2017年2月24日金曜日

ダイエットに対する考え方を改める(適当まとめ)

真の健康を手に入れるためには「ダイエットに対する考え方を改める」必要があります。この記事ではそれをテーマとして私なりに考えた事を書いています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。
(記事作成日時:2014/3/12、更新日時:2016/11/1,2017/2/24)


★ここまでダイエット志向の高い国は日本だけ

アメリカやヨーロッパなどの国々では肥満が社会問題となっています。これは我々のような庶民にとって、例えばファミリーレストランやコンビニエンスストアなどの格安な飲食店が身近になった事で、例え収入が少なくても安価に高カロリーな食品を手にする事ができるようになった事が大きく関係しています。もちろんそれは当の日本においても同じで、都心のような人口密集地では歩いて数分間隔と言っても良いほどたくさんのコンビニがありますし、駅前に行けばやはりたくさんのファミレスやラーメン屋などの飲食店があります。特に日本人は世界的に見ても食に対する関心が高いと言われており、そのように飲食店がたくさんある環境ではお金さえあれば食べ物には困りません。しかし高カロリー食が身近になった現代でも、この日本においては肥満が社会問題になる事はありません。最近では食習慣の欧米化によっていわゆる「メタボ」が認知されましたが、欧米諸国と比べると「社会問題」とまで言えるかというとそこまで深刻とは言えません。これは何故かというと特に日本人に限っては、その食への関心の多くが「ダイエット」に対して向けられているからです。

日本では毎年毎月のように新しいダイエット関連商品が開発され、その度にメディアでは大々的に取り上げられます。そのため「○○ダイエット」は現在では言い出したらキリがないほど種類があり、もはや全ての方法を試す事が困難なほどたくさんありますよね。我々の身近な場所で言えば、ちょっとコンビニに行けば普通に「カロリー○○%オフ」「脂肪燃焼を促す」などと書かれた商品が売られており、そのようにダイエットと結びつくような謳い文句の書かれた商品を当たり前のように目にします。何故そのように「元々はダイエットとは関係ない商品なのに、ダイエットの事を連想させるような謳い文句が書かれている商品」がたくさんあるのかというと、単純に「ダイエット効果がある商品」として売った方が普通に売るよりも売れるからです。例えばメーカーの異なる数種類の牛乳が横に並べられているとして、その内一つに「カロリーオフ」や「低脂肪」と書かれていれば、間違いなくその牛乳を選ぶと思います。そのように日本人は例えば「タンパク質がどのぐらい含まれていて、どんな種類のビタミンやミネラルが含まれているか」という事よりも、「カロリー」「糖」「脂肪」といった特定の言葉に目を奪われてしまうのです。我々は特に意識せずとも当たり前かのようにそのような商品を選んでいますが、これは日本人が潜在的(物心がついた時には既に当たり前の存在)にダイエットに対して高い関心があるからなのです。

一方、欧米諸国では「肥満が社会問題化している」としきりに言われている割には、日本人から見るとまだまだ太っている人がたくさんいるという印象を持ってしまいます。例えば欧米のニュースなどで現地の人が写った時でも我々が想像する以上に肥満体型の人が多く、社会問題と言われていても危機感を感じているようにはとても見えません。何故肥満という事が自分で分かっているのにダイエットをして痩せようとしないのでしょうか。これは個人的な考え方ですが、そこには日本人と欧米人で特に「自分や他人の第一印象に対する意識が大きく異なる」という点が大きく関係していると私は考えています。

