですが、「多ければ多いほど良い」訳ではありません。もし何らかの原因でソマトクリニンやソマトスタチンの分泌が不安定になると、その影響を受けて成長ホルモンの分泌も不安定になります。それが酷い場合には「小人症」「巨人症」「末端肥大症」などに繋がる事もあります。

その内のソマトクリニンは様々な種類のアミノ酸で構成されており、特に「アルギニン」というアミノ酸が強く影響すると言われています。成長ホルモンの分泌にアルギニンが良いとよく言われるのはこれがあるからで、筋肉を大きくする必要があるボディビルダーやスポーツアスリートではサプリメントとして普段の食事とは別に摂取する場合があります。またアルギニンは必須アミノ酸から体内で合成する事ができますが、成長期の子どもではその合成能力が未熟なため不足する事があります。不足すると成長ホルモンの分泌やコラーゲンの合成がスムーズにできなくなるため、子どもにおいては「準必須アミノ酸」とも呼ばれている非常に重要なアミノ酸です。

またソマトクリニンは深い眠りの「ノンレム睡眠」の時に分泌が促進され、それによって成長ホルモンの分泌が促されると言われています。ただしソマトクリニンも前述したソマトスタチンも、もちろん成長ホルモン自身も分泌は「脳」から行われる事です。よってこれらのホルモンバランスを整えるためには脳が正常に機能していなければなりません。既に他の記事でも説明していますが、最低限我々のできる事は規則正しい生活習慣を続ける事、特に睡眠、食事、運動という3つの習慣を改善する事です。それによって成長ホルモンの分泌を促しましょう。

●成長ホルモンとIGF-1について

成長ホルモンは直接作用する場合と、肝臓において「IGF-1(インスリン様成長因子)」というホルモンに変化し、それを介して細胞へ作用する場合とがあります。その内、前者は新陳代謝の活性化、血糖値の上昇及び糖新生の促進等の効果があります。一方、前述したような細胞の成長作用があるのは後者のIGF-1を介する方です。すなわち細胞の修復をスムーズに行うためには成長ホルモンの分泌量を増やす事はもちろんなのですが、同時に「肝臓が正常に機能する」よう努めなければなりません。

肝臓は糖、脂肪、タンパク質をエネルギーへと変換したり、血液を常に綺麗に保つ浄化作用などを持っている非常に処理能力の高い臓器です。人が健康に生きる上でなくてはならない臓器の一つですね。しかしその元々持っている処理能力が高過ぎるために、仮に肝臓の機能が低下していても「機能が低下した」という自覚症状がほとんど出ません。つまり自分が気づかぬ内に肝臓へ負担をかけている事も多く、そのIGF-1を分泌させる能力が低下している事があるのです。

肝臓の機能を低下させる大きな原因はやはり不摂生な生活習慣です。特に糖・脂肪・ビタミンB群・必須アミノ酸等栄養不足の継続、急激な食事量の減少、暴飲暴食・栄養過多の継続、急激な食事量の増加、睡眠不足・不規則な睡眠習慣、高強度の運動の継続、過度なストレスの継続、病院で処方された薬・サプリメントの飲み過ぎ、大量の飲酒、タバコ(親がヘビースモーカーの場合その子どもも影響を受けている)等が挙げられます。ちなみにストレスを受ける事で分泌されるコルチゾールはIGF-1の分泌を阻害し、細胞の正常な発達を阻害します。

●IGF-1と骨端線について

少し前述しましたが、骨端線は別名「成長線」とも呼ばれており、成長期の子どもの骨にしか見られない特徴です。骨端線は通常の骨よりも弾力性に富んでいる軟骨組織となっており、ここには骨を作る細胞(新しく骨を作る「骨芽細胞」と古くなった骨を壊す「破骨細胞」)がたくさん存在しています。その細胞へ前述した「IGF-1」が刺激を与える事で活性化され、新しく骨を作る働きが促されます。これによって成長期では身長を伸ばす事ができるのです。また弾力性に富んでいるため刺激に対して非常に敏感で、運動によってここに刺激が与えられる事で更に骨を作る働きを活性化させる事ができます。骨は柔らかい状態だからこそ伸びる余地があるのです。ちなみに実際にレントゲンで撮ると骨端線の部分だけ薄白い透明な骨として写ります。

しかし思春期を過ぎると、その骨端線は少しずつ通常の硬い骨へ吸収されて一体化し、年齢を重ねた大人では完全になくなってしまいます。柔らかい骨端線が失われれば「伸びる余地」もなくなるため、当然ながら身長の伸びは止まる事になるでしょう。大人になってから身長が伸びなくなるのはそうして骨にある骨端線が失われるからです。ただし、例え骨端線が失われても骨には骨芽細胞と破骨細胞は存在しており、そのバランスが整っているからこそ骨が折れても元通りに治す事ができます。これもIGF-1の働きであり、成長ホルモン及びIGF-1は大人でも分泌されているものです。

●IGF-1と大豆イソフラボン+カプサイシン

IGF-1を増やす働きのある栄養素としては「大豆イソフラボン」があります。大豆イソフラボンは「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」を増やす働きがあり、そのCGRPがIGF-1を増やす働きがあるのです。そして更にそこへ辛味成分である「カプサイシン(辛い食べ物は発汗を促すため水分ミネラル補給が必須。また味の調節のために塩分や糖分が大量に使われている事があるため食べ過ぎには十分注意)」が組み合わさる事で、その分泌を促進させる事ができると言われています。

ただし大豆製品に限らず、特定の食品に偏って食べるという事は「その食品に含まれる栄養素しか摂る事ができない(特にサプリメント等の過剰摂取)」ため、結果としては栄養の不足を招く事になります。意識的に食べるのはもちろん構いませんが、それには「バランスの良く栄養を摂る」という前提がなければなりません。