もちろん日本人も欧米人も人と接する上で「最低限の身だしなみを整える」という事は大切な事なのですが、欧米諸国では多種多様な民族、宗教、文化などが生まれた時から常に自分の身近にあるため、日本人のようにいちいち自分の見た目や他人の見た目を気にしていたら生きていけないのです。例えば日本ではみんな黒髪で、肌の色が肌色をしていて、身長も似通っていると思います。これは何故かというと、日本では日本人以外の遺伝子が入っていない日本人の方が圧倒的に多いからです。しかし海外では地毛が金髪や茶髪の人もいれば赤髪の人もいますし、肌の色も白い人や黒い人もいればアジア人のように肌色をしている人もいます。もちろん体が大きい人もいれば小さい人もいますし、肥満の人がいれば痩せている人も筋肉質の人もいます。それが向こうでは当たり前なのです。

ですから自分が例え肥満だったとしても「周囲の人と比べて自分の見た目はどうなのか」を気にする人が日本人ほど多くなく、そもそもそのように様々な見た目の人がいるので肥満自体がそれほど特殊だと思わないのです。太っている人や痩せている人など様々な見た目の人が大勢いる中で、自分一人が太っていても問題ではありませんからね。だからこそ社会問題と言われるまで放置されてしまったという訳です。当の日本では「自分が自分をどう思うか」よりも「自分が周囲からどのように見られているか」を優先するため、周囲からの攻撃的な視線から逃れるようにダイエットしようとする訳ですが、海外ではどれだけ問題提起されていても自分が肥満だという事に気づかなかったり、あるいは気づいていても全く気にしなかったりする人が多いようです。


★体重はダイエットの指標には使えない

●体重は全身の重さを示す数値

前述のように日本人は全体としてダイエットに対する関心が高く、性別で言えば男性よりも女性の方が圧倒的にダイエットに対する関心が高いと言われています。日本人女性ではおそらくダイエットをした経験がない人の方が珍しいぐらいです。そんなダイエット中における「体重の変化」は見た目の数値として「増えた」「減った」がすぐに分かるため、それを指標にしてダイエットをしている人も多いと思います。しかし体重は数値としては分かりやすい反面、「何が増えて何が減ったか」が具体的に何も分からないという大きな欠点があります。

例えば気温が高い日では運動を行っている行っていないに関わらず大量の汗をかき、その際には汗の量に合わせて体重も減る事があります。特にそのような環境で水分補給を怠った場合、現時点での体重の3%以上が減る(脱水症状が起こる)事もあります。しかしこれは体内にある水分が汗によって失われた事で起こる体重の減少であり、決して脂肪が減った訳ではありません。すなわち体重の変化は単に「脂肪の減少」だけを意味する訳ではないのです。またこれは「体重が増えた」に対しても同じ事が言えます。体重が増えるとそれだけで「脂肪が増えた」と勘違いしがちですが、筋肉がついても体重は増えますし、単純に水(1リットル=1キログラム)をガブ飲みするだけでも一時的に体重は増やす事ができます。このように、「体重」という数値だけでは何が減った何が増えたかが分からないため、ダイエットの指標にするのには適していないと言えるのではないでしょうか。そもそも体重は体全ての重さを表す数値であり、そのように脂肪以外の増減にいちいち一喜一憂していたらキリがありません。何より水分や栄養不足など重要な体調の変化を見逃す事にもなってしまいます。

●気にするなら体重よりも体脂肪率

通常の体重計では当然体重しか計測する事はできませんが、「体組成計」を利用する事で体重だけでは分からないような詳細な体の状態を把握する事ができます。体組成というのは体重の内「何がどの割合あるのか」というのを表したものです。例えば体脂肪率(脂肪量)、除脂肪体重、筋肉量、体水分量、BMI(計算でも求める事が可能)、骨量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体脂肪分布・部位別脂肪率、部位別筋肉量、体内年齢などが挙げられます。また最近の機種ではスマホなどと連動し、摂取カロリーや運動の強度などを入力する事で「どのようにしたら現状を改善する事ができるか」を教えてくれる機能がついているものもあります。もしもダイエットをするのであれば、この体組成において何より重要なのは「体脂肪率及び体脂肪量」という事が言えます。体脂肪率の増減は「脂肪がどれだけ増減したか」が一目瞭然なので、体重よりも分かりやすいダイエットの指標として利用する事ができます。そこで下記では日本人の標準的な体脂肪率について書いてみます。

●日本人の平均的な体脂肪率(簡易まとめ)

・日本人男性(18~39歳)の体脂肪率目安
低:~10% 標準-:11~16% 標準+:17~21% 軽肥満:22~26% 肥満:27%~
・日本人女性(18~39歳)の体脂肪率目安
低:~20% 標準-:21~27% 標準+:28~34% 軽肥満:35~39% 肥満:40%~
※以降の年齢では40~59歳で各+1~2%、60歳以上で各+2~3%。

これをご覧いただければ分かると思いますが、男性よりも女性の方が体脂肪率の割合は高くなっています。これは女性ホルモンの影響によって元々全身に脂肪がつきやすいからです。また男性は女性よりも筋肉量が多いので、それによっても男性の方が脂肪の量は少なくなっています。もちろんこれは競技スポーツを行っている人では別の話ですが、我々のような一般人であれば基本的に上記の「標準の範囲内に体脂肪率を保つ」事が、心身の健康を維持するためには非常に重要になります。
前述のように日本人女性はダイエット志向が強いため、上記の体脂肪率の目安において既に「低」となっている人やそれを目標にしている人がほとんどです。そもそも脂肪の代謝が適切な状態になっていれば、脂肪がどこか体の一部分に偏って蓄積する事をある程度抑える事ができるはずですし、その上で筋肉を鍛えれば例え体脂肪率が20%程度あったとしても太って見える事は少なくなります。日本人と比べると欧米人のスタイルは際立って良いように見えますが、それはこれがあるからです。体の細い部分と太い部分の差が強調されれば、そのようにメリハリのあるグラマー体型に見せる事ができるのです。単に体重を減らす=脂肪を減らすだけでは到底それはできません。

●重要なのは「何故それをすると痩せるのか」

例えば「カロリー」という言葉について考えてみます。「カロリーを制限すると痩せる」という事は誰もが知っていますが、「カロリーを制限すると何故痩せる事ができるのか」を知っている人はほとんどいませんよね。簡単に説明すると、細胞を動かすためにはエネルギーとなる水分や栄養素が必要であり、例え何もしていなくても生命活動を維持するためにはエネルギーが必要です。つまり細胞が正常に活動する事のできる最低限のエネルギーしか摂っていない場合、少なくとも新しく脂肪(エネルギーとして優秀)を蓄える事ができなくなります。そのため不足したエネルギーは元々蓄えられている脂肪を使うため、それによって脂肪が減っていくのです。ただし生命活動を維持する事を優先させるため、「できるだけ節約しながら脂肪を使っていく=省エネ状態」になり、脂肪が減るスピードはかなり遅くなります。もちろん脂肪は減っていくのですが、日常生活の些細な動作を行うだけで疲れてしまうほどエネルギーが足りなくなる事があります。

同様にして最近話題の糖質制限ダイエットについても、「糖質制限をすると痩せる」という事は誰もが知っている事なのに、「糖質を制限すると何故痩せる事ができるのか」を説明できる人はほとんどいません。これを簡単に説明すると、糖は細胞を動かすためのエネルギーの一つとして使われており、それを制限すれば細胞が正常に働かなくなってしまいます。当然それが放置されれば生命活動にも支障を及ぼす可能性があるので、どうにかして糖の代わりとなるエネルギーを確保しようとします。その結果、代替品として脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作り、それを糖の代わりにエネルギーとして利用しようとします。そのため糖を制限すると脂肪が燃えていくのです。ただしそのサイクルに切り替わるまである程度時間がかかり、またケトン体を作るために関わる臓器へは負担がかかる事になります。そのため一定期間糖質を制限した後では、少しずつ食事の量を戻していく必要があります。また食習慣以外の生活習慣の改善も合わせて行わなければならず、不摂生であれば内臓機能が低下し健康を害してしまいます。

ダイエットに対して関心が高い人の多くはこのように「○○をすれば痩せる」という結果ばかりに注目し、過程の「何故痩せる事ができるのか?」を考えません。それではそのダイエットによるメリットの部分しか見えなくなり、ただそれを継続してさえいれば痩せるという非常に危険な考え方になってしまいます。上記の例で言えば確かにカロリーや糖質を制限すれば脂肪は減っていきますが、「何故痩せる事ができるのか」を理解してから実行すれば「一定期間とは言え、カロリーや糖質を制限し続ければ脂肪だけでなく他の部分も必ず犠牲になる」という事が分かるはずです。

何より、結果だけを追い求める事では「自分の頭で考えず与えられた情報だけを使って行動する」ため、「何が正しくて何が間違っているのか」を判断するためのフィルターを鍛える事ができません。与えられる情報は全てが正しいとは限りません。何故なら前述したように、例えダイエットと関係ない商品でも無理やりダイエットと関連付ける事で通常の商品よりも売れるため、「○○をしたら痩せる」という結果は「実際の効果よりも誇張されたもの」という事が多いからです。すなわち誇張された謳い文句に釣られ、気付かず簡単に騙されてしまうのです。新しいダイエット商品が出る度にそれを繰り返していれば、「ダイエットに対して高い関心を持っている人に限って、実は正しい知識を持っていない」という事にもなりかねません。例えば水素水にしたってそうです。その「方向性が間違っている関心の高さ」がお金儲けのために利用されているという事に早く気付きましょう。


★食事だけのダイエットは美容とは真逆の結果をもたらす

●ダイエットは結果として無理を強いられる

女性がダイエットを始める大きなきっかけになっているのが「思春期前後の女性ホルモンの分泌」です。女性は早い人で小学校中学年(小学校四年頃)から大人の体になるための準備が始まります。これを一般的に「思春期」と言います。女性が思春期を迎えると女性ホルモンが大量に分泌されますが、この女性ホルモンには脂肪を蓄える役割があるため、その影響によって胸だけでなく全身に脂肪がつきやすくなります。何故脂肪を蓄えようとするかというと、単純に子どもを生むために必要不可欠なものだからです。

特に妊娠中は自分の体を維持しながら胎児に栄養を配分しなければならず、通常よりも多くの栄養を摂らなければなりません。すなわち妊娠中に栄養が不足すると一気に飢餓状態になる可能性があり、それを防ぐためにもエネルギーとして優秀な脂肪を蓄えようとするのです。もし食べ物をしばらく食べる事ができない状態が続いたとしても、脂肪をエネルギーとして利用する事ができれば少なくともその間は生き長らえる事ができます。例え飢餓状態であっても脂肪があれば自分の遺伝子を残せる可能性が高くなるという訳です。だからこそ全身に脂肪がつきやすくなるのです。これは言い換えれば「子どもを生むための準備」の一つで誰でも起こる事であり、もちろんそれは誰にも抑える事はできません。しかし思春期を迎えた多くの女性が、女性ホルモンの分泌による体型の変化からダイエットを始め、それを無理やり抑えようとしてしまうのです。何故「無理やり」と言い切れるのかというと、多くの人が行うダイエットが「結果として」体に無理を強いる事になるからです。

おそらくほとんどの日本人は男性女性問わず、「日本人の標準的な体型は痩せ型が当たり前で肥満が特殊」だと考えていると思います。もちろんその考え方は人それぞれだと思うのですが、集団主義の強い日本ではそれを「太っている人はダイエットをする」という当たり前の事をしない人や、「痩せ型という当たり前から外れる肥満の人」を強く敵視するという方向に解釈してしまいます。つまりダイエットをする最初のきっかけや目的はどうあれ、周囲から「しなければならない」と強いられる(実際には周囲はそこまで自分の事を見ていないが、前述のように日本人は自分の意見よりも周囲の意見を優先するため、攻撃的な視線を浴びているように思い込んでしまう=言われていないのにダイエットをする事に大きな使命感を感じる)状態になりやすくなるのです。そうして周囲の視線を無駄に気にしている人ほど「体重が増える=肥満」という固定概念は強くなるため、体脂肪率的に見れば標準の範囲内にいるのに「自分は太っている」と勝手に思い込んでしまいます。その結果、ダイエットを生活習慣の一部として思春期以前から繰り返すようになるのです。そのように、ダイエットをしている人の多くは「ダイエットをしなければ」という強い使命感に駆られており、自分が気づかぬ内に「結果として心身に無理を課している」のです。

特に女性は「同性に対して同調を求める傾向が強い」と言われており、そのような「強い使命感に駆られる状態」になりやすいと私は考えています。何故なら思春期になると周囲にいる女性みんながダイエットを始めるからです。そのため「異性にモテたいから」といくら口では言っていても、実際には「周囲の同性に遅れないため」「周囲から嫌われないため」「周囲の同性と同じ事をしていないと孤立する気がして不安なため」にダイエットしてしまうのです。もちろんそれは日本人であれば男性でも同じなのですが、女性においては特にその傾向が強いため「ダイエットをしない事」自体がその人にとって大きなストレスになり得ます。ストレスとなるような状態を避けようとするのが人間の本能ですから、「ダイエットをして痩せる」という結果を何よりも優先させてしまうのです。それも前述したように「結果だけしか目に入らず偏った知識が身につく」事の大きな原因になっています。

●ダイエットを行うと性ホルモンの分泌量が減少する

食事制限の事しか考えないダイエットを行うと、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌量が減少すると言われています。これは何故かというと、単純に性ホルモンを作るための材料が不足してしまうからです。「ダイエットをして痩せよう」とした時、ほとんどの人がカロリー・糖・脂肪というキーワードに絞って制限する「食事制限の事しか考えないダイエット」をします。確かにそういった食品の量を減らせば体重は減るのですが、性ホルモンの材料は「コレステロール」すなわち「脂肪」なのです。そのため食事制限をすると性ホルモンを正常に作る事ができなり、その分泌量が大きく減ってしまうのです。性ホルモンの分泌量を正常に保ち、健康的に痩せていくためには、その材料となる糖(糖はその一部を脂肪として蓄える事ができ、またホルモン分泌の命令を行う脳が正常に動くためのエネルギー源として必要)や脂肪などを「最低限体に必要な量は摂る事」で、様々な代謝を適切な状態にする=基礎代謝を上げるという事が非常に重要になります。

例えば女性に関しては「ダイエットをしながら胸を大きくしたい」「痩せながらも胸は残したい」という事をよく言いますが、食事制限の事しか考えないダイエットでは性ホルモンをはじめとして胸を大きくするために必要な栄養素が不足するため、それは困難であると言う事ができます。しかも思春期以降では思春期中ほど女性ホルモンの分泌量が急激に増える事はないので、全身の脂肪の増減によって胸の大きさが変わるだけになり、この機会を逃すと胸を大きくする事はかなり厳しくなります。食事制限をするような「苦痛に耐えるダイエット」は「努力している」と一時的には自分を満足させるかもしれませんが、そのように性ホルモンの分泌量を減少させ、実際には美容とは真逆の結果に繋がってしまうのです。前述したように思春期は将来健康な赤ちゃんを生むため(男性も同じ事)の準備を行う期間です。その思春期中やそれ以降に食事制限をするという事は、将来自分が出会うであろう子どもにとっても良くないだろうという事は頭に入れておくべきです。

更に問題なのは、長年ダイエットを続けてきた人の多くが、自分の子どもへの影響について何ら考える事なく親になってしまうという事です。若い頃から続けてきた「健康に対する偏った考え方」は必ず蓄積されており、いざ親になった時、例え自分の知識が間違っていても、それに気づかず当たり前のように子どもにも押し付けてしまいます。例えば「遺伝だから」「日本人は元々体が小さいから」「私が太りやすいから貴方も太りやすい」「○○をすれば痩せる・健康的になる」などと、無責任に自分の子どもの将来を狭めていませんか?当たり前とされる事を何も考えずにただ続け、それを周囲に押し付けるだけではより良い未来を切り開く事はできないのです。


★小さい頃から続けるダイエットは思春期を不安定にする

女性の多くは思春期を迎える以前から継続してダイエットを行っています。上記のように思春期中にダイエットを行うと女性ホルモンが減少してしまう事があるのですが、思春期以前の小さい頃からダイエットを続けると、それに加えて「性ホルモンの分泌が不安定になる」という事が起こります。何故ダイエットによって性ホルモンの分泌が不安定になるかというと、これには別のホルモンである「メラトニン」が強く影響しています。

メラトニンは睡眠に深く関わるホルモンであり、「毎日同じ時間に起き、毎日同じ時間に寝る」という規則的な睡眠習慣を続ける事で正常に分泌されます。ですが、実はメラトニンには「性成熟を抑制し性ホルモンの分泌をコントロールする」という非常に重要な役割もあります。すなわち睡眠習慣が乱れてメラトニンの分泌が不安定になると、性ホルモンの分泌も不安定になり、それによって思春期を早くに迎えてしまうのです。しかし何故それがダイエットと関係があるのかというと、食事制限を行う事でメラトニンを作るための材料(必須アミノ酸等:肉や魚、乳製品、卵など動物性の食品に多いが、ダイエットではそれを制限するため)も不足してしまう事があるからです。

実際に思春期を早くに迎えるとどういう事が起こるのかというと、まず思春期を早くに迎えた時点で性ホルモンの分泌バランスは崩れています。つまり男性ホルモンと女性ホルモンの分泌において、その一方が極端に増えたり減ったり、あるいは両方が極端に増えたり減ったりという事が繰り返されるようになります。実は男性でも女性ホルモンは分泌されていますし、女性でも男性ホルモンは分泌されています。要は性別に関わらず、そのバランスが思春期中における心身の健康の維持に必要不可欠なんですね。例えば男性において極端に男性ホルモンの分泌量が増える事では、皮脂の過剰分泌によってニキビが悪化したり、体毛が濃くなったり、逆に髪の毛は薄くなったり、性欲や感情の起伏が抑えられなくなったりなどが起こります。一方、女性において極端に女性ホルモンの分泌量が増えると、例えば月経周期が乱れたり、運動をしているのに体の一部分に偏って脂肪が蓄積したり、骨にある骨端線が閉じて身長の伸びが著しく悪くなったりなどが起こります。それが頻繁に繰り返されれば情緒も不安定になってしまうでしょう。

また食事制限のダイエットはカロリーや糖など運動を行うのに必要なエネルギーを極端に制限するため、少し体を動かすだけで疲れてしまいます。しかし運動は体だけでなく脳にも刺激を与える事ができ、脳自体にも適度な疲労をもたらします。脳は睡眠中でない限りは常に活動しているため、脳自体の疲労は睡眠でしか摂る事ができません。そのため脳に疲労が蓄積すると、それを自然と睡眠によって取り除こうとするのです。つまり深い睡眠を摂るためには昼間の内に体や脳をしっかりと動かす事が重要になる訳で、その運動を行うために必要なエネルギーを制限する事は結果として睡眠習慣も乱れさせ、メラトニンの分泌も狂わせる事になります。ダイエットによる食習慣の乱れは実は睡眠習慣の乱れにも繋がっているのです。更に睡眠が乱れれば脳や臓器が正常に働けなくなるため、エネルギー効率は悪くなります。前述した「省エネ体質」です。そうなればせっかく摂った栄養も効率良く代謝されないため、悪循環するようにどんどん自分の理想とする体型とはかけ離れていくだけでしょう。

ちなみに女性における女性ホルモンは「骨密度」にも深く関係しています。そのため、前述したように女性ホルモンの分泌量が減ったり、あるいはその分泌が不安定になるという事が繰り返されると、若い頃からも骨が確実に脆くなっていく可能性があります。特に女性は更年期以降女性ホルモンの分泌量が極端に減る事になるため、元々男性よりも将来骨粗鬆症になる可能性が高いと言われています。小さい頃からダイエットを続ける事では、そのリスクを更に高める事になるでしょう。


★体質は長期的な生活習慣の積み重ねでしか変わらない

「体質」を変える事は難しいとよく言われます。何故難しいと言われるか、それは体質が「生活習慣の積み重ね」によって作られるものだからです。例えば食事は1日3回の機会がありますよね。長期的に考えていくと、1週間(7日)で21回、1ヶ月(30日)で90回、1年(365日)で1095回です。すなわち1年で1095回も体質を変えるための機会がある事になります。また睡眠も毎日8時間ぐらい寝ているとすれば、1週間(7日)で56時間、1ヶ月(30日)で240時間、1年(365日)で2920時間(約122日分)にもなります。睡眠は1日に占める割合が非常に大きい習慣であり、それだけ体質に与える影響を大きいと言えるでしょう。同様にして運動も毎日1時間程度行うとすれば、1週間(7日)で7時間、1ヶ月(30日)で30時間、1年(365日)で365時間にもなりますね。

体質が悪い方向へ進んでしまったのは、そういった体質を改善する機会を逃し、悪い習慣として積み重ねてしまった事が原因なのです。確かに数日や数週間、数ヶ月ダイエットを行えば多少体重は減るでしょう。しかしそのように何ヶ月も何年も今まで積み重ねてきたものを食事を変えるだけでどうにかできると思いますか?普通に考えて現実的ではないと分かるはずです。何度も何度も食事制限を繰り返すハメになるのは、ダイエットによる一時的な体重、体型、習慣の変化だけでは、根本的な問題である「体質を変える」という事ができないからです。

ならば「良い積み重ね」を続ければ良いのです。それは一見大変そうに思えます。数ヶ月や数年、いえ生涯かけて積み重ねるものですから具体的なイメージも難しいですよね。しかし毎日少しずつ、着実に良い習慣を積み重ねていけば確実に変わっていきます。悪い習慣を積み重ねて悪くなって行ったように、良い習慣を積み重ねれば良くなっていけるのです。それはゆっくり時間をかけて変化していくので自分でも気づかないほどであり、他の人からも「何も特別な事はしていないのにどうして」と見えると思います。何故ならただ単に「毎日の生活習慣の積み重ね」を続けるだけだからです。例えば有名人が「何も特別な事はしていないのにスタイルが良い」とよく言われるのは、日常の生活習慣の中で意識せずとも良い積み重ねを続けているからです。

最後になりますが、間違っても「ダイエットをする=痩せる=健康・美しい」とは考えるべきではありません。体質が改善され「脂肪が溜まりにくく燃えやすい」状態になれば、特別何かをしなくても体型や健康を維持する事ができます。いえ正しくは「体質を改善するために生活習慣を改善する」のではなく、「生活習慣を改善したら結果として体質が改善された」のです。私としてはそれこそが真の健康・美容なのだと考えています。理想論だ、無理だ、できないと諦めるのではなく、今できる事から少しずつ実践しましょう。


★ダイエット・美容に関する豆知識集

●体脂肪率とグラマー体型について

少し前述しましたが、男性の標準的な体脂肪率は11%~16%、女性は21%~27%とされているので、もしもダイエットを行う際にはこの範囲内を目指して行う事が美容・健康のためにはベストです。女性で20%台と聞くと多いように思えますが、全身にバランス良く脂肪が散らばっていれば「太って見える」事は決してありません。女性においては女性ホルモンの分泌をコントロールし、その分泌量を増やす事で脂肪の代謝が適切になるため、胸へ脂肪が集まるようになり、体の一部に脂肪が偏る事は減っていきます。その上で筋肉を鍛えてあげれば、更に体のラインが綺麗になり、太い部分と細い部分が強調されたいわゆる「グラマー体型」に見えるようになります。海外の女性は日本人よりも体脂肪率が高いのに、皆日本人にはあり得ないような体型に見えると思いますが、それは脂肪と筋肉のバランスが非常に良いからです。

●有酸素運動に対する間違ったイメージについて

「有酸素運動」は脂肪を燃やすために効率的な方法の一つですが、「きつくてつらい」時点で、そもそも脂肪ではなく糖が燃える「無酸素運動」になっている可能性があります。有酸素運動の効果を得るためには長時間続けられるよう苦しくない程度まで強度を下げる事が重要です。これについては「運動編」にて説明しているので詳しくはそちらをご覧下さい。

●半身浴や辛い食べ物だけでは脂肪は燃えない

半身浴や辛い食べ物を食べる事では体温調節機能を鍛えたり、老廃物を外へ出すなどのデトックス効果は期待できますが、そもそも運動を伴っていないため、実は脂肪の燃焼効果はほとんどありません。これらはあくまで「脂肪を燃えやすくする」だけであり、脂肪を効率良く燃やす事ができるのは有酸素運動だけなのです。尚、それらのような「体温が上がる行動」は汗をかくので、適切な水分・ミネラル補給をしなければ、いくら健康に良いと言われている方法でも逆に脱水や乾燥を招く事があります。また辛い食べ物は一般的に日本人の舌に合うように塩分や糖分が多めに使われており、毎日毎日食べていると意外にも塩分・糖分過多になる事があります。それが肥満の原因になるなんて誰も思いもしませんが、大きな落とし穴です。程々にしましょう。

●便通は食習慣を変えるだけでは改善されない

例えば食物繊維は糖の吸収を抑え、便通を改善すると言われていますが、摂り過ぎると逆に腸内環境が悪くなり、ビタミンやミネラルなど体の必要不可欠な栄養素の吸収も悪くなってしまう事があります。そもそも便通を食物繊維だけで整えようとするのが大きな間違いです。胃腸の活動は食事だけでなく様々な生活習慣による影響を受けています。まずは1日の内最も大きな割合を占めている睡眠習慣を改善し、ホルモンバランスを整え、運動習慣を改善し、お腹周りの筋肉をよく動かしましょう。その上で栄養バランスの良い食事(変に意識せずとも例えばビタミンCを摂ろうとすれば自然と生の緑黄色野菜を食べる事になる)を摂る事ができれば自然と便通は改善されていきます。

●バストアップは思春期中にしかできない

これも少し前述しましたが、思春期中においては女性ホルモンの分泌によって胸が大きくなります。しかし実はそれ以降では全身の脂肪の増減に伴って胸の大きさが変わるだけになります。ですので胸を大きくしたい場合、思春期中にどれだけ女性ホルモンの分泌を安定化させ、またその分泌量を増やすかが非常に重要になります。そのために重要なのがやはりメラトニンというホルモンです。メラトニンが分泌されていれば思春期を緩やかに終える事ができるので、思春期中における「胸を大きくする期間を延長する=女性ホルモンを分泌させる期間を延長させる」という事ができます。ただし前述のように一度思春期に入ってしまったらそれを抑える事は誰にもできません。よって思春期中のホルモンバランスは「思春期以前からの積み重ね」が重要になります。やはり美容のためには規則正しい生活をするしか道はないのです。